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デュエプレ19弾環境考察(NEW)

※全文無料です。気兼ねなく。

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

以下にて19弾環境の推移と簡単な解説を記録として残していきます。

シーズン終了直後に随時追記予定です。

全体概観

19弾は18弾に続けて紙のE2の後半にあたるカードを中心に収録されている。

E2は背景ストーリーが重厚で、2つのエキスパンションでの収録は難しいかと考える筋もあったが、そんな心配をよそにストーリーが完結するところまでのカードが収録された。

そのためか、19弾はこれまで以上に紙で活躍の目の薄かったカードを削ぎ落しており、優秀だったカードでもレアリティを下げて収録内容のバランスを取っているように見受けられる。

全体的なカードのレベルは高く推移しており、様々なデッキの登場が全カードリスト公開の時点から期待された。

カードパワーの高さの割にレアリティが降下されたカードたち
いずれも強力なカードに変わりない

…が、蓋を開けてみると環境を染め上げたのは「メイ様」だった。

使用感を試すまでは何とも言えないと評価された「メイ様」だったが、1ターン目からの置きブーストはやはり正常ではなかった。

緑あるところに「メイ様」ありという潮流を生み、19弾目玉カードである「刃鬼」をフィニッシャーに据えた『シータ刃鬼』から18弾の環境デッキであった『4cメンチ』『アナカラーザビミラ』『ババンディメンジョン』『ターボゼニス』などに広く採用されていく。

どちらが先に「メイ様」を出せるかという展開が多発し、”先1メイ様”という言葉がTwitterのトレンド入りするほどに話題となった。

だが、「メイ様」を採用した構築に露骨な特徴が見えてくると、即ちそれは弱点としても露見してくる。

①構築制限が強い

「メイ様」の最大値が1ターン目のプレイであることを考慮すると、初手に「メイ様」+緑単色1枚が必要となり、このために緑単色を増やそうとすると採用候補となるカードが限られてくる。
似通った構築は対策がしやすいだけでなく、構築間での格差が付き、結論(「メイ様」を使うならこのデッキが最も強いという答え)が出ると他は淘汰されやすい。

②安定する方法はない

色配分に気を遣ったところで、結局は1ターン目に引けるかどうかに左右されてくる。
1ターン目の強い動きと2ターン目以降のデッキ出力の漸次的低下は天秤にかかっており、ことここに関しては運以外の要素がない。
後手2ターン目に「メイ様」が死に札となっているケースも少なくなく、試行回数による安定性がモノを言うランクマッチの場に適切な性能とは言い難い。

③対策札が十分と言えないながらも存在する

1コストブロッカーの前では無用の長物となり、黒の入ったデッキには「キクチ」が追加され、メタの古参としては赤の「ジェットドリル」もある。
これら1枚で「メイ様」の出力は大きく下げられ、同時に「メイ様」をプレイしていた場合はアドバンテージロスも痛手となりやすい。

こうした隙を突いて台頭してきたデッキには『リキッドピープル』があった。

「アクア・ガード」による根本的な対策ができるのはもちろん、採用選択肢となるカードも幅が広い。

それでも低コスト帯にはカードパワーの低めなカードは目立つものの、「アクア・エリート」と豊富な進化獣がそれを補って余りあるデッキパワーを生んでいる。

メタ枠としての「ゴーゴンシャック」もあり、仮に「メイ様」に環境が染まらずとも覇権を取り得るデッキポテンシャルがあったと言えるだろう。

採用カードの1枚1枚に絶妙な趣の見えるデッキにまとまっている。

時を同じくして台頭してきたデッキには『アガサ天門』もあった。

とにかく「アガサ」さえ着地させてしまえば相手にはめられる枷は強固で、シールド内容に左右されることこそあるものの高い強度を持つ。

相手の「メイ様」による過剰ブーストも、その先の行動で越えられない壁を築けるならば問題がない。

大ブースト環境であった17弾でも加速手段を持たない『ルドルフ天門』が環境で一矢報いていたのは重要な知見だ。

白緑をベースとして青を加えたトリーヴァ型や、『天門』構築の王道であるドロマー型、唯一無二な性能を持つデモコマとして「ボルメテウス・ブラック」がタッチされた構築も見られる。

