僕ヤバ@Karte15考察
担当さんのつぶやきはこちら!!
「未満」の終わり
桜井のりお先生のTwitterより。いうまでもなく、ラブコメ未満。
Karte15:僕は抱きしめたい
ラストのKarte1との対比が光る。
時はKarte14の翌日。
みんなが山田の怪我を心配する中、市川と小林にその様子はない。
すごく怖かった
山田の気持ちを小林が受け止めている。市川は目を伏せるだけだ。
萌子と吉田は山田を慰めるが、山田の反応は違っていて。
そう言われるのが 一番悔しい
そうこぼし、悔し涙があふれる山田。その姿に市川の目は大きく開かれる。
山田は やっぱり僕らより少し大人なんだ
本に目を落とす市川の目に映る山田は輝いている。
山田は周囲に認められるために一生懸命だった。それこそ悔し涙を流すほどに。そんな山田を見た市川の評価。
先生たちは泣く山田を"子供"と言った。
大人である彼らには市川の"少し"は見つけられない。
足立は山田の内面を知らないから、涙の理由に思い至らない。
年相応にいつも通りの目で山田を見ている。
ちょっとだけクラスメイトと違う市川は、僕らとの違いに目を向けていた。
市川は変わった。
最初の市川は、山田の容姿の美しさに惹かれていた。
陽キャ属性、人気者。山田の表面的な属性に憎しみを持っていた。
殺してやりたい理想像だった山田の一面を見ることで市川は変わっていく。
殺害対象から性の対象、そして恋の自覚へのゆっくりとした変化。
山田は "やっぱり"僕らより少し大人なんだ
気が付いたのはKarte14か。市川が泣いたのは、撮影がダメになって泣いた山田に対してだ。怪我ではなく、期待に応えられなくて泣いた山田に対して。
容姿だけに惹かれていた市川の心は、今や完全に山田の心の美しさにひきこまれている。
山田に対して憎しみに歪んでいた感情は今、瑞々しい気持ちとしてここに描かれている。
山田の変化はわかりやすいけど、市川だってちゃんと変わっている。
昼休み
山田の涙は止まらない。
小林に受け止めてもらっても、階段の踊り場で泣いている。
あ ティッシュがない
山田のティッシュが無いことに気が付いた市川。
何とか手を差し伸べたいが、直接は渡せない。
市川は山田のためとは大っぴらには言えない。
うん!!自然だよな!!
涙も落ち着いたのか、ようやく入ってきた山田もびっくり。
机いっぱいのポケットティッシュがお行儀よく並んでいる。
山田はおもむろに座ると、ポテチを取り出して笑顔でお菓子をむさぼる。
ちーがーうーだーろ~ ちがうだろッッ
山田は笑顔でティッシュで手をふく。
山田はもう泣いていない。
お菓子を食べてニヤつける山田はやっぱりいつも通りだ
山田の手にはティッシュがあり、ニヤついている視線の先はそれだ。
頬を染めているのは、市川の気持ちが嬉しかったからだろう。
図書室にはいつも市川がいて、市川は認めないが気を遣われているのを察していた山田だから。
特定の人向けでは無いティッシュだが、市川と山田だけの図書室では相手は山田だけだ。
他のKarteと違って言い訳のしようがない。少なくとも山田にはわかる。
山田は市川が見てくれていることに気が付いて、このKarte15は閉じる。
まとめ
今回は導入がモデルの山田ファンの子たちから声をかけられるところだったりして、期待を裏切るところから始まったりと、実のところたくさん見どころがあります(小林に露骨に無下にされるパイセンとか)。
ただ、やはり今回は
Karte6以降の山田の態度の劇的な変化、市川の心も静かながら劇的に変わった点。
市川の行動が山田に笑顔を取り戻す所。
ここを押さえておきたいなと。
今回の山田の笑顔。
Karte6と違って、完全に市川の気遣いというところが大きいのかなと。
いつも通り、図書館に来た人のための用意の体で山田のためじゃないというポーズが実に市川らしいんですが。
また、市川の山田像に引きずられがちですが、山田は市川に対してものすごく察しが良いです。
このシーンはむしろ現実を直視できてない市川が天然……(どう考えてもバレるんだけど、市川はバレないと思ってる)。
山田も今回は別の要因が一切ないので、市川が気をかけてくれてることは確信に変わっているはず。
※Karte16の桜井先生のつぶやきでほぼ確定。
余談
さて、Karte15はKarte1との対比となる構図が非常に多いです。
山田が座ったのは、最近の定位置ではなくKarte1のポテチの席。
市川が隠れているのは、Karte1同様、本棚の裏。
Karte1では山田の笑顔が市川の視線で失われるところから開始して
Karte15では山田の笑顔が市川に取り戻されるところで終わる。
Karte1ではポテチは一切くれなかった。
Karte15では……
桜井のりお先生のつぶやき
笑顔の山田が市川とポテチをシェアしているシーンで、閉幕。
僕の心のヤバいやつ 1巻の考察は以上です。