新カード解説⑥(デュエプレ9弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
9弾の新カードの考察第6弾です。
第5弾はこちらをどうぞ。
指標はこんな感じ。
9点~10点 → 壊れ性能。環境トップレベル。
7~8点 → 優秀。環境でもよく見かける。
5~6点 → 悪くはない。癖があったり、デッキや環境次第で採用される。
3~4点 → おそらく環境では見ない。地雷枠や限定構築に活路を見出す。
0~2点 → 見なかったことにしていい。
基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。
それでは以下、本題です。
クゥリャン
事前評価:7
紙からの変更点はありません。
見てわかるとおり、「アクア・ハルカス」の同型再販カードです。
攻撃できるクリーチャーで出てすぐにアドバンテージを回復するのは、基本に忠実で強力です。
「アクア・ハルカス」を採用するのが主要なところだと『テクノロジー』『ツヴァイ』などの種族デッキになるため、このカードも採用するなら種族デッキとなってくるでしょう。
サイバーロードは後に解説する「エンペラー・マルコ」の進化元になるほか、「スターマン」の進化元としても使用する種族です。
「スターマン」自体環境で目立った活躍はしていないものの、カードのスペックは決して低くないため、「クゥリャン」を採用してデッキパワーの増強を図れますね。
また、昔デュエマをやっていた人からすれば水の主要種族はリキッド・ピープルかもしれませんが、長い目で見ると活躍していたのはサイバーロードをはじめとするサイバー種族です。
これらはそこそこ人気もあったため、いつか実装される可能性は高いと思われます。
逆に7弾、8弾、8弾EXでほとんど新規をもらえなかったに等しいリキッド・ピープルは、いかに「ツヴァイ」の存在が影響しているかが浮き彫りになりますね。
サイバーロードは堅実な強さを持った種族になることを期待したいです。
あまりないケースでしょうが、「アクア・ハルカス」と併せてcip1ドロー8枚体制にすることもできることも覚えておきましょう。
剛撃電磁サイバゴン
事前評価:7
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
さっきの「クゥリャン」は「アクア・ハルカス」の同型再販でしたが、こちらは「鳴動するギガホーン」の上位互換ですね。
多色になったものの1コスト軽くなったことは大きいため、色の問題がなければ今後はこちらを優先していくことになるでしょう。
効果の特性上、デッキの核のクリーチャーを持ってくる=このカードを進化元にする進化クリーチャーを採用するデッキがベストです。
この後紹介する「エンペラー・マルコ」はデザイナーズコンボで、きれいに次ターンにつながります。
ジャイアントを持っていることから、もちろん「ドルゲーザ」を主体としたデッキにも採用が見込めます。
先に紹介した「スペース・クロウラー」も「ドルゲーザ」と組み合わせられるカードのため、意識した開発がされていそうですね。
山札からの探索で確定性に欠けるため、公開するもののちょっと強い1ドローくらいの感覚で使うのが良いでしょう。
多色であることと青緑という重要な色を持つことから、5c系のデッキに採用しても良いかもしれません。
次ターン「カチュア」にもつながるため、一考の余地はあると言えます。
同じコストの「進化の化身」が幅広く採用されていたように、このカードも見かける機会は多いかもしれません。
エンペラー・マルコ
事前評価:9
紙からの変更点は以下。
・ドローが強制になった
・手札枚数以下のバウンス効果がついた
紙で今年4月に類似したカードが出ていて、それを逆輸入するようなデザインとなりました。
余談ですが、このレクスターズという種族は現代デュエマのクリーチャーたちが過去のクリーチャーと出会って力を授けられたというなかなかのムネアツストーリーを持っています。
能力が近似しているだけに、現代デュエマとデュエプレのカードパワーの差が見えてきますね。
デュエプレではどうかと言うと、まず強力なカードと言って間違いないと思われます。
リソースを確保しながらビートダウンするのはただでさえ強力なのに、そこにバウンスによる妨害も加わるとなると極めてカードパワーが高いです。
「トリプル・ブレイン」を撃ちながらバウンス(1~2コスト相当の効果)を使えるとなると、パフォーマンスの良さがわかりますね。
サイバーロードは先に紹介した新規2枚が優秀なことに加えて、今のプールでも悪くないカードが多々あります。(「ペコタン」「トリア」は残念ながらNEW落ちしていますが…)
※本記事作成最中に「トリア」の再録が判明したため、NEWで使用できます。
ひとまず青緑を基本として、紙であった『マルコビート』のように赤を加えるシータカラーが最も素直な構築と言えそうです。
さすがに「ふたつ牙」はもうデュエプレで活躍できないか…?
