新カード解説③(デュエプレ25弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
25弾の新カードの考察第3弾です。
②についてはこちらをどうぞ。
指標はこんな感じ。
9~10 環境トップレベルのキーカード。
7~8 優秀。環境でもよく見かけるレベル。
5~6 悪くはない。デッキや環境次第で使われる。
3~4 環境外。地雷枠や限定構築向け。
0~2 見なかったことにしていい。
基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。
また、評価はするものの、用途の紹介がメインで、時折背景ストーリーでの活躍を織り交ぜていきます。
それでは以下、本題です。
雪精 ジャーベル
事前評価:6
FT:『壁の雪山』では、幻影の侵略者とスノーフェアリー風たちによる音楽による戦いが行われていた。
TCGからの変更点は、山下に行くカードの順番がランダムになった点です。
緑の手札補充カードはコスト相応ならばそれだけでも及第点です。
このカードは武装の条件がある代わりにパワーも3000あり、4枚見れることからそれなりに質の良い回収ができます。
基本スペックは高く、緑単系のデッキでは有力な候補となるカードです。
TCGでは【緑単ループ】で採用され、キーパーツを引っ張って来る用途で重宝されました。
デュエプレでも【緑単サソリス】で…と言いたいところですが、ここに入って来るかは考える必要がありそうです。
というのも、TCGの緑単はほぼ特殊勝利のコンボデッキであったため、サーチカードの価値が高かったからです。
デュエプレの緑単はビートで、更にマナカーブ上にもこのカードをプレイするタイミングがありません。
質が良いとはいえ、ドローはドローなのでマナブーストのパフォーマンスには劣ることから、同コストでは《ナム・ダエッド》が優先されます。
《ナム・ダエッド》の代わりとしてプレイした場合は、次ターン4マナでプレイしたいカードは【緑単サソリス】にはなく、せいぜい2ターン目にブーストが絡んでいた場合の5マナの《次元流の豪力》くらいです。
その後のマナ域でも3コストはくっ付きが悪く、あまりデッキとしての相性は良くないと感じられます。
《猛攻の面》で2点になるのは一応の評価点です。
種族はスノーフェアリーを持ちますが、マナ武装の性質から採用は【緑単ブリザード】でないと難しそうです。
白入りの場合は1枚の白が埋まるのを許容して4マナでプレイすると、種族を除いて《進化の化身》の下位互換となるので何ともです。
おそらく今弾で来るであろう《ホルデガンス》の方が優先されると思われます。
《ジャーベル》自体優秀なカードには間違いないですが、意外にデッキを選んできます。
後々3コストの自然が侵略条件となるため、そちらでお呼びがかかることはあるかもしれません。
ムラマサ・リザード
事前評価:3
TCGからの変更点はありません。
世にも珍しい種族・デューンゲッコーを持ったカードです。
この種族を持つカードの枚数、なんとたったの5枚。
《ムラマサ・リザード》はこれでも選りすぐりの性能で、一切活躍のなかったデューンゲッコーの中で唯一この後紹介する《ガチロボ》との組み合わせで注目を浴びたことがありました。
初出は6弾と、そこから10年近く埋もれていただけに単体のスペックはかなり低めです。
《ファルコン・ボンバー》と並べるのも悲しいほどですね。
特定の使い方を除いて、ほとんど使われることはないと思われます。
これで終わってはあまりに味気ないので、私の所属するチームのアラサーメンバーたちの反応を貼っておきます。
ガチャンコ ガチマリン
事前評価:4
FT:説明しよう!ガチロボには多数のお手伝いロボがいて、それぞれがガチロボの戦いをサポートしてくれるのだ!
