環境考察から考えるデッキ選択の解法(デュエプレ8弾)
※全文無料です。
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
今回はカードゲーム、特にデュエプレの環境において、どのようにして勝てるデッキを考えるか、ということについて書いていきます。
要するに、私が普段書いている環境考察記事の内容を如何にして実践に取り入れるか?という話です。
本気で勝ちたい時、プレイング云々以前に自分が選ぶデッキの立ち位置、周囲の環境を把握ことが最も大切なことのため、これを書く2021年3月のみならず、今後役立つ考え方として参考にしていただければ幸いです。
※以下は基本NEW環境視点で書いていますが、もちろんALLにも適用可能です。
環境の「解」を導き出すための大前提
まず、そもそもの環境デッキはなぜ環境デッキなのか?ということを理解する必要があります。
よくデッキの使用率・強さの指標として用いられるTierについて考えていきましょう。
Tier1格は往々にして以下の条件に当てはまります。
・極端な不利対面を他Tier1格に持たない
・デッキパワーが高い(デッキパワーとは、環境中の相性を無視したデッキ自体の強さ≒環境外にも対応できる有象無象への勝ちやすさを指します。)
逆にTier2格は以下の条件です。
・特定のTier1に相性が悪く、反対に特定のTier1に相性が良い傾向にある(≒メタ要素が強い)
・デッキパワーがTier1よりも低い傾向にある(≒環境外のデッキにも五分勝負を挑んでしまいやすい)
上記は恒久的に当てはまりやすい条件です。
これを踏まえたうえで、次に現在の環境デッキの持つ要素を割り出します。
その時のプールによっても変動していきますが、7弾・8弾のデュエプレでは具体的に以下の要素を複数持つ、あるいは突出した一つを持つことがTier1の条件だと考えます。
・「ヘブンズ・ゲート」を採用しているか最速5ターンキルが可能
・トリガーをケアしたフィニッシュが可能
・強いトリガーを8枚以上採用可能
・強力な押し付けムーブが存在する
特に一つ目に書いた「ヘブンズ・ゲート」を採用しているか最速5ターンキルが可能は現状ほぼ必須です。
つまり、キルターンが遅いコントロール系のデッキは「ヘブンズ・ゲート」がなければ環境トップにはなり得ません。
このあたりのことはこちらでも書いているのでよろしければどうぞ。
では実際の環境デッキに条件を当てはめてみましょう。
『ゲオアガピ天門』『5c天門』…「ヘブンズ・ゲート」、トリガー8枚以上、強力な押し付け
『ドリームメイト』…最速4~5キル、トリガーが8枚以上
『赤白アポロ』…最速5キル、トリガー8枚以上、トリガーケア(「ドラゲリオン」の「スパーク」ケア、選ばれた時効果)、強力な押し付け
『ツヴァイ』…最速4キル(相当上振れ3キル)、トリガーケア、強力な押し付け
『メカオー』…最速5キル、トリガーケア、トリガー8枚以上
『テクノロジー』…トリガーケア、強力な押し付け
といった感じになります。
まったく新たなデッキを作り出す場合には、まず上記要素をどれだけクリアしているかが条件です。
やや極端ですが、上記の要素に該当するものがなければ、もしくは該当してもそれが他環境デッキより弱ければ、それだけで環境上位には加われないと判断可能となります。
たとえば『白緑アーク・セラフィム』で並べて「マザー」を出すだけなら、同じ速度でもっと安定した『メカオー』で十分なため、要素が弱いと言えます。
そして最後に環境上位のシェアを考慮します。
これを書く2021/3現在は圧倒的な『ゲオアガピ天門』『ドリームメイト』の二強環境です。
これまで書いたことを加味して導くと、以下が環境で勝てるデッキの要件となります。
・『ゲオアガピ天門』『ドリームメイト』に五分以上
・『赤白アポロ』『ツヴァイ』『メカオー』に微不利~有利
+以下のいずれか1つ以上
・「ヘブンズ・ゲート」を採用している
・最速5ターンキルが可能
・トリガーをケアしたフィニッシュが可能
・強いトリガーを8枚以上採用可能
・強力な押し付けムーブが存在する
これに合致するものとして導き出されるのが『天門ドルバロム』『青黒ドルバロム』『クローシスドルバロム』『テクノロジー』だと考えられます。
『天門ドルバロム』は『ゲオアガピ天門』『ドリームメイト』以外に不利が付きやすいため、メタデッキとしての色が濃く、二強状態が強いほどに勝ちやすいデッキでした。