紙では重宝されただけに、デュエプレでの活躍が少ない「ふたつ牙」はこれをチャンスとして採用が伸びたら嬉しいですね。
赤のカードでは新戦力として「ボルシャック・大和・ドラゴン」も登場する上に、既に「烈流神」などもあるため、ビート力の高いデッキとして仕上げられそうです。
光を採用するならば定番の「アガピトス」にマナカーブが綺麗につながり、効果で進化元を出すことができます。
「ギフト」から4マナ時に「アガピトス」を出して「シリオン」をリクルートすれば、次ターンに「マルコ」で失ったリソースを回復しながらW・ブレイカー2体が並ぶ強力な動きができます。
既に存在する5コストの強力な進化獣「パンダネルラ」と競るほどのカードだと考えられます。
この前例から思い出したいのは、「パンダネルラ」のデッキもビート一辺倒でなく、「ヘブンズ・ゲート」を採用した『ドリメ天門』があったことです。
前の記事から持ってきた少々古い形ではありますが、ドリメの基盤が「ヤッタルワン」「ウルコス」「バンジョー」「パンダ」の16枠程度で最低限成立したため、余ったスペースを活用してカウンターのできるビートとして成立していました。
「マルコ」は踏み倒しでなくドローのため、ビートとしての戦術は「パンダ」より落ちますが、攻撃せずに次の選択肢を増やせる上に、バウンス効果で防御性能もあります。
「クゥリャン」「サイバゴン」もリソースを失わないため、エンジンとしての性能が高いです。
そうした点では手札を抱えて大型を展開する「ヘブンズ・ゲート」との相性も良いと言えるでしょう。
「ジェネラル・クワガタン」が下方修正される前には重いカードを多く採用した『5cドリメ天門』も存在したため、そうした方向でも考えられますね。
それこそ、『ドリームメイト』と併用した形も構築可能だと思われます。
実際に環境が始まってからとなりますが、様々な構築のキーとなり得る強力なカードです。
バイオレンス・フュージョン
事前評価:5
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
似たカードとしては「ゴッド・サーガ」が紙には存在します。
「ゴッド・サーガ」は若干サポートが存在しましたが、「バイオレンス・フュージョン」は能力がより派手になった代わりに素で13マナを要求するようになっています。
使用シーンを想定すると、同名は出せないため、最大4種類程度のゴッドを出す感じでしょうか。
ゴッドはリンク状態で出るため、出た時効果こそ使えないものの召喚酔いせずにすぐに攻めることができます。
「ゲキメツ」「ゼンアク」あたりを出しつつ「キキカイカイ」などで固められれば勝利は目前と言えるでしょう。
最大の問題であるコストに関しては、現状キッチリ13マナ貯めることを要求されます。
いくら「フェアリー・ミラクル」や「ロマネスク」が存在するとはいえ、13マナは容易に到達が許されるラインではありません。
”唱えればほぼ勝てる”というデッキの性質としても、形は違えど『テクノロジー』が強すぎるライバルです。
ビッグマナ系のデッキに1,2枚入れておいて、終盤タイミング良く引ければということも考えられますが、その枠があるとは言い難いです。
それならばと踏み倒し手段を考たいところですが、そうすると踏み倒しするゴッドの枚数難しいという問題が発生します。
仮にゴッドカードが呪文だったら実践級の遊びデッキになった気がするだけに残念ですね。
とはいえ、あまりに汎用性が高いカードばかりが実装されても困るので、こうしたロマンのあるカードが実装されるのは個人的には嬉しいことです。
翔天と天恵の声援
事前評価:7
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
「フェアリー・ライフ」が1コスト上がって多色化し、水文明限定の5000火力を得たカードです。
最大に効果を使えた際のパフォーマンスは6~7コスト相当とかなり破格のスペックとなります。
現存する仮想敵は以下の通りです。
「トリファリオン」はちょっと穴ですね。
基本的には『メカオー』『ツヴァイ』あとは9弾で登場するであろう『マルコ』の進化元を除去する役割になると考えられます。
「エル・カイオウ」には「コメット・チャジャー」、低パワーには1コスト軽い「クリムゾン・チャージャー」を撃つ感覚になるため、パフォーマンスを最大限に活かす機会はほとんどなさそうです。
これらの対象外になるパワー3000以上の水クリーチャーを見かける機会が増えるなら、唯一性が高まって採用も伸びて来るでしょう。
紙で殿堂入り経験のある「パシフィック・チャンピオン」がデュエプレにいないのが少し寂しいですね…
もう一つのポイントはトリガーでブーストできる可能性がある点です。
