ドラマ「金田一少年の事件簿」(松本潤Ver) 【第3話”仏蘭西銀貨殺人事件”感想】ダイジェストのような回
原作単行本では23~25巻にかけて収録されている「仏蘭西銀貨殺人事件」。
随分前だが何度も読んだことがある。加えてこのボリュームだ。この時点でもう察してしまった。この話を1時間枠で終わらせることができるようには到底思えなかった。
見終えた結果、心配していた通りだった。淡々と事が進んで、謎が解けて、犯人がわかって、ハイ、解決。そんなダイジェストを見ているかのようだった。「金田一」の話を全て2話以上の構成でするべきとは言うつもりはない。1話構成でしっくりくる話もあるだろう。(例えば長編は確かに多いが、短編もあるのでそちらを起用する等)だが、この話は1話ではやっぱり無理だったと思わざるを得ない。
ますみとはじめたちの子どもの頃のエピソードもはしょりすぎてるし、成長したますみとはじめと美雪を見ていても、かつて仲良かったようにも見えない。はじめの類まれなる洞察力でますみが彼を恐れたりする、原作にはあった場面が圧倒的に足りない。(ドラマでは最初に偶然ますみと会ったシーンのみ)ますみがなぜ犯人に従ったのかも君沢ユリエに対する思いも、そして犯人の苦悩も、どうして彼女たちが事件を起こしてしまったのかの動機がかなりぼやけて見えてしまっていた。
殺人自体は当然肯定しないが、それでも犯人たちに感情移入して、見ているこっちもやりきれない思いを抱いてしまうのが「金田一少年の事件簿」の肝でもあると思っている。でも、特に今回は思えなかった。湧いたのは、あーあ、やっちまったなという感情ぐらいだ。
どうか、5代目ではこんな詰め方はしないでほしいと願ってやまない。そんな、あまりにも残念な回だった。詰め方以外ではキャストの方たちや舞台セッティングとか小道具とか(今回に限らずだが)よくできていると思っているだけに本当に残念だ。(音楽に関してはいまだ慣れない‥。違う作品のものに思えてしまう)
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