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ぼくらの場所を陣取って 特等席だと 言わんばかりに 寝ているな、君! ねえ、たぬきくん 起き…
鈍い気配を コーンと漂わせて 座るボール この硬い地面に 君はどこか銀色の 輝きを放ってい…
カミナリが バリバリと落ちては 怒っているようだった ギラギラした その顔 まるで君のよう…
あいつの視線は 矢を飛ばして くるようだ でも、大丈夫 ぼくには とっておきの カサがあるか…
厳かに 笛を吹いている 人がいた その笛の音は 鈍く響き ダルそうな君は あの赤の風景に 吐…
花々が 見渡すかぎり 広がる野原 祝福された君は 楽しそうに踊っている あの透き通る日を 浴…
朝の静けさの中、 鼻声まじりの 自分の呼吸を 肌で感じた ぼくはここに 息づいている 見渡せば なにかの中心点 動けはするけど 動けない もしかして、ぼくは 今、空気なのかなあ
ぼくは立っていた 緑のツタのように 帽子が風に揺れて まるでいつでも飛べると、 ささやいて…
風よ、飛べ! ぼくの腕から 指し示した方向へ きっと昇っていくだろう 魂の旅路 ぼくは見送…
声がとどろいた ぐわりと 大きな口を開いて 大地に襲いかかる まるで呑み込もうとする 一口の…
ペンよ、走り出せ! ぼくが手にした 光の軌跡 なめらかに 魔法の文字を 刻むように 描くの…
風は語りかける 耳をくすぐるように ぼくが振り向くのを 期待しているかのように でも、君が…
空気が澄んでくれた ひとりの夜のこと ぼくはやることを 考えていた ポツンと「う〜ん」と う…
ああ、広大な空よ 泣くな! 涙が雪崩のように ドドッと落ちるのを想像すると いくら速いトンボが 飛んで避けようとしても その脅威からは 逃れることはできないだろう たった一粒の涙 それだけでいいよ ぼくはその気持ちを 受け継ぐにちがいない ビー玉のような一粒に コロコロ転がす ぼくの姿が映っている