『青黒ドルバロム』『クローシスドルバロム』は『ゲオアガピ天門』により強く出られる一方で守りは薄くなるため、『ドリームメイト』が少ない時ほど有効と言えます。
そして、『テクノロジー』は二強に五分をつけることができ、他デッキへの目立った弱点もないため、結果環境への解として使用が広まってきました。
事実ををなぞって書いているため、絵空事に感じる人もいるかもしれませんが、的確に環境を把握していると意外なほど簡単に勝てそうなデッキのイメージは湧いてくるものです。
逆を言えば、環境考察をせず、デッキ相性を理解できていないほど勝ちづらく、ゲーム自体が楽しめなくなってしまいます。
環境前期での考え方
では実際の環境変遷に沿って考えてみましょう。
まずは新弾リリース直後~1,2週間ほどのデッキ選定についてです。
基本は前弾の環境トップを基準に考えます。
これは新弾リリース直後は主に以下2タイプの人がランクマッチで大多数を占めるようになるからです。
①新弾の目玉SR、新種族(軸)を取り入れたデッキを使用する人
②前環境の環境デッキをそのまま(または数枚新規パーツを入れて)使用する人
特に前者が圧倒的となるため、環境は跳梁跋扈としたものとなります。
非常にやりづらい環境になるため、新弾リリース直後の1週間ほどはランクマッチを控える人も多いことでしょう。
ただ、①の性質を考えると、意外とあっさり解決の糸口が見つかります。
つまり、この時期の環境は完成度の低い試作品のデッキが氾濫した状態であるのです。
そのため、デッキの回りや構造に欠点を抱えたデッキも多く、前環境で活躍した安定性と実力を兼ね備えたデッキは勝ちやすい時です。
要するに、②の前環境のTier1に新弾で追加された明確な強化カードを加えれば、それだけで良いと言えます。
ただし、一つだけ考慮することがあります。
それが、新弾であからさまに強化されたデッキとデザイナーズコンボを持つデッキの存在です。
8弾を例に挙げれば前者は『赤緑ドリームメイト』が筆頭でしょう。
事前公開されたこの2枚のスペックから7弾で準環境に甘んじていた『ドリームメイト』が大幅な強化を受けたことは明白でした。
後者の例も挙げると、『クローシス除去コントロール』はわかりやすくデザインされたデッキであったと言えます。
これらの主要パーツがすべてレアリティが低く、同じカラーで長く存在する『除去サファイア』によって相性の良いパーツを持っている人も多かったため、多くのプレイヤーが一度は組んでみると想像できます。
他には種族プッシュがされた『アーク・セラフィム』と『グランドデビル』も一定数使用されることが考えられます。
ただし、『アーク・セラフィム』はパッと見で強さが分かりづらく、『グランドデビル』は切り札の「ネプチューン」が複数枚必要だったため、たまたまパーツを引けた人たちが組む程度だと予想することができます。
そうなると優先して意識すべきは先の二つ『ドリームメイト』と『クローシス除去コントロール』だと言えるでしょう。
次にこの新デッキ『ドリームメイト』と『クローシス除去コントロール』に相性の良い既存デッキを考えます。
「ボルパンサー」を積んだ赤緑型の初期『赤緑ドリームメイト』の特徴は以下です。
・最速4~5ターンキルが可能
・純粋なビートダウン
一方『クローシス除去コントロール』の特徴は以下です。
・トリガーケア(サファイア採用時)
・ハンデス
この特徴を抑えつつ、前環境のデッキで勝てそうなものを探していくと『赤白アポロ』が一つの答えとなります。
『赤白アポロ』の特徴は以下です。
・最速5キル
・トリガー8枚以上
・トリガーケア(「ドラゲリオン」の「スパーク」ケア、選ばれた時効果)
・強力な押し付け
『ドリームメイト』に対してはほぼ同速な上にカウンター力が強く、トリガーケアができ、『クローシスコントロール』に対しては「サークピッチ」で対策が可能で「ドラゲリオン」の押し付けも通しやすいため、立ち位置が良いことが浮き彫りとなります。
8弾環境の序盤で『赤白アポロ』のシェアが高かったのはこうした背景があってのことと考えられます。
一方、使うべきでなかった既存Tier1は『ツヴァイ』と『メカオー』と言えます。
両者とも序盤から除去とハンデスを挟む『クローシス除去コントロール』に弱く、さらに8弾目玉の一つであった「竜極神」を採用したデッキに圧し切られやすいためです。
さて、ここまで考えた後で、もう一歩踏み込んでみると見えて来るのが、『クローシスコントロール』はTier1要素が弱いデッキであるということです。