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
色々と回りくどいことを書いていますが、要するにこの後紹介する《ガチロボ》専用の《コッコルピア》ということです。
デッキのコストを固める特性上、どうしても早出しに難点のあるデッキのため、このカードによって4ターン着地のルートが見えるのは大きいでしょう。
とはいえ、重い制約を乗り越えた先にやっていることは《コッコルピア》と同様です。
もっと言えば3ターン目に引く+4ターン目に生存しつつ、プレイしたい6コストのカードを引いている必要があることから、ただ3ターン目に出して生存を祈ればいいだけの《フレア・エッグ》よりも要求値は高いです。
コンセプト強化のカードなのは間違いありませんが、やっていること自体は非常に貧弱であるということは理解しておきましょう。
現実的なことを考えた際、《ガチロボ》が引けていなくても繋ぐ他の候補は考えておきたいです。
《グレンモルト》は適した1枚ですね。
4ターン《ガイギンガ》が有効な状況はまだあるため、サブプランとして必須となるでしょう。
もちろん他のドラグナーもいずれも強力で、《ガチロボ》を引きにいくための《エビデゴラス》を設置できる《M・A・S》も有力候補です。
また、受けになりつつ、このカードが除去されても次の6コストに繋げる《イージス・ブースト》も必須となるでしょう。
6コストの強いカードを集めて行けば自然とデッキになるので、【ガチロボ】を組むのは簡単そうです。
4枚確定で採用されるカードだと考えられます。
ガチャンコ・サイン
事前評価:5
FT:ガチロボ。それはベガスダラーに作られた、ガチのスリルを楽しむためのロボ。
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
名前とイラストから、露骨にこの後の《ガチロボ》を出すためのカードとなります。
《サイン》系のカードは踏み倒し+αの効果に設計されることが多いですが、このカードに追加効果がないのは《ガチロボ》の効果で補えということなのですかね。
《ガチロボ》はコストが同じクリーチャーで固める構築制限が課されますが、早出しの手段は例外的に採用されることがあります。
TCGで殿堂入りしている《フェアリー・ギフト》は必ずと言っていいほど採用されていたように、こちらも《ガチロボ》の効果対象外でありながらも高確率で投入されると考えられます。
《ガチロボ》の出力を考えると、4ターンパスしても5ターン目に一気に巻き返すだけのリターンは期待できそうです。
デッキの性質上受けも確保しづらくなるため、早出しと兼ねるのは高く評価できます。
《ガチロボ》専用機にしてしまうとあまりに呆気ないからか、対象は一応種族指定になっていますね。
グレートメカオーでは《サンマイダー》を扱いやすくするカードとして注目されますが、さすがにファンデッキ向きでしょう。
マジック・コマンドは今弾初登場となる種族のため、そこから有力なカードをいくつか紹介しておきます。
《シャッフ》は高いグッドスタッフ性で長期的にTCGで活躍した歴史を持つカードですが、トリガーした《ガチャンコ・サイン》から出すには適したカードです。
宣言した数字のクリーチャーが攻撃・ブロックできなくなる特性から、複数面を止める可能性を持ったカードとして使えます。
以上です。
…マジック・コマンドは侵略者なことから高コストに進化が多く、《ガチャンコ・サイン》の対象から漏れてしまうカードが多いんですよね。
このままだと汎用的に使える期待はあまりできず、【ガチロボ】が目立たなければ埋もれるカードとなる可能性は高く感じます。
ガチャンコ ミニロボ1号
事前評価:6
FT:「今月のミニロボ登場スイッチ、ポチッとな!」「ミニ・ロボ!ミニ・ロボ!ミニ・ロボ!」――ガチャンコ ガチロボ&ガチャンコ ミニロボ1号
TCGからの変更点はありません。
《ガチマリン》のFTに《ガチロボ》のお手伝いロボットが示唆されていましたが、特段《ガチロボ》とシナジーがあるわけでもないです。
性能は極めてグットスタッフ的で、パワーが低下した代わりに相手のみかかる《ゴーゴンシャック》となっています。
こちらが青を絡めたビートダウンで活躍し、今現在も《シュライバー》などが現役であるところを見れば、《ミニロボ1号》も当然強力なカードだと言えます。
自分は呪文を使えることで戦術の多様性が段違いになるので、パワーを気にしなければ基本的に上位互換です。
この頃になるとインフレによって1000の火力やパワー-1000というのはほとんど存在しなくなったので、1000と2000の差は以前ほどではなくなって来るので、より優位性は強くなります。
今更《ローズ・キャッスル》なんて誰も貼りやしませんからね。
TCGでも赤青系のビートダウンなどでメタカードとしてよく使われました。
《ゴーゴンシャック》等よろしく、このカードも妨害しながらのビートと、妨害によって溜めてからのビートのプレイ分岐を作れるのはインフレへの柔軟性があり、優秀です。
《ゴーゴンシャック》に代わるカードとして、中長期的に採用候補になってくると考えられます。
ガチャンコ ガチロボ
事前評価:5
FT:ドキドキの時間が始まるガチ!お前はそこで祈るガチ!――ガチャンコ ガチロボ
TCGからの変更点はありません。
様々なお膳立てカードの紹介から満を持しての主役です。
出た時と攻撃時に山上3枚を捲り、すべて同じコストのクリーチャーなら場に出す、スロットマシンさながらの豪快な効果を持ちます。
成功時は3体のクリーチャーが出ることになるため、さながら様々な制限を課す代わりにコストが軽くて非進化となった《エンペラー・キリコ》といったところです。