比較的盾の薄い環境でジャスキル+2くらいの打点を揃えれば攻め切りやすく、「ヘブンズ・ゲート」の守りと攻めを両立する特徴が改めて際立った。

その頃、一歩先のメタゲームを読む形で頭角を現すデッキがあった。

闇のエンジェル・コマンドを展開する「ウェディング・ゲート」を軸とした『祝門』である。

ハンデスの刺さり具合から青黒ハンデス的な構築が始発点となり、より早期に「チャーマジュン」→「オレオレ・ダークネス」のコンボを叩き込むために緑を加えた黒緑やネクラ、ミラーに強く出るために「ベルリン」や「ガガアルカ」が加わるドロマーへと様々に派生した。

「ウェディング・ゲート」のカウンター性能は元祖の「ヘブンズ・ゲート」に引けを取らず、「スター・イン・ザ・ラブ」+「オレオレ・ダークネス」のパッケージが、展開とリソース確保を両立するデュエルマスターズの基本戦術に対して刺さる強みとなっている。

一歩踏み込んで見ると、

・「永遠リュウ」のようなアドバンテージを稼がないマッドネスに対する脅威性が薄い
・「スパーク」+SAによるカウンターリーサルをもらいづらい
・比較的受けの薄い環境でジャスキル+2くらいを作ると貫通できる場面が多い

といった細かな要因も見えてくる。

このデッキを語る上で欠かせないのが「チャーマジュン」と「オレオレ・ダークネス」の存在だ。

「チャーマジュン」は潤滑油となりながら後続の早期着地に貢献し、「オレオレ・ダークネス」は威力の高いハンデスを叩き込みながらスレイヤー持ちの「永遠リュウ」を超えるパワーが居座る。

この2枚ともにグッドスタッフ性が高く、『祝門』に限らず出張セットとして採用するデッキも見られるようになった。

ただし、弱点もあって緑の入らない『祝門』であればハンデスが行えるのは5ターン目以降であり、それも「チャーマジュン」に依存することとなる。

ミラーの場合には先手後手によるどちらが先に「オレオレ・ダークネス」をぶつけられるかが差になりやすく、これがマナブーストによって先に着地させる緑入りの構築が派生する要因でもあった。

だが、同じことをするならば、より安定したマナブーストのできる構築で「ガチンコ・ジョーカー」によるハンデスを撃つ方が容易い。

そうした流れを受けてか、再度注目を浴びるようになってきたのが、『シータ刃鬼』に闇の加わった、通称『黒刃鬼』だ。

直近で優秀な評価の続くシータ基盤に、新規の強力な黒のパワーカードが加わって、グッドスタッフ構築らしく見られる範囲は広い。

次第にシータ基盤の構築で組むならば『刃鬼』という一つの答えが見えてきた。

「メイ様」から始まった環境はこうした遷移を経て、ビッグマナの『刃鬼』、ビートダウンの『リキッドピープル』、コントロールの『祝門』、そして天門の『アガサ天門』の4強にひとまず収斂してくる。

出典元:2023/4/10 ND環境調査レポート | BEANS/デュエプレ環境調査・攻略

とはいえ、これらの4デッキの環境網羅性が高いかと言われればそんなこともない。

まったく別種のデッキでの上位報告も挙がっており、定まり切っていない環境での抜け道は模索されている。


注目カード紹介

現環境でさほど目立ってはいないが、十分なパワーのあるカードと、19弾に入って評価の上がったカードを紹介。
こうした評価の機微に敏感になることがデッキ構築やチューニングの上では重要な場合が多い。
なお、最新弾からリリース順にNDで使用可能な14弾までを書いていく。


