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デュエプレクロニクルパック環境考察

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

以下にてクロニクルパック環境の推移と簡単な解説を記録として残していきます。


ND環境


環境変遷

まずは新弾の成分を最大限に取り込め、看板カードの多数を採用できる5色のデッキが人気を集めた。

・圧倒的パワーカードの《ニューゲイズ》
・MTGコラボカードでありながらデュエマでも象徴的人気のある《ニコル・ボーラス》
・《ヴィルヘルム》と2枚で5色を揃える新たなスパークの《アルカディアス・スパーク》
・初動かつ色基盤と守りの要となる《フェニックス・ライフ》
・かつて一世を風靡した汎用受け札の亜種《闇鎧亜・ジャックアルカディアス》
・新たなガチャカードの《ミラクルとミステリーの扉》

などなど、全体としてグッドスタッフ性の高い多色が多数収録されたことが影響している。

特に《ミラクルとミステリーの扉》は性質上の人気も高く、これを加えた【5cミラミス】が各所で使用された。

デッキコード

《ミラクルとミステリーの扉》の不安定さが目立つと、次第に抜けた構築が増えていく。

《ジャック・アルカディアス》は《ミラクルとミステリーの扉》と相性が悪いことから、ここが選択になる場合が多い。

次第に5色の色配分を崩して《フェアリー・ミラクル》を抜き、《神秘の宝箱》で補う【5cニューゲイズ】も見られるようになってきた。

デッキコード

こちらでは《プロメテウス》《タイタニス》などの採用を特徴としている。

選択肢が豊富になったため、構築は今後も変遷していくと思われる。


5c系に対抗してきたのが【ゼロフェニックス】だった。

当初は《ポッポ・ジュヴィラ》+《ユニバース》を取り入れたデイガ型や、デザイナーズに忠実な赤黒が見られた。

次第に構築が洗練される中で、準黒単型の【赤黒ゼロフェニックス】が成立していく。

デッキコード

単純な【ゼロフェニックス】の基盤では盤面以外への干渉ができないため、ハンデス戦術を取り入れていくのは順当な流れである。

【5cミラミス】に有利を付けることができる点が大きな評価点とされる。

このデッキは構造的に【白青メカオー】や【レッドゾーン】といったデッキにも優位を保ちやすく、環境最初の勝ち組デッキとなった。

とはいえ、赤黒基盤のコントロールデッキへの対処はそう難しくなく、複数のアプローチから回答が示されていく。

一つが【黒単皇帝ヘルボロフ】。

デッキコード

前弾の【黒単皇帝ワルボロフ】の遺伝子を引き継いだ形で、折衷型やリペアとも言えるものだった。

【赤黒ゼロフェニックス】の速度に《ヘルボロフ》が間に合い、一度《ウェルカムヘル》が立てば【赤黒ゼロフェニックス】にコントロール勝負で負けることはない。

不死身のブロッカー集団も《ゼロフェニックス》の前には高い壁となる。

墓地利用系のデッキ同士が対戦した場合は墓地リソースをどこまで出力に変換できるかがカギになるが、軍配は【黒単皇帝ヘルボロフ】側に上がった。

もう一つが【緑単サソリス】。

デッキコード

【赤黒ゼロフェニックス】側のコントロール性能は、コスト論に忠実な優等生気質なものである。

無尽蔵のリソースを生み出す《ボアロパゴス》の前には為す術がない。

構築としては《ラグマール》のND落ちによって弱体化すると思われたが、《アンチャンス》を加えたスノーフェアリー型が新機軸となった。

デッキパワーは損なわれておらず、前弾環境トップの再臨も期待できる。

そして、黒系のデッキの対策として忘れてはならないのが【モルトNEXT】だ。

デッキコード

細かなハンデスや除去はトップからの一撃の重さで解決でき、コントロール系統のデッキには構造的強さを売りにできる。

環境の低速化に合わせて、ここぞとばかりに存在感を強めてきた。


多角的なアプローチがされるということは、そこを端緒に環境が雑多性を帯びやすいということでもある。

クロニクルでスポットを当てられた【白青メカオー】【赤白サムライ】も次第に存在感を見せてきた。

