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君に贈る言葉

私はずっと誰も傷つけずに生きていきたい、
救いの手を差しのべる側でありたい、と
ずっとずっと思ってきた。

その日は何だか体調が優れなくて。
身体に異変を感じながらも
毎日のルーティンをこなして
いつものように気のせいだ、と言い聞かせた日だった。

足をずるずる引きずりながら
いつもより何だか汗ばむ背中にも
気付かないふりをした。

いつものように笑えていたし、
皆も笑っていたし、
'大丈夫'なはずだった。

何の弾みだったかはわからない。
私はその日大事な人を傷つけてしまった。

いつもは選ばないようなワードチョイスをしたし、
それが本音かそうじゃないかと聞かれたら
本音じゃなかった。

決して'傷つけてやろう'と思ったわけではないけれど、
冷静になるとあの言葉を紡ぐべきではなかったとあとから気付く。

こんなにも言葉を大事にしてきたのに。

私の生活軸には欠かせないとても大事な人だった。
甘えもあったんだと思う。
ううん、甘えていたんだ。

大事に大切に守っていくはずだった。

大切な人たちには
偽りの無い愛のある言葉をたくさん紡いでいきたいとずっと思っていたから。

私に謝る君がとても痛くて辛くて悲しかった。

ごめんね、と言わなければいけないのは
私だったのに。

もっと丁寧に紡げばよかった。
思ったこととは違う意味で捉えられてしまった時、もう伝えることを怖く感じた。

頭が回らないなか、どうして伝えてしまったのか。
罪悪感に苛まれて押し潰されそうだった。

でも、これだけは知っておいてほしい。
どうしようもないくらい
私は君が好きだということを。

これだけはどうしても信じてほしいんだ。

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