・偽りの王 ナンバーナイン

呪文ロックが弱いわけがないというのは当然のこと。
現状コストの軽さもあって「ガガアルカ」で十分とされる環境だが、隙のない効果は単体として高い性能と言える。
ビッグマナ系で白が絡む場合、そうでなくとも「母なる大地」を活用するデッキでは常に採用視野に入れるべきカード。


・神滅無双デラット・バラッド

標準に近いパワーを持ちながらcipで除去を放ち、その後はキング・コマンド・ドラゴンの2軽減として残る効果は間違いなく強力。
格別な強さを持った「ヴィルヘルム」にマナカーブが繋がり、この繋ぎをされればひとたまりもないという対面も多い。
今環境「ヴィルヘルム」のデアリカラー3色のデッキには必然的に青が加わり、その4色あるいは5色のカラーリングが構造的に立ち位置の悪い環境であることから、こちらも採用率は低い。
が、流れの変化があればいつでも化けうると言える。
「戦慄」を軽減するほか、「ヴィオラ」や「ナンバーナイン」を軽減する点も見逃せない。
複数の役割が持てるカードは強い。


・その子供、凶暴につき

コスト相応のパワーを持ちながら小さくないメリット効果を2つも有す、相当に高いカードパワーを持ったカード。
効果をフルに活かせずとも及第点なスペックであり、『ワイルドベジーズ』が復権した時のSA・進化メタとして使ったり、「チャブル」を走らせても良い。
前期のND環境ではこのカードの最も適したミッドレンジビートのデッキタイプが『リキッドピープル』くらいしかないために採用先に苦しむが、翻ってこのカードを採用した『リキッドピープル』に有利を取るデッキを組むことはそう難しくない。


・「祝」の頂 ウェディング

元々それなりの評価のあったカードだが、直近でまたわずかながら上昇している。
グッドスタッフ的フィニッシャーとしての役割を任されるシーンが増え、『天門』『祝門』といったデッキに対する回答ともなりやすい。(ただし、自力で出直してくる「アガサ」と上から叩かれる「覇」には注意)
ターボできるデッキでは前以上に1枚、2枚の採用をする価値が出ている。


・勝利宣言 鬼丸「覇」

こちらも「ウェディング」同様、前弾でも最前線のカードだったが評価を上げる。
守りの薄いデッキが一定数存在する環境でEXターンによる急襲は通る可能性が高く、前以上に”トップ「覇」で逆転”という状況は多い。
場合によってはこのカード一枚と追加のSAだけでリーサルを通されることもあるため、赤の入ったデッキと対面して10マナ域に到達される際はより慎重になる必要がある。


・光器パーフェクト・マドンナ

守りの薄い環境で、離れないブロッカーという特性がリーサルずらしとして強力。
特に豪快な除去効果を持つ「スター・イン・ザ・ラブ」で除去されない点は相手に使われても自分で使っても強く、種族にエイリアンを持つことから極めて生存率の高い「ガガアルカ」の進化元にもなる。


・モエル 鬼スナイパー

「キクチ」「チャーマジュン」によって3000以上火力の価値が上がっている。
このカードは1000上回るが、環境が回った際に「その子供」や「ZABUUUN・クルーザー」なども対象とできる。
呪文でないため、「ゴーゴン」の影響を受けないのも大きい。
攻撃可能なトリガーという点も大きく、現環境トリガービート寄りのデッキを組むならばまず目を付けたいカード。


・ライフプラン・チャージャー

強力なライバルである「フェアリー・シャワー」が登場にもかかわらず、むしろ緑単色であることとサーチ力の高さが『アガサ天門』で高評価を受けたカード。
「キクチ」のメタ効果の範囲外になる点や「メイ様」とかみ合いが良いことも優秀で、想定外の出世と言える。


・アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>

超次元の最優秀カードとして出せるデッキならほぼ確実に入るカードであるが、「Nワールド」の採用が減ったことで以前以上にドローソースの役割を任される機会が増えた。
ハンデスを行うデッキはこのカードを処理する札も併せて持った立ち回りをするのが基本。
守りの薄い環境で、殴り返しを受けない効果も地味ながら評価が上がっている。


・超次元ボルシャック・ホール

「鬼スイナイパー」で触れたように、3000以上の火力が刺さる環境になっている。
元来サイキック展開のおまけとして使えるにはおつりが来るほどパフォーマンスの高い効果で、展開できるクリーチャーの択も勝利シリーズ全対応と悪くない。
小型サイキックのばら撒きも以前よりする価値が出てきた。
「ゴーゴン」に引っかかってしまう点だけはネックだが、以前までの環境よりは明らかに強く機能する場面が増えている。


・ヘブンズ・ゲート

このカードも常に強いカードだが、シンプルな大型2体展開による打点形成という点での価値はこれまで以上になっている。
主流の「アガサ」は自身の効果による追撃性能がこのカードとシナジーしているとも言える。
「エル・ドラード」をはじめとして選択肢は十分考えられるほどには揃ってきた。
仮に「ルドルフ」が規制を受けていなければ、『ルドルフ天門』は現環境でもかなり戦えるデッキだったと想像できる。


・翔天と天恵の声援

『リキッドピープル』への刺さりは当然のことだが、トリガー付きのブーストということに改めて着目したい。
汎用的なターボ札として「フェアリー・シャワー」が加わり、これまで加えれば最大12枚のトリガーブースト札をさほど構築を歪めずに採用することが可能になった。
現実的な計10枚ほどの採用でも盾に1枚以上埋まる確率は80%近くあり、1枚目のブレイクでトリガーする可能性でも25%ある。
ビートダウンがターボ系のデッキと対面する際に、無視できない要素として理解しておく必要があるだろう。


・激相撲!ツッパリキシ

『祝門』『アガサ天門』『刃鬼』など、タップキル戦術を取るデッキは意外に多い。
そうした中で、主にミラー時にパンプアップの差は勝敗を大きく分ける要素として存在感が出てくる。
このカードはそれ以外にもエイリアンという「ガガアルカ」の強い環境で大事な性質を持つ点も見逃せない。


・予言者ヨーデル・ワイス

前環境大活躍のカードであったが、今環境では”耐性を付与する5コスト3打点”という意味で評価の比重が変わって来たと感じる一枚。
特に
・守りの薄目な環境
・「スター・イン・ザ・ラブ」の全体除去効果
があるということで、耐性持ちカードの価値は上昇していると言える。
このカードがメインで使われた『4cメンチ』はもちろんだが、用途を変えてみてのデッキ構築も大いに可能だと考えられる。


・クリスタル・スーパーパラディン

『リキッドピープル』での採用がメインだが、効果発動のタイミングが活躍の是非にかかっている点は注目したい。
このカードによるダイレクトアタックを阻止できる『アガサ天門』における「ダイイング」や「ボルメテウス・ブラック」、『祝門』における「ブラック・オブ・ライオネル」などはそれだけで意味があると言える。
「アクア・エリート」とのシナジー性は高く、場合によっては出張も視野に入れることが可能。
サイキック除去効果はバウンスでなく直接超次元ゾーンに戻すことから、「キル」に対しても有効な点は注意。


・超次元ガロウズ・ホール

除去と展開が両立できるカードは「ガード・ホール」や「デス・ゲート」など限られ、このカードは青単色である点に強みがある。
「永遠リュウ」や「スター・イン・ザ・ラブ」を退かしながらSAでとどめを刺す芸当はこのカードならでは。
「アガサ」から踏み倒しても奇襲性が高い。
採用先に悩まされるカードであり続けるが、パワーとして十分なものがあることは常に意識すべきカードである。