《ガチロボ》自体は6コストですが、カードプールの増加に伴ってそれ以外のコストでも一通りの構築を組むことができ、軸とするコストの数字を頭に付けて【〇軸ガチロボ】と呼ばれています。
《ガチマリン》を見る限り、デザイナーズされているのは6なのでまずはそこから組んでいくことになるでしょう。
他はドロンゴーによって序盤の動きを確保しやすい、エグザイルを入れた7軸あたりも現実的に組めそうです。
初動になる《菌次郎》が使えるのはありがたいですね。
TCGでもこれと似たように、ツインパクトという2種のカードを内包したカードが登場してから大きな強化を受けました。
今でもツインパクト、特に初動系のカードが出る度に、「〇軸ガチロボの強化だ!」という言説はよく見られますね。
ただ、TCGではこのツインパクトが充実してようやく「運がいいと勝てる」くらいの強さのファンデッキでした。
それまでの純粋に同じコストのみで固めた【ガチロボ】は不安定感が強く、大真面目に対戦で使うには無理があるものです。
その原因には単に《ガチロボ》までの動き不足するからだけではなく、
・踏み倒しメタが効いてしまう
・同コストのクリーチャーで固める必要があることから防御札を入れづらい
・成功しても勝ちとは限らない
・実は不発率もそこそこある
といった様々なものが絡んできます。
ひとつ目は踏み倒しの宿命なので、説明するまでもないでしょう。
《エンターテイナー》などはもちろん刺さり、《キクチ》を出されるとそもそも踏み倒すことすら不可能となります。
二つ目はカードプールにも左右されてきますが、《ガチロボ》着地までの耐久を可能とする受けとなりつつ、《ガチロボ》から踏み倒して意味のあるカードというのはそう多くありません。
《スパーク》や《クロック》などのコンボデッキ御用達のカードを簡単に採用できないのは、他のロマンデッキと比較しても致命的です。
三つ目もカードプールと何コストを軸にするかにもよりますが、基本の6コスト3枚を踏み倒して即勝ち、とはなかなかいきません。
SA付与役として《ジャガルザー》を絡めても、結局のところやっているのはただの過剰打点で突っ込むだけということがほとんどです。
5ターン前後で安定したリーサルが狙えるビートダウンデッキと比べると、長所とできるところが限りなく少なくなってきます。
四つ目は見落とされがちなことですが、デッキを36枚6コストクリーチャーで固めたとしても、《ガチロボ》で3枚6コストが捲れる成功率は66%程度に留まります。(出典はこちら)
《ガチャンコ・サイン》を入れればそれだけで1/3失敗のリスクが伴い、更に《フェアリー・ギフト》などを入れていくとより成功率は下がっていくと考えれば、壁の高さを知るにはもう十分でしょう。
とはいえ、《ガチマリン》による4ターン着地やトリガー《ガチャンコ・サイン》は決まれば強力なため、回数を重ねればマスターに到達できるくらいの強さにはなると思われます。
これくらいの調整を受けるテーマは過去【シロガシラ・ジュカイ】や【トワイライトΣ】などでもしばしば見られたのですが、最近はめっきり減った気がします。
デュエプレの方向性の転換を感じる部分です。(《デッドマン=THE END》には目を背けつつ…)
出た時効果に注目がいきがちですが、《ガチロボ》の効果は攻撃時にも使用できます。
一度《ガチロボ》が決まって大量展開されると、出てきた厄介なクリーチャーの対処に追われて《ガチロボ》まで手が回らないということはよくあることです。
生存してターンが返ってきたら、もう一度《ガチロボ》チャンスを狙うことができます。
当然SA付与すればすぐさまの追撃して使えるため、《グレンモルト》から《レッドゥル》を呼び出す使い方はよくされました。
このために《ムラマサ・リザード》はTCGでも5枚目以降の《グレンモルト》に過ぎなかったのですが、デュエプレでは盤面制限のおかげで立つ瀬がありそうです。
また、相手のシールドが2枚以下なら水のクリーチャーが攻撃・ブロックされなくなる効果もよく忘れられます。
ブロッカーの展開で耐えようとした相手を、あっけなく《ガチロボ》が貫通してとどめを刺す、なんてのもよくある情景です。
TCGではこのような弱点を抱えたデッキであるものの、そのギャンブル性が他の様々なデッキと一線を画すことから長年愛されています。
研究会のようなものも多数存在し、その人気から公式が構築済みデッキを出すほどです。
デュエプレのオリジナルカードを出してまでの厚遇も、そうした背景を意識してのことかもしれません。
こうしたデッキは【フレア・エッグ】然り、デュエプレだとTCGと違った受け入れられ方をすることが多いので、期待よりも不安が勝っているのが正直なところです。
ほどほどの立ち位置になってくれることを願いたいです。
おわりに
これまでの運営の趣向的に《ガチロボ》はほぼ確実に来るだろうとは思っていましたが、オリジナルカードを色々と引っ提げてくるのは少し想定外でした。
なんだか少し安直に感じてしまうのは、自分が捻くれているのかと考えてしまいます。
ただ、やはりデュエプレは限られた枠を厳選されたカードたちで埋めている以上、そこに割って入るオリジナルカードには慎重になってもらいたいという気持ちがどうしても出てきてしまうのです。
出すだけ出しておいて見向きもされない、多くのユーザーに嫌われるというのは、色々な意味で見送られたカードがかわいそうに感じてきてしまいます。
嘆いても仕方ないので、出ることが決まった以上は活躍を願うことくらいしかできないんですけどね。
前回の《デッドマン=THE END》同様、少し考えさせられてしまった公開カードたちでした。
よければ次回の④もどうぞ。
それではまた。