十八章 やっぱり仕立て屋アイリスが一番1
仕立て屋アイリスに皆が帰ってきたのは閉店まじかの時間だった。
「アイリス、待たせたわね。金のミルケストの糸手に入れましたわよ」
「もっと早く手に入れるつもりだったんですが、交渉に時間がかかってしまって」
「お待たせしてしまい申し訳ないです」
笑顔で入ってきたマーガレットが言うとジョルジュとシュテリーナも語る。
「マーガレット様、ジョン様、シュテナ様。有難う御座います」
「やあ、小鳥さん待たせたね」
「アイリスさん、賢人の宝石ヲ手に入れてきましタよ」
アイリスがお礼を言っていると扉が開かれフレイとミュゥリアムが入って来る。
「ミュウさん、フレイさん有難う御座います」
「アイリスさん、お待たせしました~」
「よう、持って来たぜ、春のヨウキ鳥の羽とメトモの実と胎動の心」
「すまない、思ったより時間がかかってしまった」
ミュゥリアムとフレイに感謝していると今度はレイヤとマクモとクラウスがやって来た。
「レイヤさん、マクモさん、クラウスさん有難う御座います。でも、どうやって」
「精霊魔法を使ったんです」
「召喚術でヨウキ鳥とメトモの木と胎動の心を出現させたんだ」
「そこまでは良かったのだが、メトモの木から実を取るのに時間がかかってしまってな」
「そうだったんですね。あれ、でも精霊魔法って神様や精霊さんしか使えない魔法ですよね」
レイヤ達の言葉に納得するも新たな疑問を抱く。
「そういえば、伝えていなかったな。俺は秋の精霊だ」
「オレもずっと黙っているようにって言われてたけど、あんた達なら信頼できるし、大丈夫だよな。な、王子様、王女様」
「はい。アイリスさん達なら信頼できますし、大丈夫です」
クラウスがそう言うとマクモが王子と王女を見て確認を取る。
それに彼が答えると彼女も頷いた。
「オレはこの国を護る火の精霊だ」
「えぇ!?」
「この国を護っている精霊様でしたか」
彼の言葉にアイリスが盛大に驚きイクトも呆けた顔で呟く。
「皆さんどうかこのことはここだけの秘密にしてくださると助かります」
「このことは国家秘密案件なんです。でも、皆さんのこと信頼しているので許可を出しました」
ジョルジュとシュテリーナの言葉にここにいた皆がにこりと笑い勿論だと答える。
後日この話を聞かされたマルセンとジャスティンが頭を抱えたのは言うまでもない。