#03 アイドル/Idol/偶像

音楽ショップ巡りが趣味である。
理由は一つ、その音楽ショップ毎に「推し」が存在するからだ。

例えば、博多駅のマルイにあるHMVさん。
こんな感じだ。

この陳列を見て買い物客は思うだろう。

誰だこの人たちは?乃木坂日向坂より前面に押し出されている?テレビに出るくらい有名なのか?

否。

九州を中心に活動する「九州女子翼」というグループ、私の大推しだ。Xのフォロワー数はそこまで居ないし、ワンマンライブのキャパも1000人弱、無料ライブには100人来るか来ないかといった具合。

だが実力はある。割と大きい事務所のアイドルを推してきた私が自信を持ってイチオシできる。
いわゆる、まだ世間に見つかってない系だと思っている。

HMVさんはグループ結成初期から無料ライブを実施する、戦友のようなものだろう。かくいう私もここで九州女子翼と出会い、2年半ほど推させていただいている。

私の一例を述べたが、各地方によって全面的に推すものは異なり、どれも愛に溢れた陳列だ。

それには、各店舗スタッフの公私混同の思いがあると思う。もちろん、出身地だから~、とか店舗ごとに指示があるから~といったものはあるだろうが、だとしても↓のようにはならない。

とんでもない愛である。重すぎる愛である。
思わずほぼ全てに目を通した。
ライブの感想、MVの表情管理、バラエティ番組出演に至るまで全てを網羅した知識から生み出される語彙力、感銘を受けた、推し活の鏡である。

推しという存在はこれほどの熱量を生み出し、その熱量は顔も知らぬ他人にも伝わる。

周りにも推し活に勤しむ人が居る。
推しの卒業ライブに大金を注ぎ込むやつ、毎週のように推し活遠征しまくってる体力お化け、CDを積みまくって余ったからと布教してくるやつ、いつもチケットが外れる運が無いやつ、多種多様だが、その姿はキラキラして見える。

アイドルなんて推してどうするの?


どうするか、なんて分からない。だが、アイドルとして生きることを選んだ彼らが輝くその瞬間を見届けていたい。

そんな想いを馳せ、今日も推しの名前でエゴサを繰り返す、そんな日々。

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