無人島生活福袋【毎週ショートショートnote】
「どうすんだよこの在庫。期末までに売り切らないとまたボーナスダウンだよ」
「これとか可愛いのに…POPが地味だったかなあ」
「全部お前が仕入れたんだからな」
「そうだ。まとめて福袋にしちゃいましょう。名付けて、無人島生活福袋」
「そんなもん買う奴いねーよ」
「店長、何年勤めてんすか。『需要は創り出す』それが我が社の理念でしょ」
「今は理念よりボーナスなの」
「見て下さいこのテント。じゃーん、何とカバさんの形に」
「口開きすぎだろ。中丸見えじゃねえか」
「それとこのサバイバルナイフ」
「危ない!振るな」
「と見せかけてヘアブラシ」
「役立たんぞ」
「あとは…キャンドルジュン風キャンドルとチャンジャグミと変なサングラス」
「最後雑だな」
「あっそうだ、ついでにこれも。『大熊樹著 生き抜く力』」
「それ生き抜くの意味違うだろ。もういいよ。さっさとしまえそのテント」
「ええっと…これどうやって…」
「おい!」
ヴィレッジヴァンガードの年末は、今年も騒がしい。
(412文字)
アナザーストーリーも書きました。
こちらです。