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ラニーニャ現象どこいった!?
前回のnoteでは、ラニーニャ現象の確認について投稿しましたが、その後、2025年1月中旬から下旬にかけて、この時期とは思えない気温上昇が各地で観測されています。
1月10日、気象庁大気海洋部が最新のエルニーニョ監視速報No.388 を更新し、2024年12月の実況と2025年1月〜2025年7月の見通しを公開しています。
前回、12月10日の発表内容は、下記の通りです。
エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になりつつある。
今後、冬の間はラニーニャ現象時の特徴が明瞭となるが、その後は弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(70 %)。
今回、1月10日の発表内容は下記のようになりました。
エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象に近い状態となっている。
冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、次第に弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(80%)。
主な違いは太字で表しましたが、ラニーニャ現象の特徴が当初よりも確認しにくくなっていることが表現されています。
北米の気候予測機関によって1月9日に発表された見解は下記の通りです。
La Niña conditions are present and are expected to persist through February-April 2025 (59% chance), with a transition to ENSO-neutral likely during March-May 2025 (60% chance).
ラニーニャ現象が現在発生しており、2025年2月から4月にかけて継続する可能性が高い(59%の確率)。その後、2025年3月から5月にかけてENSO中立の状態に移行する可能性が高い(60%の確率)、という内容で、気象庁の見解よりもラニーニャ現象発生寄りになっています。ENSOはEl Niño-Southern Oscillationの略で、エルニーニョ・南方振動の変動現象を意味しています。
つまりENSO中立状態はエルニーニョ、ラニーニャのどちらでもないことを指しています。
その後、1月23日のNOAAのENSOブログには下記のようなタイトルの投稿がありました。
We are absolutely confident that some expected La Niña impacts will bust this winter
この冬に予想していたラニーニャ現象の影響のいくつかが外れることを確信しています、といった内容の記事になります。詳しい原文は上記のリンクからご覧ください。
今後、強い冬型の気圧配置になる可能性は低いのかもしれません。そしてもうすぐ節分。暦の上での春を迎えます。
例年2月3日の節分ですが、今年は地球と太陽の位置関係などから暦がずれる影響で、2月2日になります。日付がずれるのは、昭和59年(1984年)の2月4日以来37年ぶり、2月2日になるのは明治30年(1897年)2月2日以来124年ぶりのことだそうです。
暖かい春が訪れるのは嬉しいことですが、積雪不足が原因で農業やそのほかの産業に悪い影響が出るのは望ましくないこと。何事もバランスが大事ですね。
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