派手な切り札を筆頭に、動き出した際の出力は現在カードプールにも引けを取らない。

デッキコード
デッキコード

既存デッキではビートダウンの雄である【レッドゾーン】も忘れてはならないだろう。

環境初期では《ミラクルとミステリーの扉》を対策できる《カルマカレイコ》の入った赤黒型が流行りを見せた。

デッキコード

次第に速度が評価されて赤単型が、環境流動性が落ち着くと安定性の赤青型やメタとカウンターの赤白型なども見られるようになった。

メタ寄りの赤白や赤黒、速度の赤単、安定感の赤青と、幅の広さは流石のものである。

また、新生のビートダウンデッキとしては【ベアフガン】も侮れない強さを持つようになった。

デッキコード

1コストの数に不安定性はあるものの、3~4ターンでシールドを割り切ってしまう再現性はそれなりに高い。

そして、受けの重要性が高まる環境になると、お決まりのように役目を全うしにきたのが【天門】だ。

デッキコード

白緑型のほか、これまでも見られた白青型や、折衷するトリーヴァ型も環境が煮詰まるにつれてちらほらと見られるようになった。


変遷を大まかに総括すると、

【5cミラミス】
 ↓
【赤黒ゼロフェニックス】【5cニューゲイズ】
 ↓
【モルトNEXT】【緑単サソリス】
 ↓
【サムライ】【白青メカオー】【レッドゾーン】
 ↓
【ベアフガン】【白緑天門】

といった流れで環境デッキが出揃い、ここから細かく流行りが変化する雑多環境となっていく。


クロニクルパック環境の特徴

①低速化

現ND環境の特徴として、「低速化」が挙げられる。

前弾までの環境は強い動きの照準が4ターン目に合わせられていたが、現環境はコントロール基調の【5cニューゲイズ】を中心に概ね1ターンほど速度が低下した。

クロニクルの対象になったテーマも速度は遅めで、【赤黒ゼロフェニックス】はハンデスコントロール後に《ゼロフェニックス》でゆっくり確実な勝利を志向する。

【白青メカオー】や【赤白サムライ】については、2コストの軽減獣を展開しない場合は4~5ターンを準備に要することもザラである。

勝負が決まるまでの全体的なゲームスピードは、直近の環境と比較しても低下傾向にあると言える。

この特徴が現れているのが【モルトNEXT】の地位向上である。

遅いデッキ殺しの代表格であり、6・7コストへの到達が許容されやすくなった現環境では立ち位置がよくなった。

《ダイハード・リュウセイ》を失ったものの、新たに《ニコル・ボーラス》を獲得して理不尽性を増している。

4ターン目の《ジャックポット・エントリー》からの着地は、《ミラクルとミステリーの扉》よりも確実性の高い、まさにその代名詞にぴったりな動きである。

また、クロニクルの対象がかつてのクリーチャーコントロールに大きく傾いたデュエプレであったことから、横並べに対して《メガ・マグマ・ドラゴン》が一定の刺さりを見せている。

【レッドゾーン】や【ベアフガン】などの速度のあるデッキの存在は、こうした流れの中で重要性を高めた。

速度の面で着目したいデッキには【緑単サソリス】もある。

前環境ではトップデッキの一つであり、4ターンのゲームスピードを規定した張本人でもあったのだから、低速化の流れで再評価の兆しを見せるのは自明のことだろう。

構築は《ラグマール》のND落ちによって《ギョギョウ》が抜け、《アジサイ》と《アンチャンス》を組み込んだスノーフェアリー軸がひとまず主流となった。

《ボアロパゴス》は相変わらず除去手段が不足しており、低速化の流れで頭角を現す【赤黒ゼロフェニックス】をはじめとした黒系のデッキへの対抗を追い風にできる。


②安定性

現環境の課題であり、裏のテーマである。

クロニクルによって数々の懐かしいデッキがND復帰を遂げた。

一方で、それらのデッキに必要なカードのすべてが再録されたわけではない。

ADと比べた場合に、それらの完成度は低いものとならざるを得ないのである。(もっとも、ディビジョンを分けるとはそういうことだが)

その影響が如実に出ているのが初動で、たとえば【白青メカオー】であれば《オボロカゲロウ》が、【赤白サムライ】では《ヨイチ》がいないために、序盤の安定感が大きく下がっている。