・ボルバルザーク・エクス

このカードが弱いと言えることは遠い将来に渡ってそうない。
ミッドレンジビートが『リキッドピープル』以外に存在しない点で活躍の場がないものの、盾の薄い環境でのタダ出しSA2点が強い場面は多い。
赤緑の多色である点が今環境メリットに働きづらい点も少々気になって来るか。


・時空の不滅ギャラクシー

耐性持ちのクリーチャーの立ち位置が良くなっているのは前述の通り。
このカードはサイキックということで最も手軽に出せる選択肢の一つと言える。
「スター・イン・ザ・ラブ」の影響で種族にも意味が出ており、マナカーブの繋がるところで「ガガアルカ」の進化元になる点も優秀。


・悪魔神グレイトフル・デッド

『天門』『祝門』がいる中でコントロール同士の対戦で長期戦が見られ、ハンデスも多用されることから回収効果が活きやすい。
墓地リセット代表の「Nワールド」も減った。
離れた時効果も実質的な耐性として機能しており、今環境このカードをプレイされると困るという情報は意外に増えている。
採用先がネックになる点は相変わらず。


・大神砕グレイトフル・ライフ

「グレイトフル・デッド」と類似した理由から評価が上がっている。
こちらは追加して役割を終えた「メイ様」を進化元にできるということも評価点。
『アガサ天門』などでは現実的に採用を考えられる。


・悪魔神王バルカディアス

大きな変化はエンコマ、デモコマが再度テーマ化したことで、進化元が拡充したということ。
「チャーマジュン」による軽減も入り、以前よりも出しやすくなっている。
「チャーマジュン」+「オレオレ・ダークネス」の出張セットに組み込んでみるのも良い。
効果の強力さは言うまでなく、採用可能なデッキのミラーマッチで輝く傾向うにある。


・ガンヴィート・ブラスター

コストこそ重いものの、パフォーマンスの高さには以前から定評のあるカード。
たとえば『アガサ天門』の「アガサ」や『祝門』の「チャーマジュン」等、盤面と手札の両側から圧を掛けてくるデッキが現環境に多い。
盤面に触れば手札から、手札に触れば盤面からアクションという挟撃的な状況が生まれやすいが、このカードはその両方に干渉することができる。
”1枚で2ゾーン以上に干渉できるカードは強力”という定説が活きる環境となってきたと言える。


・予言者ラ・ターユ

ハンデス対策といえばより汎用的な「ベルリン」がいるが、黒を含まない『アガサ天門』の台頭もあって白単色である点で活きるようになった。
白緑というリソース確保に乏しいデッキの構造的弱点として、ハンデス対策のできるカードは目を向けてみる必要がある。


・時空の喧嘩屋キル

シータ基盤は未だに環境の中心であるが、火力除去が減ってバウンス除去が多い環境であることに変わりはない。
現環境はパワー6000以上の大型獣が採用されるケースが多く、このカードの覚醒がしやすい盤面が度々ある。
また、度々触れてきた守りの薄さに対して「セツダン」の2打点が輝くことも多い。
2コストサイキックとしては「チャブル」が優先されがちだが、こちらを優先するメリットもあることは覚えておきたい。


