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旅、それは修行

「しばらく修行してきます」
ひと言だけTwitterに呟きました。

約10日間、日本を離れました。
2年ぶりにヨーロッパの土を踏み、空気を吸い、全身で音楽を感じた修行の日々。
マスタークラス(日本語に訳するのがなんとなく難しいけれど、海外音大の教授の特別レッスン=実技講義・指導を短期間に受けることができるコース、セミナーのこと)を受け、朝から晩まで音楽に溢れた生活をまたできたこと。嬉しくて、感動して泣きそう、とか思いながら毎日を全力で過ごしてきました。

私にとって、マスタークラスは「修行」。海外に行くことも、「修行」。
言語の違う土地で生き延びるということから始まり、数々のトラブルに自分で対応し、いつもとは違う言語でレッスンを受け昇華していく、そしてちゃんと帰る。
音楽の面で鍛え上げられるのと同時に、生活で「人」の部分を徹底的に見直したり、普段の生活や文化との違いを痛感すること、全てを含んで修行だと思いながらいつもその土地に降り立ちます。自分がアジア人であり、日本人であるということ。彼ら彼女らから見たら私は外国人であり、違う文化背景を持っている人であることを毎回いろんな角度から感じます。
例えば、パン屋さんに入っても見るからにアジア人の私は優先度が低くてなかなか注文を取ってもらえない。(こともあります!もちろん優しいパン屋さんもあります!)さあ私の番がきたと思っても背の高いカウンター越しでは意思疎通が難しくて、全然違うパンを渡されたこと。スーパーのレジではあたふたして舌打ちされたこともあったし、電車のチケットを買うのに英語表記がなく必死に解読していたら、電車を逃したことも。四苦八苦しながら、生きることの難しさや生活をしていくことの大変さを思い知らされる日々。

違う文化の中で生活をする。その上に音楽がある。
人々の生活の営みを間近で見て感じて、音楽を感じる。それをするには旅行気分でふわふわと動けば一瞬で通り過ぎてしまう、見逃してしまうと私は思うのです。
「海外に行きます」ではなく「修行」という言葉にこだわるのも、ただの旅ではないから。その土地に足をつけて、その土地の色に染まって、そこから見える音楽があるから。そんなことを思いながら、次の修行に向けて一歩ずつ進む毎日です。

Danke!

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