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ペイ・フォワード、贈った先にあるもの

『ペイ・フォワード』という映画を知ってますか?

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社会科の先生が中学生たちに課題を与える。
「もしきみたちが世界を変えたいと思ったら、何をするか?」
母親のアル中を気に病み、近所にたむろするホームレスを気遣うトレバー少年は、そんな、自分の周りの決して幸せとは言えない人々に思いを馳せ、ある考えを思いつく。それは、受けた好意を他人に贈る“ペイ・フォワード”という行動だった。

2000年製作/123分/アメリカ
原題:Pay It Forward
配給:ワーナー・ブラザース映画

「ペイフォワード」の仕組みはシンプルです。AがBに与える。BはAに恩を返すのではなく、Cに与える。CはAやBに対して恩を感じながら、次の世代へより多くのことを伝えていきます。そして社会には、互いを思いやる循環が生まれ、優しさがあふれることでしょう。

ひとりが3人に親切にして、親切にされた人がまた3人に〝恩を送る〟という仕組みは知っていたものの、実は初めて映画を見ました。ラストはちょっと衝撃的でした。

以下、主人公の言葉から。

世界を変えるためには、勇気が必要。
でも臆病な人たちもいて、変化を怖れている。
日々の暮らしに慣れてしまった人たちは
よくないと思っていることでもなかなか変えられない。
だからあきらめてしまうけど、あきらめたら負け。
周りの人がどういう状況か、
もっと観察する努力をしてみよう。
何が必要とされているのか、
心の声を聞くんだ。
世界の人と繋がるために。

先日、映画『恋妻家宮本』を観ていたら、すごく素敵な言葉に出会いました。

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正しさと正しさはぶつかるけど、
優しさと優しさならぶつからない。
ふたつの優しさが出会ったら、
もっと大きな優しさになる。

こんな取り組みも話題になりました。

ギフト経済を実践する「カルマキッチン」のニップン・メッタさんは言います。

まず「消費者」から「貢献者」へシフトすることです。
自分は何を持っているのか、何を奉仕できるのか、そう考えることが第一歩です。

次に、貢献者になると「交換」から「信頼」へのシフトが起きます。「交換」は私とあなたの1対1の関係で成り立っているので、与えたものに対して見返りを求めますよね。

一方で「信頼」は、何らかの形で、めぐりめぐって自分のもとへ返ってくること。だから何が返ってくるかよりも、自分から始まって次の人、また次の人…というサークルの中で生まれた可能性が大切なのです。

そうすると「孤立」から「コミュニティ」へシフトします。そしてやがて「欠乏」から「豊かさ」へのシフトが起きていきます。

ところで、應武茉里依さんという女性を知ってますか?

彼女は
自分の「毎月の給与の1%」を、
「社会人年数分×人」に1年間給付するという
個人奨学金制度をしています。
今年で3年目のようです。

3年目は3人ですが、
毎年人数が増えていくと、
20年後には年収の20%、
40年後には年収の40%を誰かに贈ることになります。

 誰にも迷惑をかけない社会とは
 定義上、自分の存在が誰からも必要とされない社会

二十歳になったころ、
人に迷惑をかけなければ何をしてもいいと思っていた僕は、
40代の先輩に「迷惑をかけなきゃダメなんだ」と言われ、
ぽかーんとしましたが、
年を重ねるうちにその言葉の意味に気づきました。

ちなみにインドでは「他人に迷惑をかけてはいけない」と教えるよりも、「人は迷惑をかける生き物なのだから他人のことも許してあげて」と教えているそうです。

自然界は関係性のなかで成り立っています。
必要なものが生まれ、必要がなくなったら消えていく。
存在しているだけで、ちゃんと意味があるのです。
大きな〈いのち〉の循環のなかで、生きているのです。

應武さんがオススメしている『世界は贈与でできている』も読んでみようと思います。



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よしみん|旅するトレーダー
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