新カード解説⑤(デュエプレ18弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
18弾の新カードの考察第5弾です。
④はこちらをどうぞ。
指標はこんな感じ。
9点~10点 → 壊れ性能。環境トップレベル。
7~8点 → 優秀。環境でもよく見かける。
5~6点 → 悪くはない。癖があったり、デッキや環境次第で採用される。
3~4点 → おそらく環境では見ない。地雷枠や限定構築に活路を見出す。
0~2点 → 見なかったことにしていい。
基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。
また、評価はするものの、用途の紹介や背景ストーリーでの活躍を中心としていきます。
それでは以下、本題です。
フェアリー・クリスタル
事前評価:5
紙からの変更点はありません。
名前からも想起される通り「フェアリー・ミラクル」の無色版ですが、使い勝手としては「竜の呼び声」の方が近いです。
あちらが採用された『ライゾウ』を考えれば、安定した2ブーストのためには28枚くらいの無色は採用したいところです。
…というところで、緑であるこのカードを使う色がなくなることに気づきます。
無色の役割のメインがフィニッシャーになることからも、多くの枚数を採用することは難しいです。
実際のところは採用できて20枚前後くらいでしょう。
2ブーストの成功率として心許ないですが、これでも緑以外の色を採用するのはかなり苦しい構築です。
イメージされるデッキとしては緑をブーストに振って最低限の受けを積み、素早いゼニスの着地を狙うデッキでしょう。
この後紹介するカードからもその流れを感じるので、もし活躍する時があるとすれば不穏です。
天運ゼニスクラッチ
事前評価:6
FT:一撃必殺!さぁ、こいこいィィィゼニスゥゥゥ!!
紙からの変更点はありません。
見てわかりやすいギャンブル用のカードです。
これによって場に出たゼニスは召喚扱いになるため、強力なcip効果を使用することができます。
捲る前にシャッフルが入るので仕込みはほとんどできず、基本的に運便りな効果です。
成功率は構築で工夫していくことになるでしょう。
先ほどの「フェアリー・クリスタル」と共通して、このカードを入れる=ゼニス率を高くする=無色率が高い=1色程度しか採用ができないという構築に誘導されていきます。
ゼニスは計4種この18弾で登場することが確定しており、今後も強烈な効果を持ったものがいくつか出るので、『緑零ゼニス』などは地雷デッキの筆頭になりそうです。
私が紙をやっていた2014年頃に地雷デッキとして『青ゼニス』が大会で結果を出したことがあり、それを見た友人が大枚はたいて組んでましたが、だいぶ嫌われていました。
上一列はデュエプレにないですが、3コストと4コストのチャージャーです。
無色の未実装のゼニスを入れ替えて、青の枠を緑にするとデュエプレでも近い構築は再現できそうですね。
友人のデッキと同じレベルで嫌がられるものになりそうですが…
また、デュエプレでは「ラッキー・ダーツ」がトリガーを得ており、紙で殿堂している「ホーガン・ブラスター」も「ポジトロン・サイン」も4枚ずつ採用可能です。
これらを4種4枚ずつに「アクア・スペルブルー」とゼニスを大量投入したデッキは考えるに難しくありません。
今までは「バイオレンス・フュージョン」程度しか踏み倒してゲームを決めるカードがありませんでした(それに必要なゴッドが踏み倒せないのも妙でした)が、こちらでは「ゼニスクラッチ」1枚からゲームが終わる可能性があります。
呪文ロックなどの手段を持つデッキでは脅威にはならないものの、逆に手段を持たないビートデッキでは『速攻』であっても1枚のトリガーから負けうるので、地雷としての適性はかなり高いです。
紙だとゼニス1枚1枚が高額だったために誰でも使えたわけではありませんでしたが、デュエプレでは高レアリティ揃いとはいえ、構築ハードルはだいぶ低いですからね。
ほど良い立ち位置に収まってくれるといいのですが…と今から不安です。
