⑬就活は恋愛に似ている気がする
第二の第一志望となった大学職員の採用試験は、まんまと最終面接で不合格となった。
採用されなかったとはいえ、こんな自分でも人事の人達に認められ、最終面接まで進めたことは大きな自信となった。
しかし、どんなにこちらが望んでも、相手が望まなければ採用・内定というものは手に入れられない。
一方で、どんなに相手が望んでも、こちらが望まなければ採用・内定は成立しない。
まるで恋愛みたいだと、今更ながら思う日々だった。
相思相愛というのは実に難しいし、努力でどうにかなるものでもないのだろう。
相性、互いの求めるもの、そして目に見えない「運」や「縁」、「タイミング」といったものもきっとあるに違いないと思った。
しかし、内定を得るまで就活は終わりではない。
なんなら、内定を得てからがスタートでもあるのだ。
「余暇が多そう」という理由で志望した大学職員。
その後もいくつかの大学の採用試験を受けたが、所属してもいない大学に対する志望動機などなかなか思いつかず、一校だけ一次面接に呼んでもらえたが、他はエントリーシートの時点で全滅となった。
そうこうしているうちに大学職員の募集も減っていき、一般企業にも目を向けなくてはならなくなった。
やはり、「残業が少ない」「カレンダー通りに休める」といった条件は死守したものの、それゆえに選択肢も狭まっていたのも事実だった。
その中で見つけたうちのひとつが、過去に利用したことのある観光系の企業。
幸い、この会社の書類選考が通り、一次面接と二次面接をクリアして最終選考へと進むこととなった。
つづく