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【参加者レポート】富岡市で出会った人を通じて感じた養蚕業の魅力

2022年9月12日(月)~15日(木)にかけて、群馬県富岡市にて社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」(以下「クラチャレ」)を実施し、同年10月12日(水)にはオンラインにてビジネスコンテストを実施しました。(※1)
このnoteでは、参加した学生たちに体験した内容をレポートしてもらいます。
▼クラチャレについて詳しくはこちら

■レポートを書いた人(クラチャレ参加者)

1班
・清水緑里
・中嶋梨々香
・宮本萌花
・中山弘翔
2班
・宮田真成
・木村優里
・岡本奈々
・三田千尋

■群馬県富岡市ってこんなところ!

富岡市を一言で表すと”人が温かい街”です。
市役所の方や養蚕農家の皆さん、また夜ご飯でお世話になったレストランの店長さんまで遠方から来た私達を、とても温かく迎え入れてくださいました。
また、富岡市の顔である養蚕業とシルクを守ろうと、知恵を絞って仕事をされている姿を目にし、愛情と情熱に溢れた街であると感じました。

■活動内容・スケジュール

【1日目】移動&オリエンテーション

富岡市に到着後、富岡市役所にてオリエンテーションと市役所の方による市役所案内をしていただきました。夜は地元の料理店でおいしいご飯をいただき、食事の中でメンバーとも打ち解けることが出来ました。市役所の方々をはじめとして、料理店の店主の方や宿泊施設のオーナーさんなど富岡市の方々が非常に温かく迎えてくださったのが印象的でした。

【2日目】養蚕体験&富岡製糸場見学

朝から2人ずつに分かれ4家の養蚕農家さんを訪れました。そこでは蚕の餌である桑の葉を切る作業や、桑くれという桑の葉を蚕に与える作業など様々な体験をさせていただきました。また養蚕農家さんから直接、養蚕の現状や養蚕業を営む覚悟、養蚕の歴史を繋ぐことへの熱意を聞くことができました。その後、世界遺産にも登録されている富岡製糸場を説明を受けながら見学し、富岡市の歴史も勉強しました。

富岡製糸場の見学の様子

【3日目】養蚕体験&意見交換会

午前中の養蚕体験では、それぞれ桑取りをしたり、蚕を成長段階ごとに分けたりする作業の体験をしました。養蚕農家さんのお話を聞くことができて、とても勉強になりました。また、午後の意見交換会では直接富岡市長に質問をして、様々なお話を聞くことができ、マーケティングの企画考案の参考になりました。

榎本市長と一緒に

【4日目】マーケティング企画考案

富岡市のシルクを生かしたマーケティング企画についてグループごとに話し合いました。最後には各チームビジネスコンテストに向けての意気込みを発表しました。

■学び

私はこの活動を通じて、富岡市だけでなく、富岡市の「人」の魅力も大いに感じることができました。4日間私たちの活動を支えてくださった市役所の方々は、常に私たちのことを気にかけてくださり、そのおかげで楽しく過ごすことが出来ました。そして、養蚕体験の際に出会った農家さんは自信と誇りを持ってお蚕を育てていて、「富岡市の環境がいいから良い繭ができる」と市の魅力を誇らしげにお話されており、その熱意に感銘を受けました。その他にもたくさんの方たちの支えのおかげで、私たちの活動はより充実して有意義なものになりました。こうした地元の方たちの想いが詰まった富岡市の魅力を発信することで、お世話になった方たちに少しでも還元出来ればいいなと思います。(中京大学3年 中嶋梨々香)

私はこの4日間、とても貴重な経験をすることができました。はじめての養蚕体験では、想像以上に体力が必要で、まとめた桑を軽々と運ぶ養蚕農家さんの姿を見て大変驚きました。参加する前から気になっていた点を養蚕農家さんに直接質問することができて良かったです。お蚕に対する熱い思いも感じることができました。実際に体験したり、お話を直接聞いたりすることで初めてわかることがたくさんあるということを心から実感しました。
また、富岡市の方々は温かく私たちを迎えてくださり、人と人との繋がりを強く感じた4日間でもありました。クラダシチャレンジを通して、様々なことを学び、成長することができました。(中京大学3年 宮本萌花)

私は今回の富岡市クラダシチャレンジで、大きな成果を得ました。それは、地方が抱える様々な問題を現地の方から直接聞くことができた、ということです。今回は、富岡市長や養蚕農家の皆さんの視点からの問題を聞くことで、当事者の方たちが何を望んで、どのような行動をとっているのか、ということを知りました。結果、私自身の中にさまざまな課題を多角的にみる視点が生まれました。このクラダシチャレンジは、コロナ禍で人とのつながりがなかった私たち大学生にはとても貴重な体験で、様々なことを考えさせられる活動でした。(中京大学3年 宮田真成)

富岡市では、産業と歴史の間で揺れ動く養蚕業を何とかして守ろうと、奮闘する人々に沢山出会いました。その方々との関わりの中で学んだことは、”体験価値の重要性”です。
養蚕業の手作業の丁寧さや、高齢化による危機、養蚕業に対する皆さんの思いなどは、このクラチャレに参加しなければ、一生知ることが出来なかったことだと思います。これは今回の養蚕業だけにとどまらず、体験することによってしか得られない価値や学びがまだ世界には沢山転がっていて、インターネットという箱の中にある情報だけで知った気になっていた自分が、とても恥ずかしくなりました。
今回の経験から、情報時代だからこそ、実際に自分の目で見て耳で聞いた体験を大切にしていきたいと強く感じました。(神戸市外国語大学3年 清水緑里)