これによって、初動がしっかり引けた試合では一方的なマウントムーブを生みやすく、引けない試合では本来有利な対面にも相性差を越えられるという状況を引き起こしうる。

更に悪いことに、初動が引けた時には不利寄りの相性差を覆すような出力を出すだけのポテンシャルを持つことがある。

つまり、引きや先手後手によって勝敗が決まる比率が、平時の環境と比べても高い傾向にあると言えるのだ。

では、軽減獣を抱える種族デッキにのみこれが起こるがかと言われれば、そうとは限らない。

現環境では一貫して上位使用率を維持するであろう【5cニューゲイズ】においては、「5色」という性質自体に安定性から乖離する要素があるからだ。

まして不確定性を抱える《ミラクルとミステリーの扉》が採用される場合は、その色は更に濃くなる。

そして出力のブレは、①の低速化とリンクしてくる。

対面の動きが緩慢になるのは、必然ビッグムーブを持つデッキにチャンスを生む時間を与えることになるからだ。

この流れで光を見る【モルトNEXT】については前述した通りだが、これこそ現環境最も出力に波のあるデッキと言っても過言ではない。

一応、これらの出力ブレから離れたデッキとしては【レッドゾーン】【赤黒ゼロフェニックス】【緑単サソリス】がある。

だが、これらは自分の動きとは別の面で潜在的な不安定性を抱える。

【レッドゾーン】は対面のトリガーとミラーに左右される場面が多く、そうした運の部分をプレイと構築でカバーできるほどのデッキパワーまでは持たない。

現環境が比較的受けを厚く持つ環境で、《ジャック・アルカディアス》などの苦手カードが今弾で収録された点も大きい。

【赤黒ゼロフェニックス】は黒系コントロールの構造的定めとしてアドバンテージの概念を越えてくる理不尽に弱く、前述通り【モルトNEXT】や【緑単サソリス】がそれらに該当してくる。

また、マッドネスというカード単位の対策が存在し、今弾で汎用的な《タイタニス》が登場したことも向かい風となる。

【緑単サソリス】も自身の動きに最適化された構築が脆さを孕まずを得ず、【レッドゾーン】や呪文を封じながら攻めてくる【白青メカオー】には苦戦を強いられやすい。

こうした要因を複数のデッキが多少なり抱えることから、現環境は盤石な地位を築く突出して強いデッキが存在していない。

良く言えば群雄割拠、悪く言えば対面と引きの運に左右されやすい環境だと考えられる。


③割り切りと読みの重要性

上記のような環境特性があることから、現環境において無欠のデッキは登場しづらい。

故に、引きや対面において、ある程度の割り切りを以て臨むべき環境だと考えられる。

そこに細かい環境の流れを理解した「読み」がどれだけ活かせるかの重要性が高い。

たとえば、後述するデスザロストカップの結果では【白青メカオー】が勝ちデッキとなったが、これも不利対面が減りつつあった絶妙なタイミングを突いた結果と考察できる。

もしも1,2日終わりが先であれば、まったく違った結果も起こり得ただろう。

シーズン終えて新しく始まったニューゲイズカップでは、【白青メカオー】の入賞結果を見たであろう使用者が増え、それに対応するように【赤黒ゼロフェニックス】や《メガ・マグマ》の採用率が増加しているようにも見られる。

こうした環境の機微を察知していくことが、プレイヤーには求められると考える。

また、現環境の肯定的側面に触れると「新規開拓の可能性」がある。

これは
・突出した強さのデッキがなく
・環境デッキが複数存在する雑多よりの環境では焦点を当てやすいポイントだ。

ここに読みを合わせていくことができれば、一部の対面を切って特定の対面に特化した構築で勝ち上がる道も考えることができる。

幸いにして、今弾は構築多様性を広げやすい多色カードがメインで収録された。

環境に一石を投じる構築やチューニングが出現する可能性は、従来の環境と比較しても高いと考えられる。

【白緑天門】の登場などは、その嚆矢と見ることのできる出来事であった。

環境後半戦に突入する中で、プレイヤーの創意工夫の発揮が期待される。


デスザロストカップ最終TOP100

ここまで述べてきた通り、抜けて強いデッキというのはない印象。

【白青メカオー】の最大入賞については、不利に寄る【赤黒ゼロフェニックス】と【モルトNEXT】がシーズン終盤で減少傾向にあったことから、立ち位置が良かったことが起因していると考えられる。

