FRBの米国金利の引き上げって何?
FRBとはアメリカの中央銀行である連邦準備制度(FRB)のことで、現在インフレ抑制のために米国債などの利上げを継続していることが、金融市場に大きな影響を与えています。FRBは2024年もインフレ率が高止まりしているため、金利をさらに引き上げる見通しを立てており、これによりドルの金利が上昇。投資家はドル建て資産への魅力が増すため、資金がアメリカに集中し、他国の通貨、特に円が売られやすくなっています。
米国の金利引き上げによる円安には、メリットとデメリットがそれぞれ存在します。
1. メリット
輸出企業に有利: 円安により、日本企業が海外で製品を販売する際、外貨での収益が円に換算すると増加します。特に自動車産業や電機メーカーなど輸出依存度が高い企業にとって、利益の増加が期待されます。
観光業の活性化: 円安により、日本を訪れる外国人観光客にとって日本国内の物価が割安となり、インバウンド需要が拡大。観光業や宿泊業、飲食業など関連産業の活性化が期待されます。
2. デメリット
輸入コストの増加: 日本はエネルギーや食料など多くを輸入に依存しています。円安によってこれらの輸入コストが上昇し、ガソリン価格や食料品価格が高騰し、企業や消費者に大きな負担を与えます。
インフレ圧力の増加: 輸入品価格の上昇は国内の物価上昇(インフレ)につながり、特にエネルギーや食料品の価格高騰が家計に直撃。消費者の購買力が低下し、経済成長が鈍化するリスクがあります。
資金流出リスク: 日本の低金利政策と米国の高金利政策の金利差拡大により、投資家はドル建て資産に移行し、円資産が売られ資金が流出するリスクも高まります。
総じて、円安は輸出企業や観光業にはプラスに働く一方、輸入依存の日本経済にはデメリットも多く、特に生活コストの上昇が深刻な課題となります。
その中において、円だけで資産を持つ・運用するというのは、将来のインフレリスクに対応できていないという事が分かるかと思います。
外貨建て保険などで、効率的に資産を分散運用するには悪くない時期なのかもしれません。