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アニメ「ひぐらしのなく頃に業」【”郷壊し編”感想 其の壱】「解」からのちの話という意味では意義深い

「解」までの黒幕のエピソードが終わり、魅音が雛見沢分校から卒業したのちの彼らの話が始まる。

魅音が抜け、圭一が委員長、そして部活のリーダーになっていた。ただ、あまりにも健全な部活のため、沙都子は退屈な様子。梨花もそれはそうなのかもしれないが、それ以上に雛見沢を出たい気持ちが強いのか、聖ルチーア学園を目指して勉強すると言い出す。このあたりから、ふたりの歯車が少しずつ狂い始めたかもしれない。

それでもなんとか二人とも勉強を頑張って、ルチーアに見事合格を果たした!·····そこまでは良かった。今まで見られなかった、「解」ののちの世界、リアルな世界が見えてきたからだ。だが、ここからはとても好きとは言えない展開が続く。少なくともじぶんは言いたくない。梨花、沙都子からしてもそうだが、ストーリー的にも…。

一見おしとやかで、精神的には大人である梨花がルチーアの多くの生徒の憧れの存在になったのは分かる。そこに沙都子が馴染めないのも分かる。だが、サロンに溶け込むのが心地よくなったのか、沙都子を多少気にすることがあっても、サロンのメンツとばかり付き合うようになった。うん、まだここまでは分かる。

ただ、沙都子が悪く言われても、気にはするが何も言わないし、追いかけもしないシーンでは絶句した。(言ったこともあったことはあったが知る限りでは一度だけ‥)

沙都子も沙都子で性格的に突っぱねるのはわかるが、「どうせ飽きるでしょう」って思い込んだまま、何もせず梨花が離れていってしまう・・。

”仲が良かった親友同士が新しい生活に入り、すれ違っていく”というのは沙都子たちではなくても、きっと現実世界でもままあることだろう。沙都子と梨花の物語じゃないなら全然ありの話だ。

だが、これは彼女たちの物語なのだ。今まで見てきた彼女らの性格から考えても、「らしくない」ことが多過ぎて話的に納得がいかなかった。

沙都子が悪く言われた時、今までの梨花なら沙都子はそんなんじゃない!と言った上で、沙都子を追いかけたであろうというシーンで、何もせずにいたのはどうにも解せない。
「勉強は」見てあげるような事を言うのもだし、やたら周りを気にするのも違和感がある。

沙都子も沙都子でなぜ梨花といつまでたってもちゃんと話そうとしないのだろう。梨花がそれを望むなら止めませんわ、と最初は思っていたとしても、話をしようと言ってきても突っぱねるばかり。いつしかもう我慢なりませんわ!とか言って、梨花ちゃんを無理やりにでも連れていくのが今までの沙都子だと思うだけに、どうしてもなぜ?の気持ちになる。(のちにアレだけのことをするぐらいの気概がある沙都子ならなおのこと、なぜここで発揮しない?)

なのにただ、突っぱねるだけに終始して、サロンのメンツに当たって印象を悪くするだけが関の山。それ以上何もしないのもおかしい。

”二人がすれ違った”という話自体は流れ的にはありだとは思う。だが、その過程の描写がどうにも不自然に思えて仕方がなかった。そもそも、ルチーアは詩音が”脱獄”した学校だ。沙都子大好きになっているはずの詩音がなぜわざわざルチーアに入学する沙都子を放っておいたのか。それでも沙都子が入りたいと頑として言ったとしても、ルチーアがどんな学園か知っていただろうに、アドバイスもした様子もない。ルチーアはルチーアでも別の場所だったのだろうか。そういう意味でもおかしかった。

(そもそも雛見沢症候群にかかっていた沙都子が完治していた世界なのに、悟史のことには一切触れてもいない。悟史も詩音もいない世界・・?でも、そうだという描写もない)

ただ、このおかしい現状さえも伏線にして、のちの「解答編」で語られるだろうと思っていたのも悪かった。あまりにも期待し過ぎていたのだ。とは言え、この話が放送された頃は納得は行かないことがたくさんあっても、しばらくは楽しく見ていたのだ・・。そういう意味では懐かしい・・・。


追記:
そもそも、タライが落ちて怪我をする、って急にリアルな描写を持ってくる時点でおかしいかったのだ·····。



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久遠さつき
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