新カード解説②(デュエプレ13弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
13弾の新カードの考察第2弾です。
第1弾はこちらをどうぞ。
指標はこんな感じ。
9点~10点 → 壊れ性能。環境トップレベル。
7~8点 → 優秀。環境でもよく見かける。
5~6点 → 悪くはない。癖があったり、デッキや環境次第で採用される。
3~4点 → おそらく環境では見ない。地雷枠や限定構築に活路を見出す。
0~2点 → 見なかったことにしていい。
基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。
また、評価はするものの、用途の紹介や背景ストーリーでの活躍を中心としていきます。
それでは以下、本題です。
キリモミ・スラッシュ
事前評価:5
紙からの変更点はありません。
強いていうならレアリティがコモンからレアに上がった点です。
呪文によるSA付与効果には「スクランブル・ブースター」が存在しましたね。
こちらが完全上位互換となり、「キリュー」に似た効果となりました。
「キリュー」同様、使用した時点で場にいるクリーチャーにのみSA付与が適用されます。
デュエプレのゲームスピードが向上する中で、ワンショットコンボを狙うようなこのカードは率直に言えばあまり使い道はありません。
コンボ要員としても「イダテン・アクセラー」がさほど使われていないところを見ればこちらも活躍の場は限定されると考えられます。
一応、呪文であることから「アマテラス」から踏み倒して奇襲を狙うことはできますね。
「サファイア」を使った動きの劣化とはなりそうですが、「キリコ」から「アマテラス」を含めて大量展開した際に唱えるという動きは少し面白そうです。
「サファイア」は規制される可能性がゼロとは言えないカードなので、もしもの際にはこの使い方が用いられることがあるかもしれません。
多数のクリーチャーを展開する手段としては超次元もうってつけなので、組み合わせが想像できます。
他には召喚酔いクリーチャーを多量展開する「ZAGAAAN」や『ジャイアント』などに採用してみても面白いでしょう。
どちらかと言えば望まれたのはよりコンボに使いやすい「キリモミ・ヤマアラシ」の方だと思われますが、こちらの実装は遠のいてしまった気がします。
聖霊龍騎スターダスト・NEX
事前評価:7
FT:NEXが聖なる力を操る事で、戦場に絆の光が灯る!
紙からの変更点はタップ対象がランダムになった点です。
「ボルシャック・NEX」が「アガピトス」を彷彿とさせる展開力と評価されましたが、これによってタップ効果までも追うような形になります。
コストに対するパワーも高く、「コッコ」からこのカードを流れるように出せば、その後毎ターンタップキルを行うことが可能です。
「ブレイブ・ルピア」か「NEX」を1枚出せば後続は半永久的に続くので、一度場に立ったが最後、というほどに相手を追い込むことができるかもしれません。
「マッハ・ルピア」と組み合わせると、疑似的な「バザガジール・ドラゴン」として運用することもできます。
各種「ルピア」によるコスト軽減も入ることで、「マッハ」とこれの組合せであっという間に盤面を更地にする動きも狙えるでしょう。
気になる点に関しては、現状『NEX』が得意とする横展開からの「スパーク」や「コルテオ」などでも同種の動きができることでしょうか。
「シャイニー・ホール」が入ってくるならば、なおタップカードの需要は落ちていきます。
性能的には申し分ない強さを持ちますが、現状の『NEX』の構築が既に洗練されていることや、このカードが多色であることからもすんなり採用とはいかないでしょう。
ただ、「ブレイブ・ルピア」というNEXサーチカードがあり、通常の構築でまだ探索の枠に空きがある以上、常に採用選択肢とすることはできそうです。
単体で持っているカードパワーは高めではあるので、その点を以ても活躍の可能性が見えるカードです。
ギャラクシー・ルピア
事前評価:4
紙からの変更点は、進化元が「ルピア」からファイアー・バードに緩和された点と、出すNEXが探索になった点です。
シンパシーを持たない進化GVは初登場ですね。
その代わりに「ルピア」を名称に含むため、「ボルシャック・NEX」からのリクルート対象となります。
場にファイアー・バードを3体並べる状況も、今の『NEX』であればそう珍しいケースではないので、「ギャラクシー・ルピア」を出すこと自体はそれなりに狙えると考えられます。