ADに比べれば急所である《ホーリー》の遭遇率が低いことも追い風になった。

とはいえ、総じて露骨な不利対面がなく、実態は異なるものの、かつてのデッキ性質である「微不利~五分対面が多いものの、プレイで五分以上に引き上げる」を引き継ぐ格好となっている。

構築には初動の出力ブレをトリガーでカバーする、《ミニロボ2号》をはじめとしたトリガーの厚い構築が目立った。

デッキコード

【緑単サソリス】には前述通り「4ターン《ボアロパゴス》」という強ムーブが健在。

《アンチャンス》によってケア範囲が広がり、ビートダウンに脆いという弱点を除けば現環境でも屈指の安定性のあるデッキとなった。

ランクマッチ適性が高く、前環境からの蓄積があるプレイヤーには手に取りやすいデッキであったと考えられる。

デッキコード

また、再び《ギョギョウ》を取り入れて過去構築に回帰するものや、《アンチャンス》と併用するものも見られるようになってきている。

未だ構築には模索の余地がありそうだ。

続く【赤黒ゼロフェニックス】は、メタが一周することで最終盤に再び立ち位置が改善する流れがあった。

【モルトNEXT】の後退、【白青メカオー】の台頭が具体的なその一因である。

デッキコード

自由枠は2~3枠程度と少ないが、赤の枚数調整や逆転札となり得る《デスザロスト》の採用など、チューニング個性の光るデッキとなった。

また、現環境では数少ない「先攻でも後攻でも2ターン目の動きを持つデッキ」であることは、このデッキの見逃してはならないポイントだろう。

黒系コントロール故にデッキ単位・カード単位での対策がされやすい点でメタゲームの移り変わりの影響は受けやすいが、デスザロストカップにおいては終盤良い流れに乗れたと見られる。

【5cニューゲイズ】は構築が不定形で、クロニクルパックリリース後初のシーズンを終えても定まる様子はない。

デッキコード

《神秘の宝箱》型は減退傾向で、《ミラクル》の構築が一般的となった。

《ヴィルヘルム》は抜け、《ゼロフェニックス》のピン投がよく見られる。

グラフ上では別デッキとして分類した【5cミラミス】も、一周回ってシーズン終盤には再び見られるようになった。

デッキコード

どちらにも《メガ・マグマ》を採用した構築はちらほらと見られる。

環境に合わせたカードを柔軟にも半ば強引にも採用出来るのは、5色の特権だろう。

【レッドゾーン】は最多こそ赤青の4件なものの、別型まで含めれば11件とかなりの数に上る。

デッキコード

純粋なビートダウンとして、環境への存在感を常に一定以上示せた結果だと考えられる。


それ以下についてはまとめて記載。

【黒単皇帝ヘルボロフ】

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【赤黒ゼロフェニックス】の立ち位置が改善するならば、こちらにも分があった。
【白青メカオー】【赤黒ゼロフェニックス】に有利な点では裏の裏を突けたとも考えられる。

【サムライ】

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初動の不安定さをトリガーの数で解消する方針のラッカ型がよく見られた。

【ベアフガン】

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3ターン目の最速ベアフガン着地はどのデッキにとっても脅威となる。

【白緑天門】

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トリーヴァなどの派生も含めて終盤まで陰に隠れていた。
終盤の【白青メカオー】の増加は重かったと考えられる。

その他については入賞者リストまとめを参照。


その後

日々微細な変化を経ているが、環境の図式としては【5cミラミス】vs黒系デッキvsその他が中心にあった。

【赤黒ゼロフェニックス】が広範にメタ的な位置にあり、そこに覆いかぶさるように【黒単皇帝ヘルボロフ】がいるような形。

流れの中で【緑単サソリス】や【デイガ/緑抜きユニバース】にスポットが当たることもあった。

環境中期には【黒単ネロギャロウィン】【緑単ギョギョラスベイベー】、後期では【準青単アカシック・タレス】が一定の成果を見せ、地雷・変化球的な性質を持ったデッキもメタの一角として活躍を見せる構造となっている。


