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腎臓専門医試験対策、2023年度正答内容からの振り返り


はじめに


本記事は2023年度腎臓専門医試験(2024年2月施行)を受験した経験を元に、2024年度以降の腎臓専門医試験対策の内容となっています。

試験問題は全100題で制限時間150分の選択式ですが、関連領域専門医レベルセルフトレーニング問題と同一の問題が7題あり、それ以外の93題中92題ほぼ全ての内容を記録することができました。
92問の内容をそれぞれ1行ほどで箇条書きにするのでもいいですが、かなり質の高い記録を残せたのでなるべく多く問題形式のまま資料を作成しようと試みました。ただし、明らかに簡単なもので問題として残す意義や臨床問題として残す意義が少ないものや、逆に正答の判断がしづらいものも見られ全問を問題形式にするのは困難であり、その中でできるだけ多くの内容を問題形式にし、92題中60題は5択の問題形式にして作成しました。

また、本資料ではそれぞれの問題を難易度A〜Dでランク付けしています。
ランクの大まかな評価は以下の通りです。
A:腎JOSLERに必要な症例を経験していれば試験勉強しなくても解ける問題
B:必須資料を勉強すれば正答できる問題
C:BとDの中間、この中の難易度に幅があるため更にCーとC+で分別
D:捨て問である程度見切りをつけて次に進んだ方がいい問題
必須資料など詳細はⅠ(試験戦略について)で再度解説しています。
このランクは試験中に自信を持って正解することを基準としているため、CやD問題の中にも2択までは簡単に絞れる問題もあります。このランク付けとそれぞれの問題数が具体的に数値化されることで試験全体が体感どのぐらいの難易度か、どのぐらいの資料をこなせばよいかがはっきり見えてきます。

腎臓専門医試験はセルトレが対策の中心になり、内科や透析専門医試験と違い試験対策がしにくいですが、1つの確立した対策資料を完成させることができたと自負しています。

本資料の構成

Ⅰ 試験戦略について
教材選びに関しても忖度ない意見を記載し、次に本資料を作るうえで教材、全問を見返して難易度のランク付けを行った上で合格に必要な問題数から試験に必須と考えた必須資料について言及し、また上述の難易度ランクについて再解説し92題の難易度ランクの内訳を記しています。
加えて透析専門医試験との関連、実際の試験問題やセルトレから試験に有用と考えられる関連ガイドラインをリストアップしています。

Ⅱ 問題編(1~60番)
本番と同一ではありませんが、以下は同じとなっています。
問題のテーマ、要点、正答の選択肢、問題の選択式(X2、X3 etc)
また誤りの選択肢についても記録できたものはそのまま、一部創作していますが実際の難易度が低いものは簡単な、難易度が高いものはやや複雑な選択肢を用意しています。臨床問題は一部は要点をそのままにし一般問題化し、臨床問題として残す意義が大きいものは臨床問題として作成しました。
100題のうちの60題ですが、難易度AとDランクの割合が少なめでBとCのランクの割合が全体より多めのため本番と同レベルの難易度、臨場感が担保できています。また正答の選択肢は同じため本番に向けて自分の実力を正確に測ることができます

Ⅲ 問題(1~60番)解答、解説編
一部の解説には難易度Cランクの問題を中心に引用をつけています。著作権遵守のため引用は英字のオープンアクセスのみ、また難易度A、Bの問題に関しては受験者の多数が使用している教材やGoogleで調べることで簡単にソースに辿り着けるものも多いため簡潔にしていますが、無駄なく要点はどれも記載しています。

Ⅳ 問題テーマと解説(61〜92番)
問題のテーマと正答肢、難易度を下の例のように問題毎に記しています。
正答肢は1題を除き記録することができました。難しい問題については解説を付与しています。

77 造影剤腎症の予防で誤っているのが問われ、「利尿薬投与」を選択させる問題。 難易度:B

V  分野別必出、頻出事項
必出事項:本番の出題数や、セルトレの出題頻度、実臨床での遭遇頻度から今後も毎年出題され、同じ試験で複数題出題されると考えられるもの。
頻出事項:毎年は出ていないが、カリキュラムやセルトレの出題頻度、実臨床で鑑別が求められ今後も定期的に出題されると考えられるもの。
それぞれJoslerの分野毎に把握しておくべき点を記載しています。

Ⅵ 総括

Ⅰ 試験戦略について

最低限こなすべき必須資料

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