アニメ「ひぐらしのなく頃に業」【”郷壊し編”感想 其の弐】鉄平と三四の改心
「郷壊し編」の感想、続き。
其の壱は魅音発案の部活メンバー、同窓会の前あたりまで。其の弐ではその後に沙都子が祭具殿の謎の光に導かれてに入ったあとの話を書いておきたい。
その先では突如、カケラの世界にやってくることになる。そこで出会った人ならざる存在に、梨花と同じ…いやそれ以上の世界を繰り返す能力を与えられるという、今回の「業」「卒」の世界の根幹となる話だ。
だが、ここではあえて語らない。語りたいのは鉄平と三四の話だ。
視聴済みの人たちにはもう知っての通りだが、「業」からの雛見沢ではそれまでで悪役だった人たちが改心していく。かつての圭一、レナ、詩音がそうだったように、別のカケラの世界での出来事を部分的にとはいえ、記憶していたことに端を発する。
三四はもちろんそうだが、鉄平も沙都子に対しての仕打ちは許されるべきものでは決してない。だが、それでも改心してやり直す機会を図らずとも得ることで、まっとうな人生を歩もうとし、そして歩むことになる姿を見るとは思いもしなかったので、正直嬉しかった。それを描いてくれたことだけでも「業」「卒」はとても意義のあることだと、一挙放送を見てきた今にしたら思う。(「郷壊し編」としても、話全体としては納得いくものではないにしても)
「業」の放送当初、鉄平のての字すら出ていない時に、鉄平を面白半分だろうが、もてはやす声がなぜかあって、それは全く理解のできない現象だった。だが、ここにきての「きれいな」鉄平である。最初から想定していたのかどうかわからないが、そんな彼を生み出したのは良かった。
三四にしても、そうだ。「おじいちゃん」のためにと思って始めた一連の行動、やがて醜悪なものに変容してしまったそれを正すのはやはり「おじいちゃん」だったのだ。ループした記憶がきっかけになったかもしれないが、あんな手紙を遺してくれていた「おじいちゃん」もこれでちゃんと安心できるだろう。
それに反して、沙都子。どうしちゃったんだと言わざるを得ない。発症のようにも見えるが、別の何かになってしまっている。「業」「卒」の沙都子を見て、見限った人もいるかとは思う。だが、いま改めてみると赤目になったならないは関係なく、ここの時点でもう”沙都子の姿をした何か”であって沙都子ではないと思っていいのかもしれない。ゆえに、沙都子は嫌いにはならないし、ただ単に似た何かが嫌いなのだ。
それはともかく、指パッチンは相変わらず解せない。何度も死んでる、とも受け止めはするが、実際にその場で死んだとしても、トランプの位置を覚えるだけでなく、全く同じルートを(同じ日、同じ場所、同じゲームをやる、誰にも邪魔されず、さらにトランプの位置も全く同じ)を辿り、完全勝利までくり返すっていうのはさすがに無理だろう。もし納得のいく説明があるなら聞いてみたい。(ほかの連続指パッチンも同様)
ただ、説明をしてくれたとしても、納得できないかもしれない。作品の中で語ってほしいときっと思ってしまうからだ。なぜ語ってくれなかったのかな?·····かな。
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