ライオネルカップ最終TOP100

詳細については動画化しているのでそちらへ移譲。

ついでにADの動画も。

近頃AD環境については記事化できていないが、動画という形でもカバーして行けるなら越したことはない。

入賞者のツイートまとめは以下から。

公開して下さる皆様に改めて心よりの感謝を。


ベートーベンカップ最終TOP100

20弾の新カード評価動画等で多忙を極めたために更新が遅れ。

情報としての鮮度も落ちたため、後になると思い出させなさそうなことを簡易的に。

若干従来よりもフィーリングに頼る部分があるところも容赦していただきたい。

全体的な特徴として、複数のデッキを使ったという人が例月よりも多く感じた。

厳密に数えたわけではないあくまで感覚での話だが、信じてもらえるなら2年集計を取って来た肌感覚を拠り所としたい。

理由は飛び抜けたデッキがなく、環境上位の定番デッキが団栗の背比べ状態にあったからと見る。

良く言えば4強くらいでバランスは取れていたが、悪く言うとマッチングとブン回りによるジャンケン的なところがあった。

言ってみればどれを使ってもさほど変わらないという側面があり、それゆえコロコロとデッキを替える人が多かったのではないか。

単一デッキを使った人の中では、『リキッドピープル』が比較的多いと感じた。

次いで『アガサ天門』だろうか。

傾向としては『リキッドピープル』は最も運に惑わされず、「メイ様」に気を揉む必要性も比較的小さいことから、幅広い層で好まれた。

このデッキを極めて、ツキの波が来るまで潜り続けるというのは一つ正解のプレイ指針だったと言える。

『アガサ天門』は終盤が近づくにつれて「ザビミラ」や「母なる大地」を搭載した型が徐々に増え、NDでも「ボルメテウス・ブラック」を入れる型も見られたりと、ミラーに如何様に対処すべきかという変遷が見られた。

とはいえ他対面に対しての相性が大きく変わるわけではなく、一貫して『リキッドピープル』や『MRC』に不利ながらも一定層に好まれて使われた。

環境トップのデッキに不利がついても高いシェアを持ち、その上で結果まで残したのは玄人好みなデッキであったことの裏付けのように感じられる。

※2つ目はADの記事だが、視点は十分に活かせるため引用する。

『刃鬼』は19弾のリリース当初から環境中の相性に歪さを拭えない、Tier2デッキという位置を貫き続けたように感じる。

基本構造で『リキッドピープル』と『アガサ天門』に不利が付き、どちらかに寄せればどちらかに不利が付いたまま。

その他の緑が入って来るデッキと対面した時は「メイ様」に祈る展開になり兼ねない。

圧倒的に相性が悪いという対面はなかったものの、五分~五分以下が多く、そうした特徴を2か月の間に拭うことはできなかった。

ただし、入賞数15件というデータは見逃せない。

この事実は単に母数の多さで取った勝利とは言い難く、ベートーベンカップ後の自己反省会は専ら『刃鬼』というデッキとは?という点に集約された。

もっとも、20弾カードの紹介が既に始まっていたため、十分な考察はできないまま終わっていった。

未だに私はこのデッキが15件の入賞を果たせたことを、あるいは自分の集計方法(使用されたと報告のあったデッキはすべて数える方法)が招いた幻想なのではないかと思う感情を拭いきれずにいる。

ただし、ライオネルカップからベートーベンカップに移行するにかけて復権を遂げた『MRC』に対して強く出られた点は必ず作用しているだろう。

その『MRC』はベートーベンカップの開始から少し経った頃に流行の兆しを見せ、最後まで駆け抜けることができた。

「ボーン・スライム」を入れて「メイ様」をメタる構築から、前月ADで活躍したクリーチャー型、果てはハイブリッド型までの研究が短期間で見られ、『MRC』を好んで使う人にとっては刺激的な期間であったのではないかと考える。