重要なのはそこまでして出すメリットがあるのか、という点です。
出す「NEX」に制限はないため、究極進化である「ライジングNEX」や、この後紹介する「クロスNEX」などが選択肢になってくるでしょう。
普通に構築した場合には腐る状況が多いので積極的な採用はないでしょうが、盤面上限があるデュエプレで場を空けられたり、サーチやリクルートが効いたりする点では扱いづらさが大きくカバーされています。
「クロスNEX」が特定の対面を詰みに追い込める点からも、イレギュラーな形の『NEX』では採用候補となるかもしれません。
一応、今の『リースNEX』が超探索の範囲内であるルピア5種をフルに採用しているので、採用する場合には注意が必要です。
神羅ドラグ・ムーン
事前評価:8
FT:月の輝きが怒りで満ちる時、赤き炎が世界を震わす。
紙からの変更点は、ルナティック進化を得た点と、攻撃時の除去効果が6000以下2体除去から全体除去に変わった点です。
12弾で収録された「神羅」サイクルの火文明担当はこのカードだったのですが、「ライジングNEX」が先行収録されたことで枠を見失っていました。
ただ、今思うと13弾で覚醒編に入ることが決まっていたなら、火のSRに「クロスNEX」と「ボルシャック・ホール」は外せないので、その意味でも「ライジングNEX」を先行収録する必要があったのかもしれませんね。
まあそれでもVRで12弾に入れてくれてよかった気もしますが…
余談ついでですが、背景ストーリーの話を少しします。
究極進化獣の誕生については12弾のカード解説で書いたので省略しますが、「オリジナル・ハート」とは、戦国編の最後で「シーザー」が「HELL」を撃ってできた時空の裂け目に突如発生した小惑星です。
オリジンの心臓という名前の通り、オリジン軍の居城として聳え立ちます。
神化編のざっくりとした流れでは、
「オリジナル・ハート」から地上へのオリジン軍の猛攻
究極進化獣による地上軍の反撃
究極進化獣の影響で拡張された時空の裂け目から「神帝」が登場して究極進化獣をせん滅
修行の果てに究極進化を遂げた「ライジングNEX」が「神帝」を討伐
突如天から現れた「創生神」によって「ライジングNEX」が敗北
奇跡の生還を遂げた「ライジングNEX」が「クロスNEX」となって「創生神」に勝利
続けて「オリジナル・ハート」の破壊を目論むも、神化編ラスボスとなる「起源神」が誕生
圧倒的力に対抗すべく地上軍は文明の壁を超え、「神羅サンシャイン・NEX」と「神羅ダークネス・ロマノフ」が融合し、究極進化を超えた究極進化・究極進化MAXの力を持つ「超神羅ロマノフ・カイザーNEX」が誕生
「起源神」を倒した「ロマノフ・カイザー」は、命をかけて「オリジナル・ハート」を破壊し、長きにわたるオリジン軍と地上軍の戦いが終わる
結構端折ったつもりなのですが、相当長いですね。
デュエプレに出てこないカード名が多く登場するあたり、13弾が神化編を畳んで覚醒編に突入することを嘆く方の気持ちもわかってくるでしょう。
まあ、6体から成る「起源神」はこんな感じになってしまうので、デュエプレでの実装が難しいことから同情はしてしまいますが…
さて、前置きが長くなりましたが「ドラグ・ムーン」について。
「羅月」面は5コストの進化獣としては淡泊なものの、攻撃と合わせて2面処理が可能です。
3000というラインはデュエプレ1弾から現在まで通して重要なラインで、12弾環境でも「ブレイブ・ルピア」や「ザンゲキ」をクロスしたパワー1000クリーチャーの値です。
採用が一般的になると2面処理が的確に効く対面も多く、侮ることなかれといった活躍が見られるかもしれません。
「神羅」の方に関しては強力な全体除去効果で、一度場に出せればたいていのデッキに対して強さを発揮できます。
さながら、赤の「DEATH・ドラ」といった感覚でしょう。
問題はこのカードがどのデッキに入ってくるか、というところです。
赤のドラゴンであることから『NEX』にすんなり採用することを考えられそうですが、コストの高さは少し引っかかります。
「コッコ」が1体いる場合で即究極進化まで持っていくには計8コストを要し、「ライジング」が計6コストで済むのを考えるとかなり重めです。
除去効果が「ライジング」で十分と考えた場合は、全体除去効果がオーバーキルで、耐性を持たない点が弱みと捉えることもできるでしょう。