天頂秘伝ゼニス・レクイエム
事前評価:3
紙からの変更点はアンタップが強制になった点です。
途方もないコストをアタック・チャンスで補ったオーバーキルを絵に描いたような呪文です。
とはいえ、ゼニスがすべて10コスト以上なことを考慮すると、そうやすやすと唱えることはできません。
最も相性が良いのはこの後紹介する「ウェディング」で、焼却効果のままにワールドブレイクを、チャンプブロックを無視しながら行うことができます。
また、今回は登場しないものの次弾で来るであろうゼニスにはSA持ちもいるため、場に出て即SAワールドブレイクを仕掛けるなどの使い方が可能です。
しかし、それだけのために採用するメリットは極めて薄く、ゼニスが着地する=有利な展開になっているところに追い打ちを掛けに行くようなカードです。
単体でアドバンテージを取らない上に最重量級で、さらに色までないとなるとこのカードを採用する意味はほとんどありません。
紙ではシークレットのレアリティに指定されていた珍しいカードだったものの、デュエプレではUCとなり威光はまったくなさそうです。
「ビックリ・イリュージョン」を殿堂入りさせた張本人とも言われていますが…まあこれがデュエプレに来ることもおそらくないでしょう。
「呪」の頂 サスペンス
事前評価:8
FT:希望の呪縛をかける者、それが「呪」の頂なり。
紙からの変更点は、シールドと手札から合計2枚のカードを選んだものが、両方から2枚ずつになった点です。
背景ストーリーでは「ライオネル」が「鬼丸」と友情を結んでゼニスを裏切ったことにより、それらを滅するべく「ウェディング」と共に降臨したゼニスです。
この2体はそれぞれ光と闇の代表であるエンジェル・コマンドとデーモン・コマンドの文明を塗り替えてしまい、闇のエンジェル・コマンドと光のデーモン・コマンドを生み出します。
「サスペンス」は光のデーモン・コマンドを従え、「ライオネル」との戦いを終えてそう時の経っていないゴールデン・エイジを襲撃しました。
その戦いの最中、「サスペンス」軍の攻撃から「鬼丸」を庇ったゴールデン・エイジ側のリーダーは命を落としてしまいます。
怒りに燃える「鬼丸」は相棒のドラゴンにまたがり、「サスペンス」に立ち向かいました。
ここまでで終わるとまあそこそこ格のある敵なのですが…この後再び「鬼丸」と対峙した際にも彼の成長を手助けする結果となってしまい、E2上のかませ犬と言われています。
紙での性能も他のゼニスと比べてイマイチなもので、呪文の横取りが不確実かつ失敗した場合は2枚のアドバンテージに収まってしまうもので、相方の「ウェディング」と比べて低い評価をされていました。
今回SRからVRに降格されてしまったのも、悲しいながらに納得してしまう人が多かったことでしょう。
ただ、受けた強化はなかなかなものです。
呪文を踏み倒すかは別として、手札とシールド両方を2枚ずつ墓地送りにすることが可能で、コスト換算するならばハンデスが2コスト×2、焼却が5コスト×2の計14コストです。
これに4枚の中の呪文すべてを踏み倒す効果が乗るため、パフォーマンスは相当のものとなります。
「レディオ・ローゼス」が16コスト、「ライオネル」が11~12コスト相当の効果だったことを考えると、2コスト重いなりの効果には仕上がっていると言えます。
効果が2つのゾーンにまたがっていることも特徴で、2ハンデスはシンプルに妨害として優秀で、焼却は実質的なSA2点で攻めの一手になります。
踏み倒す呪文次第でさらなるゾーンに干渉することができ、対面次第では「ゼニスクラッチ」からは踏み倒して最も強い1枚にもなり得るでしょう。
ただし、難点になって来るのはどこまで行ってもそのコスト。
「レディオ・ローゼス」やこの後の「ウェディング」と1マナ、2マナの差と思うかもしれませんが、逆を言えば向こうはこれよりも1ターン、2ターン早くゲームを決める流れを作れるカードなのです。
早い話がこのカードがいくらあれらよりもアドバンテージを取れるとしても、オーバーキルという話になります。
