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倉敷アフタヌーンティーの誕生秘話
岡山県倉敷市で展開しているアフタヌーンティーイベント「倉敷アフタヌーンティー」。
気づけば誕生してから10年が経ちました。
10年も続くなんて…恐らく誕生した当時は、誰もここまで続くとは思っていなかったでしょう。
遥か昔の記憶を掘り起こし、倉敷アフタヌーンティーの誕生秘話をお伝えします。
偶然から生まれた企画
あれは2014年のことだったと思います。
当時、noteの中の人、私もりたは倉敷市の観光協会に勤めていました。
上司から倉敷市観光課と観光協会の20・30代のメンバーでなにかイベントを企画してみてと言われました。
集められたのは全員で7人。
「なにか」に行き着くまで何度会議したことか。
ただの雑談で終わることもしばしば。
なにも成果を出せずに焦りが出てきた頃…
いつもの雑談をしている時にふと誰かが(今となっては誰が言い出したかはっきりしていません)、
「この間、こんなもの食べたんだけど…」と見せてくれたのがアフタヌーンティーでした。
なにこれ。ワンプレートではなく、縦に盛ったスイーツたち。
その見た目のインパクトに釘付けになりました。
倉敷アフタヌーンティーが生まれるきっかけとなった瞬間でした。
倉敷でするなら倉敷らしさを出すのは必須。
フルーツは外せないよね、ということで岡山の特産品、桃とブドウを使うアフタヌーンティーをすることに。
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アフタヌーンティーとはなにか、まずは知ることから始めた
アフタヌーンティーをしようと決めたのはいいけど、そもそもどのようなものか分かっていなかったメンバーたち。
2014年に岡山県内でアフタヌーンティーを提供している店はほどんどありませんでした。
メンバーはそれぞれ自分なりにアフタヌーンティーを調べることに。
私は、まずは実際に食べないと!と思い、福山となぜか奈良まで行ってアフタヌーンティーを実食しました。もちろん自費ですよ。
実際に体験すると、アフタヌーンティーを説明する際に説得力が生まれます。
アフタヌーンティーを食べたときの感動を事業に活かさなくては。
次のステップは店集めです。
苦労の連続でした
アフタヌーンティーにたどり着くまでも苦労しましたが、店集めも非常に大変でした。
なんせ初めての企画。
成功するか分からないものに参加してとお願いしないといけません。
アフタヌーンティーを提供するには、スタンドが必要です。
初期投資がいる上、初めて「アフタヌーンティー」という単語を聞く店のひとたち。
私たちはWeb検索して、アフタヌーンティーの画像をプリントアウトし「アフタヌーンティーってこんなものです!イギリスで生まれたもので…これを倉敷でしたくて…」と根気強く店のひとに説明しました。
分からないことだらけの企画にすんなり参加しますと言ってくれる店はほとんどなく、何度も説得しに通いました。
なかには前回は参加すると言ったのに、やっぱり無理と言われたことも。
泣きそうになりました。実際泣いたかも。
それでもなんとか集まったのは9店舗。
事業としてスタートできる数になりました。
この9店舗はきっと利益のために参加してくれたのではないと思います。
赤字のリスクが十二分にあるなか、私たちのアツい想いに応えてくれた店でした。
倉敷の名物にしたい、倉敷の観光の滞在時間を延ばしたい、お客様に感動を届けたい、岡山のフルーツを味わってもらいたい…
そんな想いに賛同してくれたやさしい9店舗とともに、2015年7月に倉敷アフタヌーンティーが誕生しました。
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本当は始まるまでに、企画自体が頓挫しかけたり、7名のメンバー間で優先したいことが違ってバトルしかけたり、もっといろんなことがありました。
さまざまな壁を乗り越えて、やっとスタートできた時の喜びは10年経った今も色あせません。
感謝なしには語れない10年の歴史
倉敷アフタヌーンティーの10年の歴史には多くの感謝が詰まっています。
まずは1年目の9店舗の参加店舗。
利益より、倉敷のためになるならばと思って参加してくれました。
私たち運営陣はこの9店舗を「初期メンバー」と呼んでいます。
▼初期メンバー
夢空間 はしまや(現・atelier&salon はしまや)
くらしき桃子 倉敷本店
くるま座 有鄰庵(現:有鄰庵)
この初期メンバーがなければ倉敷アフタヌーンティーは生まれていませんでした。
そしてなによりイベントを支えてくれたファンのかたがたにも感謝しています。
ファンがいなければ成り立たないですからね。
無名のイベントに来て、口コミをしてさらにファンを増やしてくださいました。
倉敷アフタヌーンティーを誕生させ、10年間支えてくださったかたがたに感謝しています。
2025年の夏には11年目を迎えます。
これからも倉敷アフタヌーンティーをどうぞよろしくお願いします。
次回は、試行錯誤を繰り返しながら倉敷アフタヌーンティーを広めた話をする予定です。
お楽しみに。
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