軽減のみでなく、『NEX』においてはサーチの手段も限られてくるので、積極的に使いたい場合は「バルキリー・ルピア」の併用なども視野に入るかもしれません。(「NEX」の探索濁りを避けられるのはメリットとも言える)
実際、これらの点がネックになって色・種族・環境への噛合いのいずれも悪くない「ボルガウル」が採用を見送られているのだと考えられます。
ただ、気になる点がいくつかあるにしても、攻撃トリガーで継続的に除去を撃てる効果は強力で、素のパワーの高さもあってこれ1枚の着地で勝ててしまう対面もあるほどです。
コストの重さも「ルピア」→「NEX」→「ルピア」→「羅月」+「神羅」などでマナカーブが繋がり、『NEX』ミラーにも効くことから十分採用候補とできるでしょう。
『NEX』以外で考えた場合も、今まで「DEATH・ドラ」が欲しいのに黒クリーチャーを多数入れられなかったデッキにとっては朗報となり得ます。
たとえば、『マルコビート』や『ヴァルディビート』などです。
「羅月」面が火のクリーチャーを進化元とするのでうっかりしますが、「神羅」の方は進化元の文明に縛りがないんですよね。
「マルコ」のバウンスなどで時間とリソースを稼ぎながら「ドラグ・ムーン」を「マルコ」に乗せ、ビートしていくデッキなども考えられるかもしれません。
この方法で考えた場合もやはりコストは重いものですが、唯一無二の効果持ちカードとして、構築を広げる可能性を持ったカードと評価できます。
ボルシャック・クロス・NEX
事前評価:8.5
FT:立ち上る炎の柱から現れた太陽の化身!新たな勇者により世界に奇跡の狼煙が上がる!!
紙からの変更点は以下。
条件付きのコスト軽減効果が付いた
召喚制限効果が相手のみになった
召喚制限効果の対象にゴッドが加わった
登場の背景については「ドラグ・ムーン」のところで書いた通りです。
ゴッドの召喚を封じられるようになったのは、この背景ストーリーを踏まえてのことでしょう。
ただ、誕生の契機になった「創生神」が省略されるのであれば、何を倒すためにこの「クロスNEX」が登場することになるのかが気になります。
ゴッドを封じる「クロスNEX」が先んじて現れたから「創生神」や「起源神」が登場しなくなった…ということも解釈もできそうですが。
背景ストーリーの全貌がわかるのが楽しみですね。
さて、「NEX」の最終形態として登場しましたが、その効果はこれまでと大きく変わっています。
召喚制限のないSAを持ったファッティとしては、「サファイア」が比較対象となってくるでしょう。
焼却という確実性の高いフィニッシュ能力と引き換えにコストが1下がって相手に対する召喚制限効果を持ちます。
4コスト以下を一括して封じるのは非常に強力で、インフレに対しても高い柔軟性があります。
特にデュエプレの場合、主要な環境デッキはいずれも低~中コストを主体としたクリーチャーコントロールであるため、早期にこのカードを着地できれば相手を投了にまで追い込むほどの効果です。
今のデュエプレでは有用なトリガークリーチャーのコストは高めの傾向にありますが、インフレが進んで低コストに強力なカードが追加されてきた際には、トリガーケアの手段としても使うことができます。
今でも「ジャック」や「コロビナー」などを防げる点で、機能しないことはありませんね。
デュエプレでの実装にあたってゴッドも止められるようになったため、4コスト以下制限があまり効きづらいコントロールに対しても刺さる効果となっているのは良い設計だと感じます。
「キング」「デルフィン」によるロックはかなりの強度を持ちますが、これからは「クロスNEX」「デルフィン」といった形でも考えて行けるでしょう。
「サファイア」とは性質が異なったフィニッシャーであるため、これまで「サファイア」が入っていたデッキには交換して入れることが可能です。
コントロールデッキでのフィニッシャーとしての枠や、『キリコ』のような踏み倒しデッキでも採用候補となります。
それこそ、ドラゴンであることから『ライゾウ』にも採用でき、「デルフィン」との強固な体制を容易に敷くことも現実的です。
総じて汎用性の高いフィニッシャーだと評価することができます。
追加されたコスト軽減効果については、主に『NEX』で採用する場合を考えたものとなります。
普通にプレイしていたら5枚墓地に落ちることはなかなかありませんが、コントロール対面に勝負がもつれ込んだ時には起こり得る状態です。
また、そうでなくとも「コッコ」があれば7コスト、2枚あれば5コストと、最速5ターンで場に出ます。
「コッコ」→「NEX」+「コッコ」→「クロスNEX」は現実的で、ミラーにも有効です。