ニューゲイズカップ最終TOP100

変遷は概ね前述の通り。

5cと黒系の間に【緑単サソリス】と【白青メカオー】が入り込んだ形。

ビートダウン全般の立ち位置は悪く、ほとんど劣化なくND環境で使えるはずの【レッドゾーン】ですら大きく勢いを削がれた。

【緑単ギョギョラスベイベー】はその環境構造にカチリと嵌る部分を持っていた。

もっとも、この枠は【緑単サソリス】が担っていてもおかしくないものであり、入賞数3位の実績には一部のユーザーの献身的な研究が奏功しているとも考えられる。

群雄割拠という意味では、本来のデュエルマスターズに近い性質を持った環境であったかもしれない。

クロニクル環境のパイの取り合いは、まだカードパワーが未熟で拮抗した「あの頃のデュエプレ」を思い出させるものであった。


AD環境


環境変遷

NDとは"クロニクル"の影響度が異なる。

まず注目されたのは、未だに現役であった【ブリザード】であった。

《アンチャンス》は新たなフィニッシャーとして歓迎され、早速構築が模索されていく。

主流は【白緑】や【緑単】。

デッキコード
デッキコード

【黒緑】に関しては、黒の意味である《ザビミラ》のフィニッシュ力と《アンチャンス》が共通するため、組む意義は小さくなった。

元より《ブリザード》と《カスケード》による挟撃的なリソース力がコントロールに強かったところに、《アンチャンス》によってクリーチャーコントロールへの回答を得たため、デッキ強度は大きく上がった。

