デュエプレ25弾環境考察
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
以下にて25弾環境の推移と簡単な解説を記録として残していきます。
ND環境
全体概観
先にこちらを貼っておく。
こちらは25弾のリリース直前に、筆者がチーム内チャットにて書いたものをXにてポストした環境予想の雑感である。
リリースから約1カ月ほどが経過して、所感に大きな隔たりはないと感じる。
断っておくが、これを載せるのは決して自分の考察力を誇示するためではない。
主張したいのは、これが多くの人によって推測可能であった未来であり、基本構造を理解していれば見通すことが容易なカードプールである、ということだ。
実際の流れを追って行こう。
リリース当初は【レッドゾーン】の流行が目立った。
目玉カードなだけに発表時から様々な人によってリストが考案されており、オーソドックスな【赤単】から始まり、【赤白】【赤青】【赤黒】といったタイプが試されていった。
採用するカラーによってそれぞれ微妙に対面相性は変わって来るものの、基本はビートダウンなために受けデッキには弱い。
しっかりその役割を任される【白単天門】と【赤青UK】が台頭してきた。
この2つの間での相性関係が【白単天門】側に大きく傾くことから、こちらが特に目立つ格好となった。
25弾実装序盤は【白単天門】がいわゆる”TierGOD”と言えるほどに上位を埋め尽くしており、受けデッキが攻めるデッキを狩る露骨な構図となっていく。
間に割って入ったのが【黒単ヘルボロフ】だ。
除去コントロール的性質は環境随一にして唯一と言えるほどで、その個性を武器とすることができた。
これら4つを中心に環境の大枠が出来上がると、次第にメタ考察の活かされたデッキが台頭してくる。
特筆する一つは【赤緑モルト王】だ。
【白単天門】に対しては《ガイグレン》と《VAN》が、【黒単ヘルボロフ】にはターボからの大型の叩きつけが刺さる。
ビートダウンや【赤青UKパンク】の受けには屈するものの、メタ構築として一時でも後継の【モルトNEXT】よりも存在感を強くした。
前環境のデッキとしては【イメンブーゴ】も帰って来る。
《サイレント・スパーク》の脱落による弱体化は手痛いが、同じく【白単天門】をターゲットに復活を遂げた。
【レッドゾーン】を除けば環境のレンジが後ろに寄っていることもあって、【5cミラクル】の敷衍された【5cデッドマン】もその影を大きくしていく。
《サソリス》も含め、結果的に自然はすべての主要ドラグナーが環境入りを果たすこととなった。
新カードを活用したデッキとしては、【白単連鎖】と【黒単・ネロソムニス】も次第に形を成してきた。
前者は豊富な軽減クリーチャーから《ミラクルスター》《コマンデュオ》《レッドローズ》に繋いで展開し、かつての【ツヴァイ】のように《アルファリオン》をフィニッシャーとして着地させるコンボデッキだ。
軽減獣とのかみ合いや《オリオティス》の環境への刺さりから【白単サザン】に寄った構築見られ、その動きも【白単天門】と折衷するようなものとなっている。
【黒単ネロ・ソムニス】はグッドスタッフコントロールや【黒単ワルボロフ】の形が模索され、落ち着いたのは【墓地ソース】のようなビートダウン型の構築だった。
この2種のデッキは強さは別として、既に存在した白単・黒単という単色デッキに新機軸を持ち込んだ点は評価できるだろう。
その他、【トリガーロージア】【モルトNEXT】【緑単サソリス】【サインシューゲイザー】【白単サザン】といった前環境のデッキが環境中堅として存在。
一見してメタゲームは順調に回り、多様性のある環境に見える。
ヘルボロフカップ最終TOP100
【赤青UKパンク】【白単天門】のツートップとなり、露骨な受け環境であることが示された。
冒頭示した事前考察と比して、【黒単ヘルボロフ】の数が気持ち少ない点を除けば大きな差はない。
では、なぜユーザーはこの容易かった予見を覆すことができなかったのか。
その理由をもう少し深追いしてみよう。
①ツートップによる環境規定力
【赤青UKパンク】【白単天門】、共に25弾リリースによるND落ちのダメージはほぼ皆無であった。
むしろ【赤青UKパンク】は《キリモミ・ヤマアラシ》、【白単天門】は《エンジェル・フェザー》などの調整パーツを入手しており、強化されたと言える。
デッキパワーが高水準でまとまった受けデッキが二つ存在することで、構造不利となるビートダウン全般は前提から苦境に立たされることとなっていた。