ND落ちの未来がちらつき、デッキを構成するカードたちの相対的なパワーの低さが見え始めたものの、すべてを包み込むように煉獄邪神は偉大だった。

デッキについて触れるのはここまでにするが、ちょうどデュエプレ選手権という公式イベントが重なったこともあり、その調整録を投稿する者がちらほらと見られた。

その他にも拝見した記事はいくつかあるが、紹介はこれのみに留める。

”大きな目標に臨んだ者の記録”というのはまさに十人十色であり、誰一人として似通うことがない。

この3つに目を通す(見比べることはない)だけでも、内側をあたためてくるものを感じられるのではないだろうか。

そうした熱量が、終盤のランクマッチ環境にも流れ込むのをぼんやりと感じていた。

これを書く5/25の深夜、もう半日少々経てば20弾がリリースされてこの環境は過去のものとなっている。

19弾はデッキが大きく刷新された環境であったが、どのような様相を見せてくるのか、期待と瞼の重さが闘っている。

公開して下さる皆様に改めて心よりの感謝を。


環境デッキリスト

リストの作成には上記最終TOP100の公開者をはじめ、日ごろTwitter上で情報公開して下さる方々や、note等記事を書いて下さっている方々ものを参考にしている。

また、環境の趨勢については下記BEANS様のサイトを、デッキリストの作成にあたっては画像からデッキコードの発行を行えるCoco様の下記PictDeckerを活用させていただいている。

多方面に心より感謝を。


刃鬼

主流なのは『シータ』と白以外の4色で構成された『黒刃鬼』。

『シータ』は「メイ様」を入れる枠があることと、「Nワールド」「ガンリキ」「スーパーヒーロー」「ババン」などの自由枠があるところが利点。

「母なる大地」と「ディメンジョン・ホーン」を加え、旧来の『ババンディメンジョン』と折衷した形も見られる。

『黒刃鬼』は「ガチンコ・ジョーカー」と「ヴィルヘルム」による妨害手段を持つ。

「メイ様」を採用した形がよく見られるが、1ターン目からプレイするのは安定しないため、2コストブーストから繋いでの3ターン目で「眠りの森」面をプレイすることも視野に入れる。

防御力の薄い基盤として環境上に不利を取る対面が多いが、「メイ様」を早期にプレイできた場合、それらの相性構造を変えてしまう側面があり、評価が難しい。

また、起因して「覇」のヤケクソリーサルなども通りやすく、弱点の一つとなっている。


リキッドピープル

ビートダウンの筆頭で、青単構築が基本になるが稀にタッチ白をしたものも見られる。

その場合は「アクア・スーパーエメラル」が仕込み役として候補になる。

特に3コスト帯に候補となるカードが多く、いずれも有望な択が揃っていることから個性を出しやすい。

プレイングにおいても刻みや溜めのタイミングがあって、浸透し切るまでは使用者による出力の差が大きく出るだろう。

中速ビートとしてはかなり守りの薄いデッキであるため、同速で受けの厚いデッキには不利がつく。

が、現環境でそうした『ガントラビート』のようなデッキが存在せず、『祝門』が近い役割を担うまでの状態となっている。

環境が大きく動かない限りは五分以上で戦える対面の多い、環境最上位の地位を維持するデッキと考えられる。


祝門

『青黒』『ドロマー』『ネクラ』の3種が主に存在する。

『青黒』は小型ハンデスや環境で刺さりの良い「デス・ゲート」、エンコマの枚数やドローソースを多く取れるが、戦術が決まるためにメタに弱い。

『ドロマー』は「ベルリン」「ガガアルカ」の採用によって同型に強く出ることができ、「スパーク」によるカウンターも作れるが、色事故と4ターン目までにアドバンテージに干渉するカードがないことから対面の自由な動きを許しやすい。

