フィギュアレビュー 千値練 カンチ(青)
2021年8月に千値練(センチネル)から発売された『カンチ(青)』を購入したので、お試しにnoteでレビューしてみます。価格は税込み13,200円です。
まずは全体をぐるり。
なお、写真だと水色っぽく見えるかもしれませんが、実際もう少し緑がかった色です。
千値練は過去にも「RIO:bone」というブランドでカンチを立体化していますが、今回は完全新規造形でリニューアルしているようです。私は古いバージョンの方は持っていないのですが、レビューなどと比較すると、手足のバランスや関節パーツの見え方がより原作に忠実になっています。
個人的にはハル子にぶっ壊された頭部の造形がお気に入り。
パーツは塗装が施されている部位が多く、ツヤも消されていて質感が良いです。また、下半身にはダイキャストが使われているので、手にした際に重量を感じられるほか、自立の安定性にも一役買っています。
お次は可動を見ていきましょう。
首は上にも下にも広く動きます。また、根元はボールジョイントなので、左右にも傾けられるほか、干渉物も無いので360°回転させることも可能です。
文字通りの真上を向くのは厳しいですが、劇中の動作を十分に再現できる可動です。
肩は引き出し構造になっており、水平くらいまで上げられます。回転すれば垂直近くに上げられますが、大きい顔と多少干渉してしまいます。また、前方には引き出せないので、腕組みのような姿勢をとることはできません。
肘は二重関節のおかげで深く曲げることができ、前腕の回転も可能です。ただし、関節が曲がる向きはそのままなので、二の腕と前腕のパーツが干渉して曲げられる角度は小さくなってしまいます。無理に曲げるとパーツに傷が付きそうな感じなので要注意。
腰……というか胸まわりはボールジョイントと軸可動の複合関節になっており、前方に大きく傾けることができます。後方に少しそらしたり、左右に傾けたりすることもできるので、アクションや表情付けに役立ちます。
脚の可動範囲はかなり柔軟で、左右開脚こそ120°程度ですが、前後にはぐるっと回転させることができ、膝は二重関節で深く曲げられます。
足首はシンプルなダブルボールジョイントですが、よほど広く開かない限りはしっかり接地できます。また、内部にカバーパーツがあるので、ジョイントが露出しにくく見栄えが良いです。
総じて優秀な可動範囲であると言っていいでしょう。腕だけは引き出しや前腕回転などの機構がある割に今一つですが、首・胸・脚はとてもよく動きます。"あの"劇中と同じ、とはさすがに言えませんが、大方のポージングには不便しないレベルです。
また、関節は固めで保持力も高いです。ただ、部位にもよりますがギチギチと音を立てるほどなので、心配な場合はシリコンスプレーを吹いた方が良いかもしれません。
ちなみに、大きさは公式情報で約18cm。ROBOT魂と比較すると大きめのフィギュアですが、figmaやねんどろいどどーると並べたときのスケール感は劇中のイメージと近いのではないでしょうか。
次は付属品の紹介です。
一つ目はサバゲーセットです。ゴーグル、マスク、ポンチョ、ショットガンで、5話の序盤シーンを再現できます。
ショットガンはスライドが動くのでポンプアクションができますが、持ち手は右手しかないので、左手には持たせられません。
布製のポンチョは両端と真ん中にワイヤーが通っているので、自由な表情付けが可能です。首に巻き付ける部分にもワイヤーが通っているので、巻き方でポンチョの開き具合や向きを調整できます。
端っこのボロボロ感が大変カッコいいですが、切りっぱなしなので時間経過の劣化が怖いところ。
二つ目の付属品は破損なしヘッドです。
作中では見られないレアな姿なのは良いのですが、正直、もっと別の付属品が欲しかった……着用シーンも多かったMA-1ジャケットくれよ……
造形・塗装は通常ヘッド同様ハイクオリティですが、同時に予約開始した赤カンチの流用でコストを下げようという魂胆が透けて見えてしまうのが残念ですね。
さて、ここからは実際にアクションさせた写真です。
可動が優秀なのでカッコいいポーズもバッチリ。
5話で乱射しながら接近するシーンのイメージで。専用スタンドは無く下半身が重いので、不安定な姿勢や空中ポーズはちょっと難しい。
メンゴ! みたいな。手首パーツは左右拳・右銃持ちてのほか、3種類の左右平手があります。
クロスオーバーロボット座談会。ゆるい雰囲気のロボットなので、どんなポージングでも違和感がありません。
最後はライダーキックっぽく。
造形・塗装がバッチリで可動範囲も優秀と、カンチのフィギュアとしてはかなり良い品でした。ただ、価格が高めの割には付属品が少なかったり的外れだったりするのは残念です。赤カンチに転用して原作再現ができるMA-1は欲しかったですね。
しかし、カンチというメジャーとは言えないキャラクターをこのクオリティで手にできる価値は大きく、旧版もプレミアが付いて入手困難な今、フリクリファンなら充分に“買い”なフィギュアだと思います。