②カードプール不足による全体的なデッキパワーの不足
例として【イメンブーゴ】を挙げよう。
25弾での強化要素はほぼなく、代わりに色基盤・受け・ボードコントロール・盤面の調整の多数の役割を担った《反撃のサイレント・スパーク》を失った。
《DNA・スパーク》等でリペアする構築がほどなくして台頭したが、デッキとしての総合値の低下は無視できなかった。
「【白単天門】に有利」という相性的有利の立場を保てても、前環境よりも苦戦を強いられることが必至だったと言えるだろう。
一つ目に挙げた受けデッキの存在感によるビートの排除とも符合してくる点で、「メタゲームを動かす」という【イメンブーゴ】の役割は今弾ではやや重荷であったと考えられる。
この観点から考察できるデッキには【レッドゾーン】もある。
デザイナーズである赤単の構築は、受け優位の環境で逆風が強い。
そこで、受けデッキに有効な《オリオティス》を軸とする白のカードを加える方向が模索され、【赤白レッドゾーン】が誕生した。
だが、赤白の構築を見てわかる通り、最適とは言い難いカードをカードプールの制約から渋々採用している側面が強い。
・ビートダウンであるのに、攻撃できずに引き込む手段の限られた《オリオティス》の採用
・受け優位の環境でカード特性を発揮し切れない《スパーク》の採用
といった点から、【赤白レッドゾーン】というデッキが組まれるには時期尚早なことが窺える。
本質的な強さを持ち得ない、メタデッキに分類されてしまうのが25弾での【レッドゾーン】であった。
③【黒単ヘルボロフ】のメタゲーム的苦境
「ビートダウンが受けデッキに弱い」という構造があるように、「受けデッキはコントロールに弱い」という構造もまた存在する。
それ故、受けツートップの環境であるならば、【黒単ヘルボロフ】がメタゲームを突き動かす役割を本来担う。
25弾では《ブラックサイコ》を迎え、ND落ちしたパーツもないことから【イメンブーゴ】のような不安因子もない。
実際、ツートップに対して【黒単ヘルボロフ】の相性はさほど悪くなく、更に【イメンブーゴ】や【白単サザン】といった中堅層にも強かった。
だが、そうした強みの一方で無視できないのが、【モルトNEXT】や【レッドゾーン】のようなビッグムーブを抱えたデッキにはコントロールが追い付かないという本質的な弱点だ。
考えてもみれば、3ターン目からT・ブレイカーが飛んできたり、7コスト1枚でゲームを終わらたりするほどにカードパワーがインフレを重ねる環境で、6ターン前後に着地する《ヘルボロフ》から下準備を始めたり、10コストの《ドルバロム》をフィニッシュに据えたりするのは冗長と言わざるを得ない。
そこまでを1:1交換が基本の細いハンデスと除去で繋いでいくのは、幾度も運の壁を乗り越えることが求められ、そう簡単なことではなくなってきている。
こうした点から、本来の相性に沿って安定して勝つのが難しいのが現状の【黒単ヘルボロフ】だと評価される。
デュエプレの盤面制限による「そう構築せざるを得ない」【黒単ヘルボロフ】の境遇も、更に一歩踏み込めば見えて来るところだ。
こうした点を踏まえていくと、現環境のデッキの格付け(Tier表の作成)はしやすい。
Tier1群は十分なデッキパワーに加え、
・目立って大きな相性差のある対面が存在しない
・ごく一部を除いて多くの対面に有利主張ができる
という要素のどちらかを持つ。
【白単天門】が一点目、【赤青UKパンク】が二点目に合致し、【黒単ヘルボロフ】はその中間に位置する。
だが、総合的に見た際には前述した理由もあって、【黒単ヘルボロフ】はTier1.5くらいの位置づけの方が適切か。
Tier2群に関しては、
・デッキパワーの不足がある
・動きの安定性(再現性)が低い
・相性差のある対面が複数存在する
といった特徴が当てはまってくる。
【イメンブーゴ】、【赤白レッドゾーン】、【白単サザン】といったデッキがそれぞれ具体として挙げられる。
Tier3群に関しては、よりTier2群の特徴が濃くなったデッキと言えるだろうか。
Tier1群の地位が通常の環境よりも固いだけに、このあたりの流動性は多少強く感じる。
どちらにしても、Tier1との間にそびえ立つ壁は高い。
注目デッキ
これまでの論調から察する人も多いだろうが、現環境は新デッキの出現による大きなメタゲームの変化は起こりづらい環境だと考える。
とは言っても、まったく以て強いデッキが野放しのままに時間が経過していくということもまた、そうそう起きることではない。