私は富岡市の方々が私たちに対して富岡市の歴史、文化など魅力のすべてを全力で伝えようとしてくださっている姿勢から学ぶことが多くありました。「自分に何かできることはないか」と当事者意識が芽生えたのは、富岡市の方々の熱意が私にも伝わったからです。熱意が人の心を動かすことをとても実感しました。クラダシチャレンジでの経験を忘れずに活かし、これから何事に対しても自分の意志と熱量をかけて臨みたいと改めて思いました。  (香川大学3年 岡本奈々)

私は最初、富岡市は売上額としてまだまだ乏しい養蚕業を「産業」から「文化」として方向転換させ、新しい産業を育てていく事が将来の富岡市のためになるのではと考えてきました。しかし実際富岡市に赴いてその目で現状を知ることで、その考えは間違っていたことに気づきました。富岡市の養蚕農家の方々は何とかして養蚕業を守ろうと取り組みを続けていらっしゃいます。書面やメディアを通してでは分からないような「熱意」を実際にこの目で見ることによって確かに感じることが出来ました。その点で今回のクラダシチャレンジの取り組み・時間は個人的には有意義なものであったのではないかと思っています。(早稲田大学1年 中山弘翔)

富岡市を訪れ、人の温かさと、養蚕業に対する熱意を強く感じました。実際このプログラムに参加する前までは文化や産業が衰退していくことは自然の理だと思い、仕方がないという気持ちもありました。しかし、農家の方と一緒に作業を行うことにより、どれほどの労力をつぎ込んで養蚕を続けているかを肌で実感することができました。また、農家に限らず市民の方も、市役所の方もお蚕のことを大切にし養蚕業を何としてでも守りたいという強い思いが伝わりました。私たちもその思いを受け継いで、情報発信やビジネスプランなどを納得いくまでメンバーたちと突き詰める時間は非常に充実しており、また大きな学びともなりました。(中京大学3年 三田千尋)

グローバル化に伴い、昨今生産者から消費者までの仕組みが複雑化しています。私が今着ている服のほとんどがベトナム製や中国製のもので、それらの国で働いている赤の他人が作り手です。全く見える化できないこの流通システムは、私の服やものに対する愛着などが薄い原因であるのかもしれません。一方で、富岡シルクで作られた製品は農家一人ひとりのストーリーを大切にしています。4日間のプログラムを通して農家の方と作業をともにしたり、意見交換をすることによって農家の方たちの思いを知ることができました。日本の歴史や家族愛をはじめ、さまざまな思いが養蚕作業と重なっており、とても興味深いものでした。さらに、市や町の人々が養蚕農家さんに対して敬意を払っていることがこの短い期間でも感じ取れました。私は生産者の顔が見える富岡シルクは他の製品にはない魅力であり、付加価値だと考えます。だからこそこのストーリー性の大切さを消費者に分かってもらえるかが課題だと思いました。(上智大学1年 木村優里)

■ビジネスコンテストでの発表内容

今回はシルク商品のPR案提案を、クラチャレ初のビジネスコンテスト形式で行いました。
富岡市役所やパーソルサンクス株式会社、富岡シルク推進機構、クラダシがそれぞれ審査員を務め、「新規性・実現可能性・インパクト」を各5点満点で審査しました。
最終的に両グループ同点となり、W優勝という結果でコンテストは終了しました。

1班

▼現地で感じた課題
若年層の、「富岡=シルク」の知名度・イメージが薄い

▼解決のためのビジネス案
上記の課題を解決するために富岡市に日本のシルクロードを作り、富岡市の関係人口の創出につなげることを提案します。

その際に考えられる認知部分の課題を解決するために、高級ブランドとのコラボを提案しました。このコラボにより、若者に認知して貰える可能性の拡大、またシルクが高価格という壁も解決できます。

2班

▼現地で感じた課題
歴史ある純日本の富岡シルクの価値が失われていっている
→日本の文化や産業としての富岡シルク、他のシルクとの差別化が図れていない。

▼解決のためのビジネス案
課題を解決するために、赤ちゃんの退院祝いやお宮参りなどの特別な記念日に、家族や親戚を対象にし、ベビーにシルクを使ってもらうという新しい風習を日本全国に確立させる提案します。

その際、蚕の特性である我慢強さ・たくましさ、蚕が育てられた背景である農家さんの愛情や蚕を敬う気持ちなどをシルクに重ね、商品ブランディングを行います。

■感想

短い期間でしたが、農家さんや、市役所の方々、富岡市の方々と深く関わることができた4日間でした。その関わりの中で、たくさんの方から富岡シルク存続にかける思いや、製品の素晴らしさをお伺いすることができました。このような貴重な経験を「経験した」だけで終わらせるのではなく、その経験を生かした将来についても考えていきたいと思いました。また、もっと多くの人に富岡市の人々の人柄や人々とのネットワーク関係が重要である養蚕業の魅力を知ってもらいたいと感じ、今後も考えていきたいと思いました。

■最後に

現在、三重県御浜町にて開催されるクラダシチャレンジの参加者を募集しております。

日程:2022年12月12日(月)~12月18日(日)
場所:三重県御浜町
人数:6名
活動内容:みかん収穫、搾汁、みかんジュースのラベル作成ラベル貼り

▼応募フォーム
https://forms.gle/oJ6HZKVvcevUNzkd6

皆さまのたくさんのご応募お待ちしております!

※1 富岡市とクラダシの連携について

富岡市、パーソルサンクス株式会社、一般社団法人富岡シルク推進機構、クラダシの4者は、2022年3月に「富岡市における養蚕振興とシルク商品の販売強化に向けた連携協定」を締結しました。

▼富岡市とクラダシの包括連携協定について


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