デュエプレ26弾環境考察
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
以下にて26弾環境の推移と簡単な解説を記録として残していきます。
ND環境
6/27バランス調整実施前
スタートダッシュを切ったのは【レッドゾーン】と【緑単サソリス】だった。
【レッドゾーン】は今弾屈指の強化が入ったデッキであり、元からの人気も相まって高い使用率となる。
赤単、赤白、赤青など、25弾に続いて様々な形が模索されていった。
構築は一定に定まることなく、変遷を続けている。
【緑単サソリス】は強化パーツとして《ギョギョウ》を加えた。
デッキタイプ自体は25弾の終盤で再注目の流れがあり、まさに脂がのったタイミングでテコ入れが入る形となった。
【レッドゾーン】に引けを取らない使用率を序盤から維持し、トップ層を中心に研究が進んでいった。
ツートップが目立つ中、ほどなくして【黒単皇帝ワルボロフ】が頭角を現す。
当初はターン1に制限された《皇帝》と、《ヘルボロフ》の下位種の印象が強い《ワルボロフ》をメインとするデッキは、さほど期待されなかった。
だが、その実力が認められるまでに時間はかからず、一躍【黒単ヘルボロフ】を押しのける人気を博す。
この3デッキは互いにビート・コンボ・コントロールで性質が異なり、その上で相性関係を補完し合ったことから、三角形の環境は比較的早く固まった。
三者間の相性差は小さく、構築・プレイ・時の運次第で矢印通りではない結果にもなる。
ここに唯一割って入ることができたのは【トリガーロージア】程度である。
分厚い受けで【レッドゾーン】に対して構造有利を取りながら、最終的にはビートダウンの選択肢を取る【緑単サソリス】【黒単皇帝ワルボロフ】に楽な勝負をさせないデッキだった。
4パスくらいは当たり前のデッキが環境入りを果たすのは、長いデュエプレの歴史の中でもそう多くない。
単に三強環境と言うだけでない歪さを、このデッキの存在からも感じ取ることができた。
そうした機運が高まった中で終わりを迎えたレッドゾーンカップの入賞結果は以下の通りである。
【緑単サソリス】の入賞数は43.75%に上り、圧倒的な結果となった。
元の使用率の高さを加味すると、未判明の分を含めれば更に高い割合になると考えられる。
二番手の【黒単皇帝ワルボロフ】でも22.5%と、Tier1と称するには十分な戦果を得た。
次点の【トリガーロージア】と【レッドゾーン】は水をあけられたが、これは前者は回転効率の悪いデッキであることが、後者がツートップに比して潜在的な脆弱性を抱えたことが理由に挙げられる。
それ以外の入賞デッキについては、環境の間隙を縫ったという印象で、三強構造にヒビを入れる期待は薄かった。
以下は、三強環境と名高い、12弾環境の入賞結果である。
【緑単サソリス】の入賞率は、かの【リースNEX】をはるかに上回る。
NDカードプールの狭さによる環境の停滞と、【トリガーロージア】のもたらす対戦時間の長時間化に、賛否の声が飛び交うようになった。
6/27バランス調整実施後
調整対象とされたのは《エンドレス・ヘブン》であった。
メタゲーム自体は許容で、対戦時間の長時間化が問題視されたと見ることができる。(本来、その推測に根拠を持たせるのが公式の調整理由の開示である)
これによって、【トリガーロージア】は第一線から退く運びとなった。
三強の構造はより深まる様相を見せている。
それぞれのデッキの特徴を整理してみる。
【レッドゾーン】
4~5ターンの平均キルターンに、《吸い込む》《クロック》の8枚の受けが標準搭載されている。
ビートダウンとしての基本スペックは、ひとつ前のビートダウンデッキ【シータモルト】と比較しても高い。
出力向上の代償として踏み倒しメタが刺さりやすいという弱点を持つが、現NDの環境ではその弱点を突ける地力を持ったデッキが存在しない。
故に、止める手段はハンデス・除去やトリガーといった正攻法が主流となっている。