前述した「スターダスト」にも当てはまりますが、この13弾で『NEX』はコントロール的な動きの拡張性が上がりそうですね。
SAを持っていることから突破力も高く、単体のカードパワーも高めで、採用を考える価値のあるカードだと言えそうです。
注意点は、封じるのはあくまで”召喚”のみである点。
”バトルゾーンに出す”と記載された各種踏み倒しは通ってしまうので、たとえば「バイオレンス・フュージョン」によるゴッド着地などは阻止できない点を覚えておきましょう。
炸裂の影デス・サークル
事前評価:7
紙からの変更点は、1コスト下がった点と種族にオリジンが追加された点です。
炸裂サイクルと呼ばれるカードで、各文明に同じ特性を持ったカードが存在します。
このカードに関しては、コストが1下がったことでトリガーを得た代わりにアンタップ限定となった「デスモーリー」のような効果です。
一見アンタップ限定だと不発になる可能性が生じるデメリットのようにも感じられますが、トリガーで出た場合に打点を止められる場合が多くなります。
マナカーブに沿って出した場合には相手の場に1体しかいないということもあるので、その場合は通常の除去として支障なく使用可能です。
また、「デスモーリー」にも共通しますが、相手が選ぶことからアンタッチャブルも破壊できる点は普通の除去カードと差別化できる点になります。
アンタッチャブル効果持ちは今後も度々環境に顔を見せることとなるので、対処法の一つとして覚えておきましょう。
呪文と比較するならば、能動的に墓地を肥やせる点も強みになってきます。
この後紹介する「リバイヴ・ホール」が墓地回収を持ってマナカーブが繋がるため、「ライフ」→「デス・サークル」→「リバイヴ・ホール」という流れはデザインされているのかもしれません。
コストが4から5に下がったのはマナカーブの都合上大きな違いとなるので、防御にも使えるこのカードの有用性はかなり上がったと言えます。
種族・ゴーストは古いマイナー種族ですが、このあとも地道にプールが追加されていくので、種族が活かせるカードが出て来るといいですね。
今回オリジンの種族が追加されましたが、ここにどんな意味があるのかは楽しみにしたいです。
シークレット・クロックタワー
事前評価:7
FT:時間を操れば、過去も未来も自由自在。
紙からの変更点はありません。
このカードは紙だと20弾(不死鳥編)に収録されたカード(今回の覚醒編は36弾~)なので実装がスルーされていた結構過去のカードです。
この後紹介するカードとシナジーしてくることから収録されたのだと考えられます。
2コストの手札入れ替えカードには「エマージェンシー・タイフーン」が古くからありましたね。
こちらと比較すると、「クロックタワー」のメリットは以下となります。
見れる枚数が1枚多い
山上山下が固定できる
デッキを減らす枚数が1枚少ない
山上山下の固定はイメージしにくいですが、たとえば「グレートブルー」のようなカードとコンボを組むことに利用できます。
重要なカードを次確実に引いてプレイするために、ハンデス対策として使うこともできますね。
逆に「エマタイ」のメリットは以下。
墓地が肥やせる
マッドネスと組み合わせができる
手札すべてが入れ替えの対象になる(「クロックタワー」はめくる3枚のみが操作できる対象)
似た効果であるのに、これだけ差別化ができるところにデュエマのギミックに多様性・面白さが見えてきます。
それぞれの特性を抑えて、デッキに合った方を採用していきましょう。
余談ですが、紙にはもう一種類「ブレイン・ストーム」という類似カードが存在します。
これに前述の2種を加えた計3種からデッキ特性によって採用カードをわけるので、「ブレイン・ストーム」もシナジーするカードの登場タイミングに合わせて実装されるかもしれませんね。
先行して登場していた「ブレイン・タイフーン」は「エマタイ」と「ブレイン・ストーム」をくっつけた感じです。
いずれも有用であり、全文明の中間に位置する水文明であることからも、カードプールに存在するだけで意味の出て来るカードたちです。
個人的に好きな順は「エマタイ」→「クロックタワー」→「ブレスト」でした。
墓地肥やしを使うが多かったということもありますが、何よりこの後ドローするカードがわかるなんてワクワクがない!という倒錯した理由からです。
超次元リバイヴ・ホール
事前評価:9
FT:覚醒の力をいち早く手に入れた闇文明は、全文明を支配するべく平和条約を破り捨て、戦争を開始した!