『ネクラ』はブースト札による加速と「ホワグリ」を使える点を長所にするが、リソース不足を根本的な問題に持つ。

といったように三者三様の特性がある。

最も安定性のあるのは『ドロマー』であり、相性面でも見ても大きく不利を取る対面がないことから玄人好みのコントロールという性質が現環境で最も当てはまっている。


アガサ天門

主に『白緑』と『白緑タッチ黒赤』と『ドロマータッチ赤』が存在。

赤の部分は「ボルメテウス・ブラック」。

『天門』のカラーとしては白青黒のドロマーでコントロール気味に組むのがセオリーであるが、早期「アガサ」の制圧力と環境の趨勢を見て『白緑』が主流となっている。

2→4→6の流れで4ターン目の「アガサ」にひとまず到達できれば、アドバンテージロスしていてもゲームメイクできるほどに「アガサ」のカードパワーは高い。

構造上ハンデスを駆使するデッキを苦手とするが、この通り「アガサ」さえ立てばどうにかなってしまうところもある。

ミラーでは互いにプレイを習熟していると、盾に重要なカードが埋まっているかの運要素も絡んで来る点はネック。

『リキッドピープル』に不利寄りとされるものの、プレイ次第で見られる対面は多く、盾の薄い環境で「アガサ」の高打点と効果による急襲が強みとなっている。


4cメンチ

前環境トップデッキだがその地位は揺らぎ、”環境で戦えなくもない”くらいの位置に落ち着いている。

厄介な「ファンク」との遭遇率が下がった一方で、弱点だった中型ハンデスと、自身に組み込みづらいターボカードの「メイ様」の存在がネック。

とはいえ、「ヨーデル」を介したサイキックの生存率が高くなったり、他デッキで採用枠がなくなりがちな「Nワールド」を採用できる強みはある。

総合的に前述した立ち位置にはなっているが、今なお環境で戦えるデッキだとは言える。


アナカラーザビミラ

緑単色の数とターボして「母なる大地」を活用するギミックから「メイ様」をドリメ以外で最も活用しているデッキ。

黒の要素はほぼ「ザビミラ」程度だが、引き続き「ファンク」や一部「ヴィルヘルム」を加えたものも見られる。

「ババン」を着地させる隙は前環境に比べると許されづらく、順調に動けない時のデッキパワーの低さは若干目立つ。

『速攻』系が少ない環境は若干分が良く、「ガロウズデビルドラゴン」も変わらず強力であることから可変性はまだあると言える。


ターボゼニス

実は「メイ様」「プレリュード」「戦慄」と複数の強化が入っているデッキタイプ。

特に「メイ様」と「プレリュード」による2種の加速札の強化はこのデッキには大きく、以前よりも確実に安定性は上がって無視のできない存在となっている。

青や赤を加えたものも見られ、その際はコスト軽減のシステムクリーチャーを考慮に入れる必要がある。

18弾環境に続いて一定の使用率は維持し続けると考えられる。


MRC

環境最古参は引き続き。

新たなメタとして「キクチ」が登場したものの、根本的な対策となっていた「Nワールド」が減少したのは追い風。

ただし、周囲のデッキパワーが上がって来たことで、15弾から続投するこのデッキのパワーも若干陰りが見えてきた。

環境を見て使用するに十分勝てるデッキではあるが、以前ほどに墓地メタがないというだけで容易に勝てる状況ではなくなっている。

ハンデスはそれなりにきつく、ケアの手段のない「ウェディング・ゲート」からの「スター・イン・ザ・ラブ」も重い。

ND落ちまで駆け抜けることはできるか。


おわりに

「メイ様」で始まった19弾環境は、変化の目まぐるしいデュエプレの歴史全体を見ても異質な経験をしていると感じます。

同じようなことを感じたのには3弾の「ダイヤモンド・ブリザード」がありましたが、あの時とはベクトルもインパクトも違うものの、比較できるほどではあるだと思います。

「ダイヤモンド・ブリザード」は2週間で調整が入りましたが、こちらはリリースから1か月が経とうという現在もそのままです。

あるいはこれが今後のスタンダードになっていくということもあるのかもしれません。

私は元来こうしたアンフェアな性質を持つカードやデッキは好まないのですが、「ダイヤモンド・ブリザード」をスルーして後悔した過去があるため、「メイ様」に関してはしっかり向き合うことにしています。

良い・悪いのどちらにしろ、どこまで進むのか興味深いカードです。


最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。

無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、私の日頃の活動に対して見合う価値があったと思ったらご購入いただけると大変嬉しいです。

いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。

それではまた。


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