先に殴り抜ける手段もあるが、受け8枚以上とカウンター性能を両立するこのデッキを先に貫通することはミラーを除いて難しい。
ここから、【レッドゾーン】にはその他一般的なビートダウンを排除する力があると言える。
また、速度があることで【モルトNEXT】などのリミット系を抑える役目も果たしている。
「【レッドゾーン】に勝つ方法があるか」が始点となるほどに、環境を規定する力は強い。
【緑単サソリス】【黒単皇帝ワルボロフ】との相性は、前者が有利よりの五分、後者が不利よりの五分といったところ。
どちらも構築・引き・プレイング次第でその傾きが変わる。
流れとしては《グレンリベット》などが入った【黒単皇帝ワルボロフ】対策の構築から、《グレンニャー》《アクア・ハルカス》などでリソースを稼いで《ボルシャック・ホール》に繋ぐ【緑単サソリス】意識の構築へと推移してきた。
ミラーは大味となりやすく、先手・後手、特に《トップギア》の有無が勝敗の結果を左右しやすい。
総じて、環境に最も影響を与えているデッキと評価できる。
【緑単サソリス】
《ボアロパゴス》による無尽蔵なリソースと受け、《ギョギョウ》《ラグマール》のロック効果によるコントロール力が売り。
《豪勇者》は破壊耐性によって継戦力を上げ、押しの打点力を補う。
《オチャッピィ》と《次元流の豪力》はカウンターを担うといった形で、多数のシナジーがデッキ全体を構成しており、現環境で最も完成度が高いデッキと言える。
それ故に自由枠は多くなく、構築面で環境に適応させるには高い環境理解力と調整力を求められる。
レッドゾーンカップでは突出した入賞数を記録したが、【緑単サソリス】に対する理解が浸透し、プレイヤーの練度が向上したり、構築が寄せられてきたりすると、相対的な地位は低くなって来ると考えられる。
また、基本の受けが《エウル・ブッカ》の4で《ボアロパゴス》の建設が最速4ターンな点は現環境のスピードとしては適正で、ビート系が十分弱点になる速度である。
【レッドゾーン】【黒単皇帝ワルボロフ】との相性は、前者は上記理由から構造的に不利が付き、後者は有利よりの五分といったところ。
何にしろ、《ボアロパゴス》の設置が肝である点が対面相性にも影響してきている。
強力なデッキなことには変わりないが、掘り下げて見ていけば決して逸脱したデッキパワーを持ってはおらず、弱点はある。
ただし、NDのカードプールの狭さがここを突き崩す可能性を細いものにしているということも否定できない。
【黒単皇帝ワルボロフ】
《皇帝》と《ワルボロフ》による手札と盤面コントロールを軸に戦う。
《タイガニトロ》と《タイガマイト》を絡めた全ハンデス+1除去は最速4ターンで決まり、理不尽性の高さを武器としている。
屋台骨を支えるは多量の墓地肥やしと受けを両立する《シバカゲ》、攻守万能の黒単系マストカードの《ゲンセトライセ》。
《皇帝》+《ワルボロフ》のコンボは非常に高いシナジーを発揮する一方で、このギミックへの依存性も高い。
そのため、ギミックを揃えられない時や、始動できる5マナ到達前に勝負を決められに来ると苦しい。
また、このシナジーの太さに対して他カードとのシナジー性は低く、たとえば《特攻ジェニー》《学校男》などはほぼグッドスタッフの序盤の妨害札として、半ば仕方なく採用されている。
デザイナーズデッキとしての完成度は【緑単サソリス】や先輩にあたる【黒単ヘルボロフ】よりも一歩劣ると言える。
その他、【レッドゾーン】同様に踏み倒しメタも効きやすかったり、不意の《スパーク》系統には守りを抜けられたりと、意外に穴は多い。
ただ、これに関しては【レッドゾーン】がそうであったように、そこを突けるデッキがND上で台頭できていない。
3デッキのデッキタイプと相性関係が強固な三角形を作っていることは前述した通り。
それでも、こうして整理すると共通項として炙り出せる要素の一つが「速度」だ。
いずれのデッキも、強い動きを始める標準的なターンは「4」と比較的ゆとりがあり、キルターンに関してはビートダウンの【レッドゾーン】ですら5を見据えているような状況である。
ここを突き崩せる可能性を見せたのが【ベアフガン】だった。