紙からの変更点は、墓地回収が探索になった点です。
先に背景ストーリーの話を少しします。
神化編の顛末は「ドラグ・ムーン」の項に書きましたが、すべての戦いが終わった後にフィオナの森にて五大文明の平和条約が結ばれ、世界は安息を取り戻します。
しかし、「オリジナル・ハート」の消滅した後には「超次元の穴」が残り…と、不穏な空気を残していました。
覚醒編はこの「超次元の穴」で”覚醒”の力が見つかるところから始まります。
その第一発見者である賢者「ランブル」は初の”覚醒者”となり、「リバイヴ・ホール」のFTのような行動に移りました。
私がこのFTを見た時の第一声が「闇文明、やってること外道過ぎるだろ…」というものでしたが、闇という言葉の意味を考えると闇文明に怒られそうですね。
さて、5コスト「ホール」サイクルの闇文明担当カードです。
例に漏れずCからSRへとレアリティが昇格しましたが、この「リバイヴ・ホール」は紙では最強のコモンとも称されるほどに長きにわたって活躍を続けるカードです。
その歴史を書いてもあまり今後に役立たなさそうなので書きませんが、簡潔に書けばクリーチャーを墓地に落とす手段が増えたことや、クリーチャーを手札から容易に踏み倒す手段が増えたことによるものです。
前者については、先ほどの「デス・サークル」のような炸裂サイクルや、近い将来出るはずの2コストのカードが該当してきます。
後者の踏み倒しに関してはずいぶん先のこととなるので省いてよいでしょう。
ただ、現状でも墓地回収効果はデッキ構築の中で優先度を下げられがちなので、サイキック・クリーチャーを出すオマケとして行えるのは十分有用だと言えます。
もう一つの有用な意味としては、闇の7コストサイキック・クリーチャーに有用なものが多い点です。
闇単色もそうですが、この後多色のサイキック・クリーチャーが出る中で、闇文明は特に優遇されたものとなっていきます。
出す候補が「ランブル」と5コストのカードのみになる13弾ではほどほどか、あるいはイマイチの立ち位置となるかもしれませんが、将来的なポテンシャルが非常に高いカードであることを覚えておきましょう。
時空の賢者ランブル
事前評価:8.5
FT:覚醒する力を得た闇軍団はフィオナ協定を恐気と共に破り捨てた。
紙からの変更点は以下。
パワーが5000に上がった
E・ソウルという種族のようなものがなくなった
覚醒条件が山下のカードの名前を言い当てるものから、3択から当てる方法に変わった
登場の背景については「リバイヴ・ホール」で述べた通りです。
覚醒前の姿が持っている本は、ひょっとしたら破り捨てたフィオナ協定なのかもしれませんね。
覚醒条件について、テキストがややこしく書かれていて、紙版を知らない人には理解が難しい部分があったと思われます。
要するに3枚表示される中から1枚を選んで、それがその3枚の内の一番下に位置していたカードであれば覚醒するという条件です。
「シークレット・クロックタワー」などで固定していれば当然正解でき、何も仕込みがなくても1/3で当たるようになっています。
紙では仕込みなしでの正解はほとんど不可能であったので、基本的に強化されていると言えるでしょう。
前回の「チャクラ」で覚醒は基本的に強制と書きましたが、これについてはあえて外すことで覚醒を回避するという方法もあります。
覚醒時に山札シャッフルが挟まれるため、場合によってはこういった戦術も重要となり得るかもしれません。
さて、単体のスペックについてですが、覚醒しなければただのスレイヤー持ちのパワー5000なので、特筆する点はありません。
ただ、このスレイヤーと言う点が忘れられがちなので、対面時は注意が必要です。
他には「ホール」から容易に出せるデーモン・コマンドという点も重要です。
「ホール」は有用な効果を持ったクリーチャーを出すだけでなく、特定の種族やコストのカードを場に並べるという意味でも機能するのがまた汎用性の内だと理解しておきましょう。
覚醒後は解除持ちの高パワークリーチャーとしての運用がメインです。
破壊効果は地味に映りますが、大事なのは置換効果による破壊であること。
そろそろデュエプレでも一般的な知識となってきましたが、置換効果は連鎖しないというルールがあります。