先ほどのヘルボロフカップでも、もう1,2日期間があれば、露骨な【赤青UKパンク】【白単天門】を狙い撃ちするデッキ選択者も現れ、結果に揺らぎは出たことだろう。
その波紋を生み出し得るデッキをいくつか紹介しておく。
一つが【5cデッドマン】だ。
なぜなら、受けデッキを倒す役割を、コントロールと共に担ってきたのがビッグマナだからだ。
【刃鬼】の後釜が期待されると言えば話は早いだろう。
ゲームレンジを長く見るデッキが目立つならば、その優位性が強まっていくと言える。
もう一つが【白単サザン】だ。
【赤青UKパンク】には構造有利を取り、【白単天門】に対しても速度で主導権を握りやすい。
【黒単ヘルボロフ】や【モルトNEXT】が不利対面となるが、前者は苦戦を強いられる現状があり、後者は脆さと不安定さ故に勝ちデッキ足り得ない本質がある。
メタゲームの隙を突くには、十分な素質を秘めているデッキだと評価できる。
また、三つ目の白単である【白単連鎖】は、ちょうど【白単サザン】と【白単天門】を折衷するような性質を持つ。
近頃はデザイナーズの構築から《サザン》や《ロージア》を採用するものも見られ、性質のみでなく実態も近づいてきた。
トップTierの【白単天門】に近く、【白単サザン】が注目されるならば、こちらも出世株となる可能性を持っていると言えるだろう。
そして、これらによって環境が動くならば、先に見えてくるデッキに【モルトNEXT】がある。
環境を動かす可能性を持ったデッキの前に立ちはだかる様は、さながら「モルトNEXTに勝てないデッキはデッキ足り得ない」という現環境の門番のような様相を見せる。
ヘルボロフカップでは目立った結果こそ残さなかったものの、今後もベースのレベルで環境を形成する一因になっていくと考えられる。
ドギラゴンカップ最終TOP100
AD環境
全体概観
当初はND同様に【レッドゾーン】が蔓延った。
NDで流行するデッキが、ADでも見られるようになるのは兼ねてより頻発することである。
NDで使用するために、ADで試運転をするという人も多いのだろう。
AD特有の回答として頭角を現すのが、この25弾からAD専用となった【刃鬼】だった。
《調和と繁栄の罠》を《サイクリカ》で使い回す【黒抜き4c刃鬼】が増加し、TCGの歴史を知る人をニヤリとさせた。
このデッキは元々【モルトNEXT】に対抗するべく前環境で現れたデッキであり、【レッドゾーン】が登場してもなお高い人気を誇るそちらにも対処できるのは明確な強みであった。
ほどなくして爆発的に使用率が上がったのが、【黒緑ブリザード】だ。
《ホルデガンス》《ジャーベル》の2枚はデッキの安定感を大幅に向上させ、かつて一時代を築いたデッキの再興に寄与した。
トリガーを封殺する《ガロウズ・デビルドラゴン》が5~6ターン程度で着地するために、ほとんどすべての受けデッキに構造有利を付けることができる。
その人気も相まって、AD環境を規定していく存在となっていった。
ところが、この【黒緑ブリザード】は動きこそ大胆で魅せるものを持つが、付け入る隙がないわけでもない。
打倒【黒緑ブリザード】を意識した、様々なアプローチによって環境が動いていく。
一つは新勢力の【赤単ガトリング】だ。
NDと違って《ボロック》が採用可能なことから、TCGで大型大会ベスト8に輝いた当時の構築をそのまま再現可能となっている。
これまでのどのデッキよりも高い安定感で最速3キルを決めることができ、【黒緑ブリザード】の脆さを突いた。
【レッドゾーン】よりも速度が出ることから、あちらと比べて【刃鬼】を貫通しやすかったのも強みであった。
既存勢力からは【緑単サソリス】【白単サザン】が、シーズン終盤に向けてアップを始める。
これらは前シーズンのモルトNEXTカップで最多入賞数だった2デッキであり、どちらも展開力を売りとしている。
【黒緑ブリザード】よりも速度で勝り、デッキパワーで多方面を見れることから徐々に数を伸ばしていった。
そして、環境の隙を突いたデッキとしては【白緑イメンブーゴ】がひっそりと暗躍を始めていった。
かつての【白緑シューゲイザー】に近い構成で、《ヨーデルワイス》からの《フォーエバー・カイザー》が【黒緑ブリザード】の《ガロウズ・デビルドラゴン》にクリティカルに刺さった。
かねてより存在したデッキではあったが、攻めと受けのバランスの良さで再び注目を集めていく。
その他、環境を特徴付ける要素としては、《竜の呼び声》はじめとしたADならではの強化を得ている【モルトNEXT】。