三強のいずれもが緑のブーストカードを積んでいない都合上、トリガーブーストによって不意に動きが間に合ってしまうということもない。
最速3ターンキルのビート力は、三強のいずれにとっても構造有利をつける脅威の武器とできる。
問題はその安定性にあるため、次弾以降での【ベアフガン】の強化に期待は高い。
もう一つ共通性を見出せるのが「踏み倒しメタ」である。
【レッドゾーン】には言うまでもなく、【緑単サソリス】や【黒単皇帝ワルボロフ】にも一定のラインまでの刺さりが期待できる。
《キル・ホール》の採用率が低下してきたのは、このカードに対するガード意識低下の表れの一つと言えるだろう。
【白単サザン】【白単天門】といった、自然に《オリオティス》を視野に入れられるデッキにはわずかながらも流れが来ている。
だが、これらの前には構造有利を取る【黒単皇帝ワルボロフ】が壁として立ちはだかる。
前述通り、【レッドゾーン】の視線も【緑単サソリス】に向き、三強確立以降【黒単皇帝ワルボロフ】は意識を向けられない傾向にあった。
ここに変化が生じると、環境の風向きが変わる要因になり得ると考えられる。
現環境をTier表にすると、以下のようになる。
評価指標は総合的な強さ重視で、流行度は考慮しない。
ただし、Tier1とTier2の間に横たわる溝は大きい上に、Tier2と3の差は過去環境と比較しても流動的で定めづらく、個人差が出ると思われる。
総じて相性のみで語れない要素を持つデッキが集中する。
新たな可能性の模索も見られる中、ミラダンテカップがどこに帰結するかを見守りたい。
ミラダンテカップ最終TOP100
圧倒的な【黒単皇帝ワルボロフ】環境。
結局、このデッキに対してのメタ意識が向くことはなかった。
メタることが諦められたほどに【黒単皇帝ワルボロフ】が強かったという方が正しいだろうか。
【レッドゾーン】の大敗具合を見るに、【緑単サソリス】にもう幾分風が吹く可能性はあったと感じられる。
結果に大きく影響したという点では、【白青トリガー天門】の存在も大きいか。
それ以下のデッキは明確に強みを持つことはなかったため、入賞はブレの範囲内と思われる。
非常に偏った結果か、はたまたクロニクルパックのテーマを阻害しかねないためか、【黒単皇帝ワルボロフ】はその後規制を受ける結果となった。
AD環境
NDの環境をベースにしつつ、AD特有のデッキが隠し味となる、よくあるADの環境形成がされている。
目立った違いは【レッドゾーン】の入賞率の高さ。
細分化しているが、総計すると22件で【緑単サソリス】に匹敵する数となっている。
これはNDよりも雑多な環境である中、【レッドゾーン】が半端なデッキを狩る力があったためだと思われる。
ADで不動の人気を持つ【モルトNEXT】【5cコントロール】や、ADでもトップの【緑単サソリス】に有利が付くのも理由の一つだろう。
このように、AD特有の性質が薄いデッキが、NDよりも幅を利かすという事例は過去にも多数見られた。
直近の例では【緑単サソリス】【白単サザン】【シータモルト】などが挙がる。
キーワードとなるのは、「速度」と「安定感」と「デッキパワー」。
「速度」はADに蔓延る理不尽系のコンボデッキを先に貫通するために、要件レベルが高くなる。
コンボ系のデッキは高い出力のために準備に時間をし、更にパーツにスペースを取られて受けが薄くなることからも、構造的に速度のあるビートダウンに不利となりやすい。
具体的には4~5ターンのキルターンが見据えられるデッキが、コンボ系を破る際の単純な候補となる。
「安定感」は「速度」の裏付けと共に、ADという魔境の性質とも合致する。
マイナーデッキも含むすべての対面をカバーすることができず、一定の理不尽にも遭遇する以上、勝てる勝負を事故で落とさないための「安定感」の価値は高い。
「デッキパワー」はこれらを包含しながら幅広い対面を見るための自力となる。
机上の相性面を超える結果を出すには不可欠に近い要素であり、「デッキパワー」がデッキを構成するカードパワーの総和の側面がある以上、最新弾のデッキはこれを満たしやすい。
