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フラれたからリゾートバイトに行ってみた件

 少し蒸し暑くなってきた高校3年生の6月頃、僕はフラれた。

色々思い当たるところはいっぱいあったし、まあこれも仕方ないことかと素直に別れた……はずもなく、未練に未練を重ねて卒業式前日にもう一度告白。

そして玉砕。

当然の結果だった。それからは写真も消してアカウントもブロック(相手からもブロックされていたが吹っ切る気持ちで)した。

そして高校生を終えて、専門学生になってから初めての夏休み。僕はリゾートバイト(以下、リゾバ)に応募して一念発起、彼女でも作ってやろう! とか息巻いた。

応募したリゾバ先は静岡県の伊豆半島。
熱海が近いホテルで勤務することになった。ビュッフェの洗い場で3週間お世話になり、時給も普通に働くより高く、食住も充実した、すごくコスパ抜群なホテルバイトだった。

初めの1週間は戸惑うことも多く、知り合いが無理やり引っ張って連れてきた友人Mしかいなかったため、話す相手も限られた。

でも2週間もしてくると相部屋だったYouTuber Dや某有名大学在学中のKやY、クオーターを更に薄くしたRなどとすごく仲良くなってきたり、研修で来ていた東京出身のHやSとも仲良くなれた。色々な経験や知識、考え方を知れたのでこれは一生の思い出になると確信した。

ここまで何不自由なくとても楽しいリゾバライフを送っていた。色々な観光地に行ったり、カフェ巡りをしたり楽しい日々が続いた。

だが、何かを忘れいないだろうか。僕はここに何をしに来たんだろうか。バイトか、それとも仲間作りか? 

いや違う、恋人作りだ。

バイト2週間目にしてようやく気づいた当初の目的。
ここに居られる残り日数が1週間しかなく流石に焦り始めた。

その時、一緒に洗い場で勤務している東京出身の可愛い女の子がいたことを思い出した(仮にKちゃんとする)。

 Kちゃんはいわば天然、すごく男受けが良く「Kちゃん天然だな」というと「バカにしてる?」と返ってくるくらいには天然だった。ちまたに蔓延っている、「ワタシ少食でぇ〜♡」とか言うぶりっ子などの養殖の天然ではなく、これは天然中の天然なのだと自覚した。

だが、ここで僕は思った。可愛いだけで付き合いたいというのは軽率ではないのか、と。出てしまった、これが自分の悪いところだと思う。

勢いに任せて行動ができないのだ。

だが、何もしないというのもおかしな話。ここまで来て何の爪痕も残せないのは男として恥ではないだろうか、そう自分に言い聞かせ奮い立たせた。

決めたなら行動する、これは僕の中にある鉄の掟だ。

次の日洗い場の帰り道に話をしてみた。
思っていたより話が弾んでだいたい1時間くらい話していたと思う。

しかし、ここであることに気づいた。
話していて、どうも異性としてこの子を見れない(魅力がないわけでは決してない)ということに。もちろん話していて楽しい。だが、僕の頭にはまだ前の彼女が頭に残っていた。だからどうしても異性として見れないのだ。

やっぱり僕はゆっくり恋愛に発展しないと好きにはなれないらしい。そう思い、その日はそれで別れた。

ーーーーーーーーー◯

 翌々日、39度の高熱。最悪だ。
リゾバ先で隔離されてしまった(当時はコロナ禍)。

これでは友達ともKちゃんとも他のバイト仲間とも話せず、強制送還されてしまう。恋人はもうこの時はどうでも良くなっていた。

それよりも友達と一夏の想い出を作りたい一心で、めちゃくちゃ早く寝てめちゃくちゃ食べた。早く治れと言わんばかりに頑張っていた。

そんな努力が実ったおかげかほぼ熱は3日で下がっていた。

残りバイトできる日数は2日ほど。
それでもないよりはマシだ。


熱が下がって少し余裕が出てきた頃、夜に一通のラインがきた。
友達からだった。

どうしたんやろ、そう思ってロックを解除する。

きていた文章は以下の通り。

【Kちゃんと付き合えた】

……正直、ショックはなかった。
まあ元々好きとかそういう感覚ではなかったから素直におめでたい、そういう気持ちで「マジでか! おめでとう!」と送ると「そっち行くから話しよ」と返信がきた。

この時点で色々察していたが案の定、お前の好きやった人とってもたかもしれん、マジですまん的なことを言ってきた。まあこっちとしてはおめでとうしかなかったからその旨を伝えたら「マジで絶交かと思った」と友人はため息をつきながら安心していた。

逆にこんなことで絶交するのは友達じゃないんじゃないかと思う。

というわけで、僕は彼女を作れず、逆に無理やり連れてきた僕の友達は彼女を作ったという話でした。

やっぱりガッツいたらいけないんだね!

•今度のnoteは人生で初めて1人で行った海外、治安の悪いイタリア、を書きたいと思ってます。よろしくお願いします。


#初めてのnote

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