現速攻が最速4ターンキルを決めて来るため、5マナで「ギフト」+「メツ」が間に合わせられる、あるいは先手後手次第で6マナの「ヘブンズ・ゲート」に間に合わせられるトリガーブーストは、勝敗を分けると言っても過言ではありません。
水クリーチャー限定になら防御トリガーと点も見過ごせないですね。
これらを鑑みて、基本は2枚前後で採用されるかが決まっていくと考えられます。
既存のブーストと比べて良い点も悪い点もあるため、カードプールに存在すること自体に意味のあるカードです。
策略と魅了の花籠
事前評価:8
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
効果は多色になった「ナチュラル・トラップ」に、これまでになかった形の手札交換がついたカードです。
おそらく「クイーン・アルカディアス」除去役としてデザインされたのでしょう。
破壊に対して耐性を持った「ゼンアク」の実装が決まっている点も踏まえているかもしれませんね。
もう一つの効果の手札入れ替えも地味ながら強力で、強制であるものの「魔皇アスティマート」のように全部でないことから使いやすさが際立ちます。
ビートダウン相手には序盤にトリガーして守りになるだけでなく、手札入れ替えで必要なカードを持ってくる率を上げられます。
「ナチュラル・トラップ」がどうしてもカードパワーに難がある面を持っていたため、多色で追加効果を得たこのカードは腐る場面が少なく、広く使われる可能性があると言えます。
ビッグマナのリソースを支えるカラーである点も優秀で、堅実な効果で壊れになることはないものの、長く使われていくでしょう。
アクア・ウェイブスター
事前評価:6
紙からの変更点は、効果対象が相手だけになった点です。
一見強化のように感じられますが、1枚場、1枚手札にある時に交互に使用し続けることができなくなった点は弱体化です。
水の大型クリーチャーということで、やはり真っ先に思い浮かぶのは「テクノロジー」からの踏み倒しです。
コストが被るため、1コスト軽い「ネオングライド」、より踏み倒し効果が強烈な「キング・レムリア」がいるのは肩身が狭く感じられます。
また、8弾から続く9弾の流れが多色推しなのも逆風です。
今のままではあまり採用されることはないと思われますが、単体で多面除去できるカードとしては最軽量に近いため、その点は覚えておくべきでしょう。
手打ちが間に合うため、「オルゼキア」と共に複数除去として活躍することもあるかもしれませんね。(これは私が実際に紙でやっていた使い方です。)
9弾の新規カードを見る中でも「サンゾン」「マルコ」「バロム・エンペラー」など、単色を軸にするような構築デザインも見られるため、それらが流行った際にはメタとして機能することもあるかもしれません。
炎獄の剛魔ビルギアス
事前評価:8
紙からの変更点は以下。
・パワーが1000上がった
・O・ドライブが火2から火1に緩和された
「ブレイドワーム」に続いて「ボルギーズ」のほぼ上位互換が登場することになりました。
5コストで3000除去を撃てるのも決して悪くない効果な上に、6コストで使用すれば3000以下2面除去か6000以下1面除去を選択して使うことができます。
6コストの除去となると確定除去の「デーモン・ハンド」や全体除去の「炎槍と水剣の裁き」などが並んできますが、使い分けができるというだけでこのカードには強みがあるでしょう。
種族もデーモン・コマンドのため、『赤黒ドルバロム』『クローシスドルバロム』『デアリドルバロム』には問題なく採用されると考えられます。
グッドスタッフ性が非常に高いカードなので、色さえ合えば他デッキでも検討できるほどのスペックを持っていると言えるでしょう。
欠点はパワーが2000と除去されやすいラインであることです。
「メツ」などの除去にかかりやすい上に、同時に登場する「ミンメイ」が流行ればかなり除去されやすいと言えます。
ただ、これも後述する「バロム・エンペラー」の性能を鑑みると、メリットとすることもできそうです。
無敵死神ヘックスペイン
事前評価:7
紙の能力は以下。
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から3枚を見る。そのうち1枚を墓地に、1枚をマナゾーンに置き、1枚を手札に加える。
単純に山上から1枚墓地、1枚マナ、1枚ドローでもよかった気がしますが、「ドルバロム」に合わせてうまく調整してきましたね。
同コスト同パワーで同アドバンテージを得る点で、「二角の超人」が強かった以上はこのカードも十分強いと判断できます。
マナカーブ的にも「ドルバロム」を出す「バーロウ」を引き込みつつ繋げるため、美しさすら感じられます。
このカードが最も強い点は、これ一枚でマナに置いた「ドルバロム」や「サファイア」を意図的に墓地に置ける点です。