同等レベルで高い人気を誇り、《リュウセイ・ホール》を筆頭に多色のパワーカードをふんだんに使える【5cミラクル】。
カードプールに制限がないからこそ生まれる【カチュアドミティウス】【カチュアヴィルヘルム】【シバカゲワンショット】。
※【シバカゲワンショット】は4/25付で《インフェルノ・サイン》が殿堂入りしたことから実質消滅
かつてAD環境で覇権を握った【MRC】【ツヴァイ】【アガサ天門】などが追随する形を取っている。
とはいえ、ゲームスピード加速化の煽りを受けているのは否定できず、環境は激変の過渡期を迎えている。
ヘルボロフカップ最終TOP100
大きな構図は【黒緑ブリザード】を中心に、それに対抗する勢力があり、更にそこをメタる勢力があるといった形。
前述通り、【黒緑ブリザード】が環境を規定する力が強い割にはデッキとしての穴が多く、そこに付け入る隙が存在してメタが回っている。
同じことは【モルトNEXT】【5cミラクル】にも共通してくる。
つまり、【黒緑ブリザード】【モルトNEXT】【5cミラクル】を見ることができるデッキには広くチャンスがある環境だと言える。
最終レジェンド入賞グラフの多様性からも、その様子は窺えるだろう。
NDより揺らぐところはあるが、Tier表に起こしてみるとこのようなイメージになる。
構図としては、
・【黒緑ブリザード】が受けデッキの地位を下げ
・ビートダウンが好調な流れとなり
・その合間にメタデッキが入り込む
といった感じ。
全体に共通するのは、大なり小なりコンボの性質を持つデッキの存在が目立つという点で、これはADらしさとも言えるだろうか。
ADの顔であった【MRC】は5コストのホールが起点になる動きに緩慢さが目立ち始め、直近活躍のあった【シータモルト】にもこれは共通してくる。
高い汎用性で長期間デッキの屋台骨であったホール呪文も最早並みのパワーで、それを中心にデッキを組むほどの魅力はなくなってきている。
【シータモルト】においては、グッドスタッフ構築故の弱みも指摘できるだろう。
環境の高速化を垣間見れるところだ。
【ツヴァイ】はトップの【白単サザン】で使用される《オリオティス》などのメタが露骨に効くことから、環境メタデッキ的立ち位置に移行しつつある。
長く固まっていたAD環境にも、たしかに変化の風は吹いてきている。
注目デッキ
前述した理由から、開拓の余地は大きい環境だと考える。
【黒緑ブリザード】を隠れ蓑にしている感があるが、《キリモミ・ヤマアラシ》を手に入れた【カチュア】は高い理不尽性を持つ。
これを起点に生み出せるコンボ・ワンショットに類したギミックは多数存在し、【ドミティウスカチュア】【フュージョンカチュア】【ヴィルヘルムカチュア】【モルト王カチュア】など、枚挙にいとまがない。
今後環境を動かす要因となり得る。
同じく【黒緑ブリザード】の陰に隠れ、まさしく灯台の下にいるデッキとして【緑単ブリザード】もある。
【緑単サソリス】と比して1枚1枚のカードパワーや超次元ゾーンを使えない点で劣るものの、《ブリザード》のデッキを牽引する力は強い。
【黒緑ブリザード】をはじめとするコンボデッキが受けデッキを淘汰する中で、ビートダウン全般に風向きの良い時が来ている。
そのように環境が巡っていくのであれば、再び受けるデッキに流れが来ることもあるだろう。
【赤青UKパンク】はビートダウンとして及第点の速度を持ちながら、受けの固さを兼ねた総合力に定評のあるデッキだ。
次弾でND落ちの決まっているデッキだが、ADではメタゲームの変化次第でまだしばらくの活躍を期待できると考えられる。
ドギラゴンカップ最終TOP100
おわりに
今回からメタゲームの流れについての記載を充実させ、AD環境についても書くこととしました。
理由はしっかり読み込んでもらった時に知見として活用しやすく、AD環境への取っつきづらさの解消に少しでも貢献できたらと考えたためです。
その代わりにサンプルリストの記載は省略することとしました。
デュエプレには最終レジェンドに残った人たちがリストを公開してくれる文化があり、それで十分間に合っていると感じたからです。
最新のリストについては私のXでのリポストや他発信者で賄ってもらって、こちらは記録としての性質を強めて行こうと思った次第です。
この記録が今現在のみならず、いつか振り返る時の参考となればと思います。
それではまた。
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