【イベントレポート】美冨久酒造と考える「クラフト」の定義
こんにちは。KURAND公式note編集部です。
KURANDでは、商品を製造してくださるさまざまなパートナー酒蔵とともに、新しいビジョンの浸透や深堀りをする場を「ビジョンドウィズ」と称し、毎月ディスカッションを交わしています。
第17回の「ビジョンドウィズ」にお越しいただいたのは、クラフト酒のオンライン酒屋「クランド」で販売する日本酒「絶 -zetsu-」や「PONKO」などを造っていただいている美冨久酒造さん(滋賀県甲賀市)です。
今回は美冨久酒造より、代表取締役社長の藤居さんにお越しいただきました。KURAND(クランド)との商品開発についてや「クラフト酒」についての考えを伺いましたので、その一部始終をご紹介します。
酒文化を創造する
美冨久酒造さんは2017年に創業100年を迎え、滋賀県甲賀市で製造の約70%を山廃仕込を用いてお酒造りを行っています。KURANDとは2019年に「クランドCLUB」のための商品開発を行ったのが最初のお取組みでした。
「人間ってどんどん歳を重ねていきますし、それと同時に感じる味わいも変化していきます。また、日々新たに成人する人も増えていき、新しい味覚を持った方がどんどん増えていきます。」と藤居さん。「それぞれのステージごとに見ている目線が違っていて、だからこそ”お客さま目線”という言葉も日々変化していくのだと思います」と話します。
「最近はアルコール飲料もいろいろなタイプのものが増えています」と藤居さん。「日本酒に限定しても味わいの幅は増えていて、私たちが造っているお酒だけでも超辛口から超甘口までかなり味わいの幅は広いです。今後はより一層新しいものが増えていくのだと思います」と言います。
「”日本酒はこうでなければいけない”といった固定概念やこだわりも必要ではありますが、こだわっているだけではなくそれをさらにブラッシュアップしていく必要があると感じています」とお酒の未来についても話してくれました。
そう考える背景について聞いてみると「私たち美冨久酒造の経営理念の中に”酒文化の創造によってお客さまと社会に貢献しましょう”という一文があります」と言います。「蔵の中では”酒文化の創造屋になろう”といつも言っています。蔵開きやイベントへの参加を通して、日本酒を飲んでこなかった方にも取り込んでいきたいと考えています」と教えてくれました。
時代にあった要素を取り入れ、新しいものが生まれる
KURANDはECサイト「クランド」で販売する多種多様なお酒を表すために、「クラフト酒(しゅ)」という言葉をオリジナルで作りました。さまざまなパートナー酒蔵にもご意見を伺いながら、その認知の拡大に挑んでいます。美冨久酒造さんにも「クラフト酒」をどのように捉えているか尋ねてみました。
「私は”クラフト”って手づくりとか少量生産というイメージを持っています」と藤居さん。「大量生産とは作り方が違っていて、1つ1つにこだわりを持って作っているものをイメージします」と言います。
それに対し「クラフト酒」のイメージを聞いてみると「クラフト酒には私は”小規模生産”という印象はありません。どちらかというと”こだわり”のほうが大切なキーワードな気がします」と言います。
「毎年お酒造りをしていると、同じ原料で同じように造っていてもその年ごとに少しずつ味わいに個性があります。”再現性”が求められるものではありますが、100求められているところに対し、ときには80になったり、ときには120になったりとその振れ幅があるのが”クラフト酒”なんじゃないかなと思います」と藤居さん。
「大手のメーカーではそこを毎回100にし続けることを求められると思いますが、逆にクラフト酒は振れ幅があり、でもそれがマイナスなのではなくひとつの個性として楽しんでもらえるものなのかなと考えています」と、クラフト酒の魅力について教えてくれました。
KURANDでは、個性豊かな新しいお酒を、酒蔵さんと一緒に日々開発しています。一期一会のお酒との出会いをこれからもお客さまにお届けしていきたいと思わせてくれるお話でした。KURANDはこれからも常に新たなお酒との出会いを求めて、思わず見に来てしまうようなお店を目指していきます。
ディスカッションの後は、恒例の懇親会。美冨久酒造さん、ありがとうございました!