先にも書きましたが、「ヘブンズ・ゲート」を採用しているか最速5ターンキルが可能なことは現在のデュエプレでは必須に近い条件です。
また、同期のTier1格『赤緑ドリームメイト』のようなビートダウンに弱く、マッドネス1枚で負け得ることからも、環境で生存する力は弱いと考えられます。
そうなると次に考えるのは『赤緑ドリームメイト』と『赤白アポロ』に勝てるデッキです。
『赤白アポロ』が7弾のデッキのため、環境を追っていれば苦手とするデッキが『天門』であることもすぐに思い浮かびます。
では『ドリームメイト』のような純粋なビートダウンの苦手とするデッキは?と考えると、そう、これも基本は『天門』です。
こうして、8弾実装初期の一次回答が『赤白アポロ』、二次回答が『天門』であったと言うことができます。
環境中期での考え方
リリースから10日~2週間ほど経つと、徐々に前期の環境変化が浸透していきます。
よくわからんけど〇〇が強いらしいから使ってみよう、という人が増えて来る頃であり、その一方で他を出し抜こうとTier1デッキのカスタムや新デッキが模索される頃です。
この頃から後期に近づくにつれ、メタ読みに長けて実力のある人ほど勝ちやすい環境になってくると言えます。
では、Tier1デッキのカスタムについて考えましょう。
基本は前期でトップのシェアを持ったデッキ、ここでは『赤緑ドリームメイト』と『赤白アポロ』を中心に考えていきます。
『天門』…『5c』が主流で『4c』はパワーラインが低いため激減。「パンダ」対策で「デーモン・ハンド」4積み、「獄門スマッシュ」の採用。
『メカオー』…『クローシス』が減ったため、ちょっと戦いやすくなった。横に並ぶ『赤緑ドリームメイト』、『アポロ』に対する逆転札として「アポカリプス・デイ」の採用。
『ツヴァイ』…純粋なビートダウンの『赤緑ドリームメイト』に逆転可能とするために「ホーリー・スパーク」の採用。
『赤緑ドリームメイト』…同型、同速のキルターンを持つデッキに対抗するため、カウンタートリガーの採用(=光文明の採用)、スピードよりも安定とカウンターのために『トリーヴァ』の誕生。
『赤白アポロ』…同型と『赤緑ドリームメイト』をはじめとする横並びに対抗するため、「超竜騎神ボルガウルジャック」の採用。
このように『ドリームメイト』のような新弾で強化されたデザイナーズデッキがTier1に加わり、少しずつ既存Tier1デッキ群に変化をもたらしていくのが基本の環境変遷です。
その微細な変化によってTier1から陥落するデッキや、逆にTier2から浮上するデッキ、または既存の型に新たな色を加えることで派生したデッキが環境を回していきます。
これを敏感に感じたデッキ選択ができる人ほど勝率が高くなる時期です。
しかし、時にユーザーのたゆまぬ新デッキの模索から、環境を激変させるデッキが誕生することがあります。
2021/3月現在デュエプレをプレイしている方なら検討がつくでしょうが、『ゲオアガピ天門』は8弾環境最強のデッキの出現と言っても過言ではありませんでした。
前期で『天門』が解答であることを踏まえてさらなる進化が模索された結果、誕生したデッキでしょう。
ただ、『天門』が「アガピトス」から「フルメタル・レモン」を出す動きは想定されたものでしょうが、「ウルコス」や「ゲオルグ」と併せて使われると考えられたかわかりません。
そこまで突飛な構築だとは言えないのですが、それにしては今環境で一つ頭抜けたデッキパワーを持っているからです。
運営の意外を突いた構築である可能性はそれなりに高いと思われます。(個人的には五分五分)
そのため、早期にこのデッキの存在に気付いた人・このデッキの練度を磨けた人は勝率を大きく伸ばすことができました。
ここから『ドルバロム』『テクノロジー』が対抗デッキとして台頭したことは冒頭で述べましたが、それでも環境が二強状態を維持しているのは『ゲオアガピ天門』と『ドリームメイト』が網羅するデッキ性質が広く、環境に隙が小さいことを証明しています。
つまり、コントロールでは『ゲオアガピ天門』、ビートダウンでは『ドリームメイト』の正反対の性質を持った2つのデッキの完成度が非常に高いのです。
ここまで来ると環境がある程度定まってくるため(新デッキを開拓し切るため)、時を経るごとに第三勢力となるデッキが出現する可能性は低くなっていきます。
とは言え、完全な二強環境が続くことはデュエプレでは珍しいことなので、今後の環境変化に不安を持ちつつも、わずかな動きに注視していく必要があるでしょう。