序盤に引いてしまったキーカードを迷わずマナに置くことができる上に、このカード自体がアドバンテージを稼いでくれるため、デッキの取り回しを格段に良くすることができます。
これまで「ナスオ」でしかできなかったことが、デッキパワーを落とさずに実現できるとなると、登場がありがたいカードです。
盾落ちを考えなければ「ドルバロム」2枚の構築が容易にできるのも朗報です。
デッキパワーという点に触れると、墓地に落とす役割を「ヘックスペイン」のみに任せた構築もこれで可能となります。
『ドルバロム天門』は他ドルバロムの構築の脆さを補うために「ヘブンズ・ゲート」等を入れてデッキパワーの増強を図った構築ですが、そこから「ロスト・チャージャー」を抜く道も考えられるのです。
紙では登場時期や最強の比較先の存在から不遇なカードでしたが、デュエプレでは堅実な働きをしてくれると考えられます。
気になる点はやはり、盤面に干渉しない点でしょうか。
「二角の超人」ですらほとんど採用を見かけなくなったことを考えると、ゲームスピードに対しては少々辛いところがあると言えます。
もう一点挙げると、先の「ビルギアス」と併用する場合にデアリ型(黒赤緑の3色)に縛られるのも気になるところです。
このカラーリングは結局守りに難があるため、回り方が変わったところで基本構造が変わらないということがあり得ます。
もちろん、それらを加味しても良いカードであることに変わりはないので、今後それなりに見かけるカードとなるでしょう。
何気に初の「死神」の名を持つクリーチャーです。
あまり「死神」間でシナジーはないものの、後々テーマ化はするので、その際は一足早く実装された「ヘックスペイン」を思い出したいですね。
死神で大好きなカードです
悪魔神バロム・エンペラー
事前評価:8.5
紙からの変更点は、墓地のデーモン・コマンドの数だけ軽減効果を得た点です。
「バロム」よりもサイズが小さくなって出しやすくなった「バロム・エンペラー」が、より軽くなる効果を得て実装されました。
最速では「ロスト・チャージャー」「クルセイド・チャージャー」でデーモン・コマンドを墓地に落として5マナで進化元を出し、6マナ時に進化することができます。
「アガピトス」をはじめとするミッドレンジ系に間に合う速度で全体除去ができるため、うまく調整されたと感じます。
このカードによって『ドリームメイト』が『ドルバロム』に対して有利とは限らなくなるのはすごいですね。
遅い相手にはとりあえず場にデーモン・コマンドを出しておけばにらみを利かせられて、そのまま「ドルバロム」まで繋ぐことが可能です。
「ブラック・ルシファー」は墓地を肥やしつつ耐性持ちで進化元になれるので、ようやく日の目を見るかもしれません。
弱点としては、デーモン・コマンドの選択肢が十分に揃っていると言えない点でしょうか。
もちろん、単体でみれば先の「ビルギアス」やトリガー獣の「ジャラ」など、優秀なカードは存在します。
ただ軽量のもので5コストなので、なかなか盤面に進化元を残すということが難しい場合が想定されます。
4コスト以下であれば「ゲキ」の蘇生対象にもなって良いのですが…
カラーを考慮して「カースペイン」なども採用候補となってくるかもしれません。
同じエンペラーである「マルコ」のビートダウンデッキは9弾環境で一定の活躍はすると思われるため、進化元を退かされる上に速度もある対面として苦戦を強いられる気もしますね。
加えて、デーモン・コマンドの一覧を眺めると浮かんでくる問題事項として、優秀なカードがほとんど単色であるという問題があります。
新規の優秀な「ヘックスペイン」と「ビルギアス」を採用しようと思うと、色の配分、受けの枚数、クリーチャー比率には悩まされそうです。
中速には間に合うものの、『速攻』には間に合わせられない、ということもありそうですね。
『赤黒』や『黒緑』に振り切ったり、従来のように青を加えた型など、多様に派生していくかもしれません。
また、能力自体は進化元も含めて強力なため、『ドルバロム』以外の構築でも「ビルギアス」「ジャラ」「バロム・エンペラー」のセットで出張することが可能だと考えられます。
色が合うところでクローシス系の「除去サファイア」などに組み込んでみても面白いかもしれません。
まとめ
SRもほとんどの解説を終えて、あと少しですね。
これを書く現在はすべての目玉が公開され、リリース日も5/27と正式発表されました。
9弾の方向性もグッドスタッフ性が高く、8弾の延長となりそうですね。
それでも「マルコ」や「バロム・エンペラー」に新規ゴッドと、多様に構築を練れそうなカードが登場します。
それらを使えるのを楽しみにしつつ、もう一記事だけお付き合いいただければ幸いです。
それではまた。