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美味しいお酒は選んでもらおう
先日、初めて山梨に行ってきました。11/3の祝日、ちょうど新酒の解禁日らしく、ワイナリーはどこもお祭り騒ぎ。母とふたりでドライブ旅、運転手は母なので試飲できるのは私だけで、母の好みに合うワインを選ぶのも楽しく、次回は泊りがけでゆっくりワイナリー巡りをしたいと思っています。
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そういえばプロフィール欄に酒好きを匂わせているくせに、あまりお酒について書いていないことに気づきました。今日は少しだけ語りたいと思います。
『好きなお酒は何ですか?』
知り合った人にそう質問されたとき、私は間髪入れずに『なんでも』と答えます。ビール、ワイン、日本酒、焼酎、ウイスキー、紹興酒。外食ならば料理にいちばん合うお酒を飲みます。家飲みならば飲みたいお酒に合う料理を作ります。夫も私よりは守備範囲が狭いけれど、そんなかんじです。
しかしなんでも好き、というのはどれか1つが特別好きというわけではないということで、つまり広く浅く、何にも詳しくない酒飲みなのです。恥ずかしながら。
それでも合法的に飲酒できるようになって早13年。私もそれなりに色々な経験をしてきて、あることを学びました。必ずしも自分が詳しくなる必要はない。ワインならソムリエさん、日本酒なら酒蔵のかたや利酒師さん、ウイスキーならバーテンダーさん。その道のプロのかたにちゃんと自分の好みを伝えれば、飲みたいお酒を出してくれるのです。選ぶのではなく選んでもらう、それが33歳飲んべえの流儀。(ドドン)
選んでもらうにあたって心がけているのは、自分の好みをちゃんと言葉で伝えることです。ワインにはワインの、日本酒には日本酒のボキャブラリーを最低限学び、プロのひとたちに選んでもらうためのキーワードをしっかり提示する。『スッキリ辛口が好きです』と言えばそれなりのものを出してくれます。たぶんそれでも私は美味しく飲むでしょう。でも『旨味が感じられるような華やかなものが好きなんですが、今日はさっぱりした料理と一緒にいただくので、少し辛口なものがいいかなぁと思っています』と言うと同じようなぼんやりとしたリクエストでも、選び甲斐があるんじゃないかと思うわけです。
普段から飲んだお酒のどこが好きかを評価しておくことも大切で、『美味しいなぁ』で終わりにしないこと。結局のところどんなお酒でも美味しく飲んでしまうのですが、このお酒は格別に美味しく感じるなぁと思ったときに、なぜ、何が、どのように、というところまで酔い始めの脳みそにメモしておく。翌日にまた思い出して(舌なめずりしながら)しっかり言語化しておくと尚良し。それが次の晩酌に役立つはず。
そうして選んでもらったお酒が想像の上をいくこともしばしばで、プロのかたとしっかりコミュニケーションがとれた賜物です。カウンター席でしっぽり中、『先程の○○がお好きならこちらもどうですか』と言われると、もう今日は止めにしておこうと思っていてもじゃあもう1杯、となるのは当たり前。飲んべえの心をがしっと掴むひと言に弱い私。
逆に一生懸命伝えようとしてるのに、あしらわれるとテンションだだ下がりです。昨年、クリスマスディナーに飲む泡を買いに行ったワインショップの店員さんの『こちらはおふたりの優しい雰囲気にぴったりだと思います〜』は忘れられません。適当言うんじゃないよ!という言葉を飲み込んで、静かに店を出ました。ひやかしだと思われたのかな。
まぁそんなかんじで色々な人たちの助けを借りながら、美味しいお酒との出会いを楽しむ日々です。難しいことを考えているようで、ただの酒好き。
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つまみが全部茶色だな。
友人からのプレゼントもだいたいお酒か酒器。写真のウイスキーはお祝いのお返しでいただいたもので、美味しくてチビリチビリと飲んでいます。ありがたや。
百貨店に酒蔵さんが売りにきてくれるコーナーも大好きで、思わぬ出会いに胸躍ることも。
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試飲させてもらったこちらも購入
先日出会ったのは新潟にある高の井酒造の越の初梅。雪中貯蔵酒ってなんかもうそれだけで美味しそう。新潟のお酒は水が合うらしくいつもスルスル飲んでしまうのですが、こちらはまったりまろやかな甘みの余韻が心地よく、つまみのお刺身にもぴったりでゆっくりと飲むことができました。
ちなみにその日はうっかり買い逃していた勲碧酒造のひやおろしを探しに行ったので、ちゃっかり2本お買い上げ。愛知のお酒では勲碧がいちばん気に入っていて、華やかな味わいのトリコです。
・・・好きなものの話はとりとめがなくなっていけないですね。今回はこれくらいでおしまいにします。
きっとそのうち運命の出会いがあって、どれかひとつのお酒を愛することになるかもしれません。それまでは世界を揺蕩うように、幸せな飲酒体験を重ねていきたいと思っています。
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