対抗の可能性についてはNEW環境の考察記事の後半にて少々述べているので、よろしければご参照ください。
ちなみに私はこれまで述べたことをベースにした考察と自分の所持カードから『ツヴァイ』が既存デッキで最も解に近いと考え、3/14に62戦45勝17敗(最大連勝12)で一日でプラチナ4からレジェンドまで到達しています。
本題とズレるため細かな解説はしませんが、『ゲオアガピ天門』と『ドリームメイト』、さらに台頭する『テクノロジー』への相性から『ツヴァイ』がすべてに微有利以上で戦えると考えました。
他にも使用デッキの候補はいくつかありましたが、先の3デッキがいずれも本領を発揮する6・7マナ到達までに押し付けが可能なデッキであること、「ギガブリザード」によるトリガーケアができることが選択の理由です。
「アクア・リバイバー」の採用は以下の2つです。
・トリガーが1枚以上出る確率を、デッキのトリガー枚数8枚の約70%から9枚の75%(3/4)に引き上げたかった
・『ドリームメイト』に対して攻撃できるトリガー獣が強く、リーサルパターンを考えても「ホーリー・スパーク」より強い場合がある
環境に抗いたい人の参考になれば幸いです。
環境後期での考え方
新弾リリースから1か月ほど経過した頃から次弾リリースまでを後期と捉えます。
やや期間が長いですが、つまりは環境が固定された期間が後期となります。
こうなると新デッキが登場することはほとんどなく、出揃ったデッキ間でシェアを微妙に変化させながら環境の終わりへと向かっていきます。
環境デッキへの理解や練度も各人で高まり、必然的に中期以上に勝ち上がる人は実力者揃いとなります。
テンプレとされる構築が広まる中で、上級者たちが構築を練りつつ、銀の弾丸となるカードを探求する頃です。
そのため、上位にいたければ環境理解の必要性はより増していきます。
環境終盤に開催されるBATTLE ARENAはその答え合わせのような場として、常に面白いドラマを生んできました。
過去3回の内容で振り返れば、第1回の優勝デッキ『5c天門』に採用された「アクア・ポインター」、第3回の準優勝デッキ『白青メカオー』に採用された「アポカリプス・デイ」などは良い例で、第2回の『赤白速攻』などはデッキタイプ自体が意外性を突くものでした。
新デッキの出現による波がある前期・中期も面白いですが、後期のこの繊細な変化もカードゲームをプレイする醍醐味だと思います。
ただ、既存デッキのマイナーチェンジから環境が動きだすこともまた、往々にしてあります。
7弾で言えば、『5c天門』はその好例でした。
『天門』は登場以来『5c』が主流で、「ボルバルザーク」の規制を機に『4c』が増え、7弾では「ゲートサファイア」ギミックの誕生によって『4c』が一般的となった経緯があります。
それが7弾環境も1か月を過ぎた頃に『5c天門』が再び注目され、環境終盤に向けて環境トップの位置につけました。(この後『5c』がシェアを落として『ツヴァイ』『アポロ』が盛り返したのは7弾環境の名シーンであったと思います。)
7弾環境は8弾とは違ってTier1間の実力が拮抗した環境であったため、同じ展開があるとは言い切れませんが、まだまだ環境への変化を期待することはできるでしょう。
8弾は多色プッシュということで強力な多色カードが数多く登場したため、様々なデッキで色の増減によるマイナーチェンジを図ることができます。
特にゴッドは「竜極神」を筆頭に非常に拡張性が高いため、これらを起点としたデッキ開発は環境レベルに届かなくとも進んでいくと思われます。
おわりに
さて、少々長くなりましたが、今回は環境考察を如何に実践に取り入れるかという視点で書いてみました。
なかなか簡単で明快に書くというテーマではないのですが、ぜひ熱心にデュエプレに取り組んでいる方、特に初級・中級者といった方たちの参考になれば幸いです。
最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。
無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、見合う価値があったと思ったらご購入いただけるととても嬉しいです。
いただけなくても、少しでもこの記事があなたのデュエプレライフに役立てば何よりです。
それではまた。
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