【レッドゾーン】は、これらの要素を首尾よくクリアしたデッキであったと考えられる。
NDでも共通の赤青型は《ハルカス》の上位互換のように使える《電脳の女王 アリス》を入れた構築が多い。
AD特有の形としては、《コダマンマ》(《ヤットパウル》)や《タイム・トリッパー》《エンターテイナー》を使う赤黒も見られる。
もちろん、赤白や赤単の形も候補となり、アレンジの幅による対応範囲は広い。
今後も【レッドゾーン】が一定の割合を占める可能性は高いと思われる。
他のデッキも見ていこう。
次点となる【黒単皇帝ワルボロフ】は、NDと比して若干勢いが抑えられているものの、トップ層のデッキとしては十分な入賞数を持つ。
コントロール系のデッキとして、最新のデッキパワーが認められた。
AD限定のデッキとしては、【黒緑ブリザード】と【黒抜き4c刃鬼】が存在感を保つ。
両者に共通するのは準備が整えば高い殺傷性を持つ「リミット」要素。
【黒緑ブリザード】は、遅いデッキ殺しの代表格であり、コンボ系に分類される。
5~6ターンで《ガロウズ・デビルドラゴン》を絡めたリーサルを見据え、時にはビートダウンも可能。
反面で器用貧乏さと受けの弱い性質を持つため、AD限定ながらにADでも活躍しがちなビートダウンや【モルトNEXT】に如何に向き合うかが課題となる。
【黒抜き4c刃鬼】は、ビートへの耐性を持ったある程度柔軟性のあるタイプで、ビッグマナに分類される。
キルターンは7以降を見る遅いものだが、《調和と繁栄の罠》によって単色のデッキには優位を付けやすい。
《刃鬼》さえ着地が間に合えば、必勝の名に恥じないほぼ100%の勝利が決まる。
一方で黒の妨害を持たない受け身なデッキのため、出鼻を挫かれるとペースダウンが著しい。
単色デッキが超次元レベルでも2色目を採用すると対処に苦しめられるため、周囲の変化に左右されやすい脆さがある。
どちらもデッキ基盤は古びてきているため、デッキパワーの面では優位性を持ちづらくなってきている。
環境を見ながら使用候補に加えるといったところ。
その他、【アガサ天門】や【シータモルト】などはADらしさに加わるが、同様にデッキパワーの不足によって確実に後退し、メタデッキ的な立ち位置に推移してきた。
カード単位のADらしさで言えば《ザビ・デモナ》は26弾環境で注目されたカードである。
自壊効果やトリガーである点が【黒単ソムニスギャロウィン】や【黒単皇帝ワルボロフ】で評価された。
同じく26弾で登場した《キリエ》によって、《エリート》《ジャバジャック》の少し懐かしいパッケージも再度日の目を見るようになった。
変わり種では《完全不明》を活かす【運命アカシック】も少数ながら流行を見せている。
Tier表にまとめると以下のようになる。
三強の煽りを強く受けていると言えど、なお滲み出てくるADらしさのある環境が作られている。
NDにはないその成分は、どこまで三強構造に作用することができるか。
ミラダンテカップ最終TOP100
前期同様に【レッドゾーン】の重みがNDとは違う結果を形作った。
その状況であるにもかかわらず、本来【レッドゾーン】に不利である【緑単サソリス】が数を増やしているのはメタゲームの面白さが見えるところだろう。
とはいえ、こちらでもトップの座は【黒単皇帝ワルボロフ】がかっさらうこととなった。
おわりに
色々と多忙に流されている内に、気づけばミラダンテカップも残り5日というところでの投稿となってしまいました。
記録としての側面がいっそう強いです。
また、遅くなったばかりでなく、内容もいつもと比べて若干短めです。
環境が凝り固まっている故に書くことも少なく…というのが主な理由です。
その割には頑張って書いたつもりですが。
ミラダンテカップの終了は答え合わせにもなるので、余裕があれば三強に立ち向かうプレイヤーたちの記録として、追記は行おうと思います。
それではまた。
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