勝つなら「レディオ・ローゼス」「ウェディング」で十分で、普通のデッキで無色のカードがデッキに取れて5枠前後なことを考えると、とてもではないですが「サスペンス」を入れる枠がなくなります。
「レディオ・ローゼス」が手札干渉し、「ウェディング」が盤面干渉してかつマナカーブが続くというところもこのカードの入る余地をなくしている部分です。
入れるとしたら優先度の高いゼニスを入れた後になおゼニスが欲しくなる、前述の「ゼニスクラッチ」を入れたデッキ等にどうしてもなってきてきまうでしょう。
とはいえ、これは基本的にということで、「ババン」などで過剰にマナブーストした段階から投げつけていくデッキでは「サスペンス」の方が輝くということも起こり得ます。
今回の強化はそれだけのものなので、紙での雪辱を果たせると良いですね。
注意点として、手札を墓地に置くというテキストになっていることからうっかり勘違いしますが、マッドネスはしっかり反応するということがあります。
デュエマは某世界的カードゲームとは違って、破壊すると墓地に置くを使い分けたりといったことはないので、わかりやすいのかわかりづらいのかわからなくなるところです。
「祝」の頂 ウェディング
事前評価:9.5
FT:絶望を祝福する者、それが「祝」の頂なり。
紙からの変更点は、効果の対象から「ウェディング」が外れるようになった点です。
これは互いに「ウェディング」を出し合う展開になると千日手のように虚無な時間が流れてしまうことを防止するためだと考えられます。
同じ調整は「コーライル」にもされており、弱体化ではありますが、妥当な措置です。
背景ストーリーでは「サスペンス」と共に「ライオネル」を処刑すべく送り込まれたゼニスの一体です。
「サスペンス」が光のデーモン・コマンドを生み出した一方で、「ウェディング」は闇のエンジェル・コマンドを生み出しました。
事前公開になかったことからこの18弾ではスルーされるのでしょうが、おそくら次弾ではこの新たなデーモン・コマンドとエンジェル・コマンドがメインのラインナップになると考えられます。
さて、「ウェディング」の効果は極めて強力で、相手が選ぶものの一気に4枚のカードを回収困難なシールドゾーンへ送ります。
他にゼニスのようにコスト換算はしづらいものの、相手がよほどのアドバンテージを取っていない限りはこの4枚という枚数は壊滅的なダメージです。
マナカーブから繋がる「レディオ・ローゼス」の後にこれを出すと、相手は手札も場も空という状態に陥るでしょう。
増やしたシールドは自身の焼却効果で以て安全に詰めていくことができます。
「サスペンス」とはマナカーブを繋ぐことで、「サスペンス」の効果で2枚焼却、「ウェディング」の攻撃で3枚焼却と続けて全焼却が可能です。
「ウェディング」に関しては特にこのcipと焼却とゼニス固有のエターナル・Ωの3つのかみ合いは絶妙で、リソースを狩って選択肢を奪い、シールドを焼いて逆転の芽を摘み、エターナル・Ωで一時的な延命も許さないサイクルを1枚で生み出します。
完結性の高いフィニッシャーとして、グッドスタッフ系のマナが伸びるデッキでは広く使われていく強さを持ったカードです。
また、焼却効果は攻撃時のもののため、cipの使えない踏み倒しで出した場合も有効な点は他のゼニスとの違いです。
一度場に出れば圧は強く、早期であれば「サファイア」同様に単騎で攻めていくこともできるでしょう。
ビッグマナ系と相性の良い「永遠リュウ」のSA付与とも相性が良く、不意な「母なる大地」から「サファイア」のように運用させることも現実的です。
これだけ強力な性能を持ったカードへの対策カードは非常に限られますが、一応挙げられるものに「パーフェクト・ギャラクシー」があります。
シールドフォースによってcipを1枚肩代わりでき、離れないブロッカーとして「サファイア」よろしく止めることが可能です。
この時期にはより軽くて場を離れないブロッカーが存在したので、こちらも登場するならば対策の一つとできるでしょう。
