書き置き御朱印の日付を自分で記入する時に迷ったこと
「書き置き御朱印」とは、和紙にあらかじめ御朱印が書き入れてあるものです。本に綴られていない状態で、一枚ずつ準備されています。参拝した日付をその場で記入していただく場合が多く、大切に持ち帰り、後ほど自分で御朱印帳に貼ります。
先日、とある神社で書き置き御朱印をいただきました。無人の受付所から自分の手で1枚取り出します。初穂料はお賽銭箱に納める形でした。
無人ですので、その場での日付記入がありません。持ち帰り、いざ自分でその日の日付である「16」を漢数字で書こうとして……迷ってしまいました。
年賀状の住所でも迷った記憶がよみがえる
「16」を漢数字で縦書きしたい時。
(1)「十六」と記入する?
(2)「一六」と記入する?
個人的に「16」に関しては「十六」が良い気がします。でも「十」を使うとしたら、例えば西暦はどうなるでしょう。2023年を表示するときは「二〇二三年」と書き「二千二十三年」とは書きませんし……。どちらが正しいのでしょうか?
縦書き(漢数字)で記入する際の2つの方式
漢数字を表記する際には二つの方式があるそうです。
(1)十方式(十六と表示する方式)
(2)一〇方式(一六と表示する方式)
この二つ、実はどちらが正しいとは決められないそうです!日本産業規格であるJISでも明確に決められていないのだとか。
インターネットでもう少し深掘りしてみました。論文における漢数字のガイドラインを設けている大学や、郵便物は一や二が続くと判別しづらいので十を使いましょうとルールというよりマナーについて触れているサイトが見つかりました。確かに、一と二が続いて三に見えてしまうと住所の誤読につながりそうです。
それで結局、どちらの方式にする?
縦書きの漢数字について調べ、両方間違いではないことはわかりました。でも結局どちらの方式にするか決めかね、過去いただいた御朱印を参考にすることにしました(最初からそうすればよかったのですが)。
手元にある御朱印帳で「十」や「二十」が出てくる日付の御朱印を、ざっと30体ほど確認しました。結果、10日なら「十日」23日なら「二十三日」偶然か必然かすべて十方式で記入されていました!
あれ?もしかして考えすぎてしまっただけでしょうか?手帳屋でもある私たちは年号や日付など毎日たくさん取り扱います。職業柄、思わず色々な書き方が頭に浮かんでしまったのかもしれません。
これからいただく御朱印では一〇方式に出会う日がくるかも?こんな箇所に注目してみるのも楽しみがありますね。
ちなみに「書き置き」に対して、持参した御朱印帳に直接書き入れていただくことは「直書き」や「書き入れ」と呼ばれたりもします。ただ「書き置き」「直書き」ともに便宜上こう呼び分けられている印象です。共通の正式な呼び名ではなく、神社やお寺によっては呼ばれ方が違いますのでご注意ください。
書き置き御朱印は新型コロナウィルス流行以前から、参拝者が多い神社・お寺で取扱いがありました。また、御朱印帳を忘れてしまった時もいただくことができました(いただけない場所もあります)。
ウィルスが猛威をふるう様になると、感染防止の策として書き置きのみの対応が次々と増えていったことがまだ記憶に新しいです。
書き置きでの対応は、職員の方や書き手さんの負担軽減になりますし、並ぶ方の待機時間緩和にもなります。今後も定番となるのではないかと思っています。
最近では和紙に限らず、美しい特殊紙に印刷されたもの・シールタイプで糊いらずのものなどバリエーションがどんどん増えていますよね。そういった出会いも楽しみです。
それでは、いただいた御朱印に日付を記入してきます。使い慣れない筆を使って上手に書けるのでしょうか?まずは練習をして挑みたいと思います。
(参考にさせていただいたブログをリンクします)
http://www.hokutoshobo.jp/news/jihisyuppan/298/
https://kousei.club/numbers-in-vertical-writing/
お読みいただきありがとうございました。
YouTubeに書き置き御朱印の綺麗な貼り方の動画をアップしました。よろしければ見てみてくださいね!
(蔵前天文堂・スタッフB)