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「友吉鶴心」琵琶の世界に触れる会 〜深大寺「花一看」レポート〜
この連載では、かつて多くの人々に愛されてきた「ギャラリー・エフの蔵」を支え、その魅力を引き立ててきた「蔵人(くらうど)」たちをご紹介します。
「蔵」での思い出や「蔵」へのメッセージ、そして未来の「蔵」に対する期待など、彼らが語る熱い想いに触れることで、蔵が果たしてきた役割やその価値を再認識する旅に出ます。
第1回目の今回は、「友吉鶴心」の琵琶の世界に触れる会、深大寺「花一看」のレポートをお届けします。
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琵琶の調べが響く、深大寺の午後
2023年6月10日、調布の深大寺本堂で行われた「花一看」は、浅草・ギャラリーエフが主催した、浅草出身の薩摩琵琶奏者・友吉鶴心さんによる演奏会。曲目や楽器にまつわる講話を交え、親しみやすい形で琵琶の音に触れ、日本の文化や現代における琵琶音楽の在り方を探るという目的で開かれました。
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お客さまの声
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その日の会場に足を運んだお客さまからは、多くの感想や思い出が寄せられました。その一部を以下にご紹介します。
「深大寺での演奏は広くて明るい感じがして、また違う音が聴けたような気がしてすごく楽しかった。深大寺「花一看」がこれからも続いてくれるように楽しみにしています」
「深大寺での演奏はこれまでの蔵の演奏と空気の振動が違って感じまた。改めて蔵は独特だったんだなって気付かされました」
「今日の演奏は雰囲気とも相まってとってもいい演奏会でした。蔵のことにも想いを馳せながら聴くことができて、貴重な時間でした」
「音が上に上がっていく感じを体感できて面白かったです。蔵での演奏との聴き比べができるのもこれからの楽しみの一つです」
「蔵には庶民の魂があると感じていて、そこで友吉さんが魂込めてくれるというのが我々にはすごい響いてきている感じがして、今日もそれを感じることができました」
「前回は単発だったので今回は「花一看」という名前がついて定期的に行われるんだとわかってとても嬉しかったです。ありがとうございました!」
みな様の声から、「蔵」の存在がいかに深く人々の心に根付いているかが伺えます。
特に、「蔵には庶民の魂があると感じていて、そこで友吉さんが魂込めてくれるというのが我々にはすごい響いてきている」という声からは、「蔵」がただの物理的なスペース以上の、心情や精神を共有する場であったことが伝わってきます。
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まとめ
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浅草での「蔵」の終焉を悼むと同時に、新たな場所で生まれ変わる「蔵」の可能性に期待を寄せる「蔵人」たち。その独特な空間が生み出す琵琶の音色を、深大寺で再び響かせる「花一看」。これらの試みは、私たちに「蔵」の真の価値を再認識させ、未来への新たな一歩を刻んでいます。
「蔵人」たちの思い出や期待を共有することで、新たな「蔵」の可能性を探り、文化の継承を担う一助となりたいと考えています。
次回もさまざまな「蔵人」の声をお届けします。どうぞお楽しみに。