また、やはり場に出してから攻撃を開始し、実際にゲームに勝つまでに複数のターンが必要になる点は注意が必要です。
エターナル・Ωによって除去カードを引かれて解決されるということはあまりないでしょうが、この記事の最後で紹介する「覇」はタップしたこのカードを上から取りつつ、逆転の可能性を生み出す要注意カードとなります。
「覇」ならずとも、「ホワグリ」の「プリン」から耐久してマナから手札を増やされたり、ギリギリ凌いだ状況をトップのSAで解決されるということもあるでしょう。
フィニッシャーとしてマナの伸びるデッキに申し分のない強さですが、コストや色、その能力特性からバランスも取れたカードです。
鬼斗マッスグ
事前評価:5
FT:鬼丸も、オレにマッスグついてきてくれ!――鬼斗マッスグ
紙からの変更点はコスト減が強制になった点です。
進化ヒューマノイド版「コッコ・ルピア」と言った感じで、多色にこそなるものの高いパワーで生存力が上がっています。
3→6でヒューマノイドの進化に繋がるので、専らそのために使っていくこととなります。
色の割にハンド消費こそ激しくなるものの、進化の枠にはそれに見合った対価を持つものがあるので、そちらの活躍次第では「マッスグ」も使われるでしょう。
難点は4ターン目以降に効力を発揮するということで、後手を取るとホール呪文による除去圏内に入り、「勝利リュウセイ」によってマナカーブを抑えられる点です。
先手を取っても「吸い込む」は間に合ってしまいますね。
まあ、これらがある環境でシステムクリーチャーは皆同じ難点を持つので気にしすぎることも良くないのかもしれません。
余談ですが、名前の鬼斗はくっつけると「魁」となります。
FTもそれを意識したもので、攻めの起点となるこのカードの性質にはぴったりです。
獣鬼装甲トラマルGGG
事前評価:6
紙からの変更点は進化も出せるようになった点です。
先ほどの「マッスグ」から繋がる進化ヒューマノイドはその種族特性にもあった速攻~中速寄りの動きをしますが、こちらは若干使い方が変わってきます。
攻撃トリガーでジャッジを行って踏み倒すのはギャンブル性こそあるものの、ハンターの超大型を出すことができ、決まった時のリターンは非常に大きいです。
3回勝った時の候補としてはこの後紹介する「覇」があり、攻撃を通すことができればそのままゲームを終えることもできます。
2回で終わった場合も「勝利リュウセイ」などの中盤で出るには十分すぎる強さを持ったカードが候補となり、ジャッジの勝率期待値を考えても安定してこのあたりを出すことは可能です。
後は10コストを超えるあたりにもっと有望なカードがほしいですが、それらは次弾になりそうですね。
「トラマル」は踏み倒しですが、”召喚”と書いてあるのでしっかりcip効果も使えます。
むしろこれらが来るときに一緒に来ると思ったので、先に「トラマル」だけ出てきたのは違和感を感じますが…
進化元としては先ほどの「マッスグ」を使って4ターン目に着地しても良いですが、「爆裂B-BOY」などを使うこともできます。
ジャッジの特性上ブーストも含めた2コストのカードを入れると勝率が落ちてしまうので、構築での工夫は重要となるでしょう。
このカードをサーチできる「モエル・ゴー」の登場も望まれます。
涙の終撃オニナグリ
事前評価:5
紙からの変更点はありません。
背景ストーリーではゴールデン・エイジのリーダーであり、複数の派生が存在するそれなりに存在感のあるカードでした。
「オレワレオ」や「オレオレ・ライオネル」と戦い、最後は「サスペンス」軍の攻撃から「鬼丸」を庇って倒れます。
「涙の終撃」という名前はそのクライマックスを表したものです
が、「オニナグリ」の初出がこれになってしまったことで背景を知らない人にはなんのこっちゃとなってしまいますね…
レアリティがSRからRまで落とされてしまったことも含めて不憫なカードです。
この18弾では「アクア・インテリジェンス」「ヤバスギル・スキル」などの6コスト以下を参照する除去効果持ちが出ていましたが、こちらも同じ6コスト以下の割り振り火力を持ちます。
