AM4:56
この時間は不思議な気持ちになる。
夜と朝の間。
眩しい朝がもうすぐ来るのが嬉しいけれど、暗くて静かな夜が恋しくなる。
また新しい1日が始まる。
朝ごはんの支度をする人。
これから電車に乗る人。
もうすぐ夜勤を終える人。
まだ何も放送されていないテレビ。
田舎の山にも、東京のビル街にも、
もうすぐ朝が訪れる。
毎日 目まぐるしく過ぎていく時間がまるで嘘みたいに、時間はとてもゆっくり流れる。
まだ何千回も何万回も過ごすであろうこの時間を、あと数十回しか過ごせない人もいる。
もしかしたら、今日が最後の人もいるかもしれない。
毎日世界から誰かが消えて、別の誰かが生まれる。
誰も居なくならない日なんて、今まであったのかな。
他人事だと思ってても、必ずいつかは順番が来る。
寂しいけど、それが運命。
私を愛してくれた人も、いつか私を忘れてしまう日が来る。
もうすぐ来てしまうかもしれない。
それがすごく寂しくて、悲しくて、何も出来ない自分が嫌だ。
当たり前なことなんて1つも無くて、全ての事に感謝しなきゃいけないんだって。
どんなに思い出せなくても、あの頃みたいに、「また遊びにおいで」って言ってくれた笑顔は
ずっと忘れないし、忘れたくない。
もし周りのみんなが色んな事を忘れていってしまっても、私だけは絶対忘れないし必ず死ぬまで覚えておくって決めてるんだ。
きちんと覚えておいて、また向こうでみんなに会った時、沢山話すの。
みんなの分まで私が全部覚えておくから。
嫌なことも、いい事も、全部だよ。
だから、元気なうちに色んな人と出会って、沢山遊んで、笑って、素敵な人生を歩むんだ。
誰かのためにも生きたいし、自分のためにも生きたい。
ずーーっと、私でいたい。
もうすぐ、朝が来る。
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