同じく環境初期から見られたデッキには【白青メカオー】もある。

往年の活躍と人気から高まる期待に応える形で、早速環境に復帰を遂げた。

デッキコード

NDと比べて《オボロカゲロウ》が初動にある点が大きく、かつてこのデッキの顔でもあった《ミリオンパーツ》や《セイントマザー》などを交えて構築が模索された。

次第にミラー用の《コルテオ》や《J・イレブン》の採用も一般化していく。

【ブリザード】の《アンチャンス》、【白青メカオー】の《マーキュリー》によって、呪文とクリーチャーの両方にロックがかかりうる環境が規定される。

同じクロニクルのポジションにある【サムライ】は、NDと比べて明確な強化カードがADに多い。

デッキコード

《アシガ・ルピア》で軽いクリーチャーが増え、《ヨイチ》は軽減によってデッキの速度を上げ、《剣誠》は《紫電武者》が引けない際の出力を補強する。

デッキパワーの向上は大きく、【ブリザード】や【白青メカオー】に対して有利寄りに戦えることから、次第に注目を集めるようになっていった。

途中NDと同じく青加えたラッカ型も見られるものの、赤白型が主流に落ち着いている。

また、クロニクルでこそないものの、NDでも人気の新星【5cミラミス】や【5cニューゲイズ】も一定の使用率を維持し続けた。

デッキコード
デッキコード

【5cミラミス】に関してはNDで使用不可な《ホーガン・ブラスター》や《ミステリー・キューブ》が使えるということもあり、別方向で使用率を支える要素を持った。

不確定ながらも決まった時の一撃は、上記クロニクルテーマを打ち砕くだけの出力を持つ。

同じくNDから流れ込む形で【赤黒ゼロフェニックス】も多数見られる。

デッキコード

こちらは除去コントロール的性質がクリーチャー主体のクロニクルテーマに一定刺さる性質を持つ。

既存デッキでは【緑単サソリス】【黒単皇帝ワルボロフ】【赤黒MRC】【モルトNEXT】が顔を見せる。

前者2つは前環境の生き残りであり、【緑単サソリス】はADでフルパワーを発揮できる。

デッキコード

クロニクルテーマのデッキに対してはあまり芳しい相性関係ではないが、デッキパワーと再現性による地力を持つ。

【黒単皇帝ワルボロフ】はND同様、リペア型が一定数見られる。

デッキコード

【赤黒ゼロフェニックス】同様に、クリーチャー主体のデッキに対しては安定した勝率を出しやすい。

黒系コントロールデッキの元祖とも言える位置付けのMRCも、同様の理由で再び顔を見せるようになった。

デッキコード

【モルトNEXT】はND同様の環境低速化の流れの中で、《竜の呼び声》を使える本場ADで不動の地位を築く。

デッキコード

多数デッキが出現する中で、ND同様ADも混沌とした環境になっていった。

その突破口の一つとなったのが【ベアフガン】である。

デッキコード

《メイ様》が1コスト枠として加わり、《エボリューション・エッグ》を獲得した【ベアフガン】の再宣誓と安定性は段違いに向上した。

ほぼ3ターンで勝負を決めに行く圧倒的速度で環境入りを果たす。

この弱点を突くように《オリオティス》を扱える【白単サザン】と【赤白レッドゾーン】の使用が再度見られていく。

デッキコード
デッキコード

【レッドゾーン】に関しては当然、赤単・赤青も選択肢に入る。

NDよりも多いガチャ系デッキを抑止するための《キクチ師範代》《カルマカレイコ》を加えた赤黒型が幅を利かせ、こちらはシーズン通してしばしば見られた。

デッキコード


デスザロストカップ最終TOP100

全体的な環境の様相はNDに近く、群雄割拠よりで抜けた強さを持ったデッキがない環境となっている。

最多入賞の【白青メカオー】にしても《メガ・マグマ》と《ホーリー》がどこまでも対処が難しいカードであり、特に環境終盤では【5cニューゲイズ】などでも《ホーリー》の採用が一般化して苦境を強いられた。

ミラーにおける《J・イレブン》の普及なども、あまり好ましい流れではなかったと考えられる。

2番手の【ベアフガン】にしても事故の懸念・トリガー運・《オリオティス》などのメタに対して安定した勝率を出し続けることは難しく、また、流行ればミラーという課題が発生する。

3番手【緑単サソリス】は【白青メカオー】【サムライ】【ベアフガン】といった、相性上で難しい対面が現環境では増えてしまった。

デッキの自力によって補える部分はあるものの、環境トップは狙いづらい立ち位置となってしまっている。

続く【5cニューゲイズ】はNDに共通する5c故の不安定さに出力が追いついていない側面があり、ADの場合は構造的に不利な戦いとなる【5cミラミス】の遭遇も多い。

【サムライ】は5c系が全般的に不利に寄り、出された瞬間に終わりが見える《永遠リュウ》の遭遇率も【モルトNEXT】の存在感によってNDより高い。

…と、このようにどのデッキにおいても明確な弱点・急所が存在し、安定した勝ちを積みづらい環境となっている。

デュエプレの環境においては、NDADのどちらかが群雄割拠の場合はもう片方が一強・二強などの明快なメタゲームになっていることが多く、どちらのディビジョンも評価が甲乙つけがたい混沌とした環境になるということは珍しい。

NDにおいてはその根底に不安定性があることを指摘したが、ADの場合はその複数要素の中でも【5cミラミス】【モルトNEXT】の比率の高さが影響していると考えられる。

ADにはNDよりもカードプールが広いという利点があるが、これが環境を開拓していくきっかけとなり得るか。


その後

次期BA開催を見込んで、AD環境にクロニクルの第二波が来た。

結果から言えば、この中で環境に影響を及ぼせたのは【サムライ】だけであった。

調整後の環境で常に一線を張り、メタゲームの中心となっていく。

対抗する流れとしては《オリオティス》を扱う【白単サザン】や【白単連鎖】、《調和と繁栄の罠》ロックに入れば完封する【刃鬼】のほかに、速度ですべてを解決する【ベアフガン】が見られた。

ADでフルパワーを発揮する【5cミラミス】も常によく観測され、次第に【5cニューゲイズ】の再興にも派生していった。


ニューゲイズカップ最終TOP100

圧倒的な【サムライ】環境。

一巡して「やはり【サムライ】」という流れが見られた。

目立って不利という対面もなく、多少の不利やメタカードは《紫電武者》のカードパワーで抜く程度の力があった。

最大の敵は自分自身・ミラーであったとも言える。

2番手以下のデッキの入賞数が横並びながらに種類が多い様子を見ても、【サムライ】が結論として最も強かったと考えられる。

こうしたメタゲームの状況は、過去と比較しても若干珍しい。

頭一つ抜けた【サムライ】が次弾以降も勢力を維持するかは、一つ注目点である。


おわりに

今までと毛色の異なるクロニクルパックには、発表からリリースまで驚かされてばかりでした。

走り出した環境もこれまでとは一風変わったものが展開されていて、どこか不思議な感覚を常に持ち続けています。

正直に言って、どちらのディビジョンも非常に難しい環境に感じています。

折り返しとなるデスザロストカップが終わっての投稿となりましたが、現時点でも答えが霧の中にある感覚で、今後の予想の立てづらさは個人的に過去一と言っても過言でないです。

足跡を残しつつ、着地点を追って行ければと思います。

それではまた。

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