あちらは微妙なものでしたが、こちらはコストが軽く、割り振りな点とカード特性を考えると若干使い勝手が異なってきます。
進化元がヒューマノイドであることからビートデッキへの採用となり、攻撃をしながら相手のシステムクリーチャーやブロッカーを除去できる性能は優秀です。
コスト参照がインフレに強いこともあって、盤面に低コストしか並ばない内に攻撃していくデッキとしてはかみ合いが良いと言えます。
「マッスグ」の存在からも新しいヒューマノイドデッキは赤黒で組まれていきそうですが、そうすると中速ビートで守りは薄めとなると想像されます。
構造から『速攻』は不利寄りとなるますが、このカードの全体除去効果はそれに報いるものです。
同じ中速対面でも進化元や起点になるクリーチャーを除去しながら進めるため、一部の対面相性を変え得る個性が強みとなります。
しかし、やはり7コストサイキックをはじめとして効かない対面にはとことん効きづらく、ただの打点でよければ3コストの「ヴァルボーグ・なう」や、この後紹介する1コスト重い分強力な「爆」を使う方が良いです。
『ヒューマノイド』のデッキで調整枠として入って来るカードになると考えられます。
黄金世代 鬼丸「爆」
事前評価:8
FT:カシラに迷惑はかけねぇ!――黄金世代 鬼丸「爆」
紙からの変更点は以下。
・耐性が破壊から離れる時になった
・表向きにしたカードがデッキ下に行くようになった
・進化元を出す効果で進化を出せなくなった
基本的には強化を受けたと言ってよいでしょうが、VicのレアリティがVRにまで落とされてしまいました。
枠の関係とはいえ、さすがに悲しいものがあります…対戦した「ライオネル」はVicのままなんですけどね。
背景ストーリーではところどころで触れてきたゴールデン・エイジに参戦した双子の王子の一人「鬼丸」の成長した姿です。
「ライオネル」と友情を築き、「サスペンス」に立ち向かっています。
性能は進化とはいえ6コストのT・ブレイカーが強力で、そこに二重の強固な耐性も付いてきます。
デザイナーズになっている「マッスグ」からこのカードに繋ぐと序盤から高い打点で相手に圧を掛けることが可能です。
トリガーを踏んだとしても構築次第では高確率で生存でき、仮に除去されても進化元が残ることである程度の継戦力が維持されます。
特に今回破壊から離れる時へ変化されたことが大きく、「吸い込む」や「母なる大地」などに耐性を得たために相当にこのカードの生存率が上がりました。
生半可なコントロールでは4ターン目に出てくるこのカードを受けきれないということも大いにあり得るでしょう。
レアリティが下がったことで、全体的なデッキパワーが低くなるVR以下ルールなどで使えるようになった点は面白いところです。
問題になってくるのは、やはり「マッスグ」のところにも書いた安定した着地です。
最速4ターン目になることから先手後手であっさり着地を阻止されることも多いでしょう。
デッキがシンプルなビートダウン方向になることから着地が遅くなるほどに勝ちの目が薄くなっていくので、デッキとして強くするにはこの弱点はどうにか克服したいところです。
ただ、逆を言えば先手を取って順調に「爆」が着地すると、巻き返しの困難な状況を作ることができるとも言えます。
優秀な耐性を持つものの、それらの宿命でもあるように「プリンプリン」には要注意です。
このカードは本当に万能ですね…
「ホワグリ」と「プリン」で耐久しながら「オレドラゴン」の着地にこぎ着けられ、耐性を無視した無限攻撃で殴り切られるまでが見えます。
背景ストーリー上で弟の「爆」が姉に押さえ付けられる格好となるのはちょっとニヤけますが。
勝利宣言 鬼丸「覇」
事前評価:10
FT:カシラの遺志はオレが受け継ぐ!――勝利宣言 鬼丸「覇」
紙からの変更点は、EXターン中のEXターンが取れなくなったことです。
背景ストーリーではゴールデン・エイジのリーダーである「オニナグリ」の最期に奮起した「爆」が、相棒であるドラゴン(「鬼無双 カイザー勝」というカードですが、現時点で未公開)に跨った姿です。