このルールについての詳細は過去記事の説明に譲ります(最初に上げた「ボルシャック・大和」の効果はサイレント修正されてしまいましたが…)。
これによって、たとえば「パーフェクト・ギャラクシー」を耐性を無視して破壊することが可能です。
これからホットになることについて言えば、サイキック・クリーチャーの持つ解除も置換効果です。
「ランブル」であれば耐性持ちの覚醒クリーチャーも、一撃で超次元ゾーンに帰せる点は他カードにない個性と言えるでしょう。
また、これはバトルを行う前に効果を適用しているため、実際のバトルは成立しません。
相手がスレイヤーを持っていたり、「シルヴァー・グローリー」で要塞化されていたりしても問題なく相手側のみを破壊できます。
直接的なアドバンテージは小さいので地味と言えば地味な効果ですが、他に同種の効果持ちがいない個性的なものである点は重要で、使ってみて意外な有用性に気付けるものでもあります。
バトルで破壊できない除去耐性持ちとなると、案外出されて苦しむデッキは多いものです。
採用先を考えると、マナカーブ上で無理なく山下操作を行える『ナイト』は筆頭でしょうか。
『ナイト』はフィニッシュ力を「シーザー」「HELL」に頼ることで赤を採用した『デイガナイト』が一般化していましたが、そこを「ランブル」や「チャクラ」が補えるのであれば、採用色まで含めて抜本的な構築の変化もあるかもしれません。
その他は「リバイヴ・ホール」がグッドスタッフとして活用できる点で、各種コントロールや山下固定ギミックを持つデッキでお呼びがかかるでしょう。
注意点をいくつか挙げておきます。
一つ目は、「ランブル」は覚醒時に山札をシャッフルする点です。
山札への仕込みを行わなければ、除去された返しのターンに確実な覚醒が保証されていません。
この辺りは「チャクラ」とずいぶん都合が違ってくるので、解除持ちとは言え安心できない部分でもあります。
二つ目は山下の操作についてで、これまでにもあった各種ランダムに山下にカードを置く効果も、すべてログから置いた順を確認することができます。
Twitter上ではちょっと話題にもなりましたが、意外と知らない人は多くいたのでこれを機に広まっていきそうです。
三つめは「ランブル」同士がバトルを行った場合。
「ランブル」は攻撃をした時ではなく、バトルをした時に置換効果が発生するため、「ランブル」同士だと同時に効果が適用されることとなります。
ただ、これに関しては”ターンプレイヤー優先”のルールによって、そのターンを行っているプレイヤー側の効果が優先され、非ターンプレイヤーの「ランブル」のみが破壊されます。
あまりないケースではありますが、しばらくは「リバイヴ・ホール」で出すカードの筆頭となるため、覚えておきましょう。
「ランブル」の総合的な強さに関しては、決して弱くはないのですが、後々登場する優秀すぎるカードの中で霞んで行ってしまうものです。
効果の性質上、覚醒のための補助カードが必要になってくる点も、採用を消極的にする要因となり得ます。
活躍の時期は限られるかもしれませんが、まずは闇の超次元のフィニッシャーと将来性大の「リバイヴ・ホール」の最大の呼び出し先として見かけられるかもしれません。
個人的にはイラストがデュエマ全体を通してもかなり好きなカードなので、是非とも活躍してほしいものです。
まとめ
12弾の状況を見れば13弾の目玉になってくるかと思われた「クロスNEX」が強化が入って登場し、各種超次元周りは基本紙に忠実と、調整をする側のことを色々と考えさせられます。
今のところ見えているカードからイメージすると、既存デッキのアレンジ幅が広がるカードが多い傾向に感じられますね。
覚醒編はインフレをもたらしたシリーズではありますが、同時に将来的なデッキの拡張性をもたらした弾でもあります。
神化編で既に相当のインフレを経験しているデュエプレに、ほぼ無調整の覚醒編カードが加わったらどうなるか…
歴史を知っていると、また違った面白さからデュエプレを楽しめる気がします。
よければ次回の③もどうぞ。
それではまた。
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