在日と呼ばれたくない人で悪いですか 2
【Twitterを始めた】
(続き、やっぱり書けるときに書いておきます)
「サカサクラゲ」というアカウント名でTwitterを始めたのは、「在日コリアン」としての気持ちをどこにも吐露できなかったからだ。
また、私はパンセクシャルだが今は異性と結婚しているため、私のことを当然のように「異性愛者」として扱い、話題を振ってくる人たちの間で、自らも埋没して暮らしていることに言いようのない気持ち悪さがあった。
ゲイの友人がSNSで発信することに対して、(例えば同性婚のこと)「いいね」をするくらいしかできない自分にモヤモヤしていた。好きな音楽ジャンルが同じというきっかけで繋がっていたその友人に対しても、私は自分のことを語ったことがなかった。(「サカサクラゲ」でフォローをするときに彼に改めて自分のことを話した)
彼はかつてから沖縄の問題、福島の問題、女性差別、在日コリアンが受けている差別の問題に対してもきちんと意思表明をする人で、私はとても尊敬していた。
でも私ときたら…
もっと自分と向き合って、もっと発言をしなければならない、と思った。
自らに選挙権がないことを言い訳にずっとノンポリだった私は、まずは政治のことをもっと知ろうと思い、情報収集専用のTwitterのアカウントを取ることにした。
が、そこでもまだ「自分の国籍」「セクシャリティ」を晒すのはなんとなく憚られ、「政治に疑問を感じていること」と「フェミニズムについて知りたい」と言う立場で始めた。「身バレ」したら怖いな、と思ったのだ。
私の配偶者は自営業をしており、web上に住所がある。また、私の父は会社を経営している。弟は日本国籍をとって日本女性と結婚する直前で、彼女からは「在日であることを隠してほしい」と言われていた。
それからここには書かないが私は数年前にとある大手企業から民族差別を受けたことがあり、その時の嫌な記憶があった。
Twitterで書いたことで、不用意にどこかから身元を特定され、有る事無い事を書かれ、嫌がらせを受けたりしないだろうか。
Twitterに蔓延るネトウヨだけじゃなく、「反差別」な立場を掲げている連中にも「在日はこうだから」と、分かったようなことを書く人物がいることにも苦い思いをしていた。だから、なかなか「晒す」ことができなかった。
ある(反差別の立場の)人物が「在日も本当は韓国のことを疎ましく思っているみたいだ」ということを書いていた時、私はそれに言い返すことができなかった。
自分の立場が曖昧だったから。自信がなかった。
日本社会に溶け込んでいるのにもかかわらず 実態が不明とされ(だからこそと言うべきか、こうであるというステレオタイプが押し付けられ)「外から語られる」しかない存在である「在日」というグループ内に自分が積極的に入っていき、そこで自分の意見を書く、これは思った以上に困難なことだった。
このことにかなり長い間悩んだ。(この原因についても今度書きたい)
だがこのアカウントをとったことがきっかけで私は「日本会議」を知ったので、結果的に良かったと思った。
そして草の根で差別に反対する「カウンター」と呼ばれる人たちがTwitter内にはいること、それらの人たちは複合差別にも目をむける傾向があり、フェミニズム、LGBTの諸問題についても論じられていることを、このアカウントをとったことで知ることができた。
(後年、野間易通という人物に、私の意見を馬鹿にされ論われるとは夢にも思わなかった)
3に続く。