「サスペンス」を倒し、逆転劇を遂げました。
見てわかる通りの強力なフィニッシャーであり、紙では登場から1年半ほどのそう長くない期間で殿堂入りを果たしました。
今回のEXターンを連続して取れない調整は、名前の読みがビクトリー”ラッシュ”であることからも昔から触れている人には少々引っかかるものがあります。
まあ、ゲーム体験を考えたら至極妥当なので、あまり苦言を呈するのも良くないでしょう。
ジャッジに負けてしまえば「サファイア」の劣化とも言える性能になりますが、勝った時のリターンは勝利を決定づけるほどに強力なものです。
攻撃トリガーなもののSAであることから奇襲性も高く、相手の攻撃をしのいだ返しにタップされたクリーチャーに攻撃すればまさに逆転の狼煙となり得るでしょう。
前述した「ウェディング」の突破手段としても有効で、EXターン中にEXターンが取れずに良かったと思わされます。
なお、「ボルバルザーク」同様EXターン中でなければ1ターン中に重複してEXターンを取ることは可能なため、複数の「覇」展開や「無限掌」、ドラゴン・ゾンビの攻撃中に「ドラゴン・ボーン」を唱えて「バベルギヌス」を出し「覇」を再登場させて再攻撃、といった絡め手は考えられます。
オーバーキルなので現実性はなさそうですが、ビルドコンテストなどでは参考になりそうですかね。
採用先は主にマナが伸びるビッグマナ系統になってきますが、こちらはゼニスと違って踏み倒しにも対応することから「母なる大地」を採用した『Nエクス』のようなミッドレンジの派生にも採用を見込めます。
決定力の高さから紙では『刃』に採用されたこともあり、「大番長」や「エクス」を絡めて起こしたマナと「俊足の政」で山をある程度高コストに固めて、安定したEXターンを取りながら攻める戦術が取れました。
もちろん「ホーガン・ブラスター」などの踏み倒しギャンブル系とも相性がよく、ちょうどこのE2で再録されていた、デュエプレ未実装のさらなる踏み倒し手段の可能性も思わせます。
また、種族としてもサポートの多い4つを持ち(4種族持ちは初)、その中にはエリート種族のコマンドとドラゴンもあることで、息の長いデッキの候補となってきます。
『ライゾウ』では無防備に3点を割っていることが多い以上、確実性の高い「サファイア」やロック性能のある「永遠リュウ」に枠を奪われそうですが、「バベルギヌス」を使ったアタキャンからEXターンを取りに行ったり、「ライゾウ」が引けない時のサブプランとして優秀です。
…とまあ、度々「サファイア」と比較してきましたがつまりはそれに匹敵する、あるいはそれ以上のカードということです。
極端な話がこれまで「サファイア」が入っていた枠がこのカードに取って代わられることになるので、採用先に事欠かないことはここからも言えるでしょう。
ということで、あちら同様にヘイトは買いやすいと言えます。
ヒロイックな人気と共に、インフレするカードゲームのフィニッシャーとしての宿命のような部分もあるので複雑なものです。
かつての「ボルバルザーク」が入念な調整の上で殿堂入りを果たしましたが、同じEXターン能力を持つこちらはどうでしょうか。
一定の活躍は間違いないでしょうが、「母なる大地」なども含めて不安要素も多くあります。
踏み倒し手段と踏み倒しのどちらに問題があるのか、という議論も起こり得るかもしれませんね。
この18弾で登場するカードとしては、レアリティ・強さ共にトップクラスのカードとなりそうです。
おわりに
「ウェディング」「覇」という18弾の看板となるカードも公開されました。
いよいよリリース日が近づいてきたのを感じさせます。
ゼニスがどういった方向性で構築されていくか、全体的にレアリティの降格が目立った『ヒューマノイド』がどうなるか、「覇」の調整は適切なものか…
などなど節々に不安を匂わせてしまいましたが、やはりカードゲームの醍醐味であるプールの追加は非常に楽しみです。
読んでくださってる皆様にも、不安以上に期待を持ってほしいと思います。
次の⑥でおそらく最後です。
よければそこまでお付き合いください。
それではまた。