8. あまり深く考え込まず。あくび禁止の安静入院(外リンパ瘻 発症7日目)
難聴治療、入院4日目。
朝はたいてい5時くらいに自然に目が覚める(21時に寝てるから)。大部屋には自分一人がポツンと寝てるため、1日は無音で始まる。毎朝起きると、聴覚が戻っているかも…と期待が脳内を駆け回る。
ベッド柵をカチカチと爪で軽く叩く。何も聞こえない。携帯のケースを耳元でコツコツと指で打ち鳴らしてみる。
何も聞こえない。
昨日と何も変わらない。右耳から首にかけてぎっしりと詰まった閉塞感も変わらない。
入院して、いつからか目眩もでてきた。
めまいというと貧血の時のようなクラクラする感じなのかと思っていたら違った。頭が揺れたり音が聞こえると不意に眼球が勝手に振動してしまうような鋭いめまいだ。平衡感覚もおかしい。もしこんな状態で退院したらどうなるのだろうか。
先のことはあまり深く考えないように。
幸いじっとしていると目眩はない。
午後、担当の先生が「今日はどうですか?」声をかけに来てくれた。この先生は入院してからほぼ毎日お話に来てくれる。今日の症状、今後の見通し、今不安なこと、今の仕事のことなどちょっとした世間話もする。
「耳に負荷がかからないようにしましょうね。あくびも、咳も、くしゃみも我慢、我慢。」と先生が念押しする。
入院してから耳に圧がかかることは避けて過ごしてきた。こんな状況になって初めて耳の圧の調整能力はすごいことに気づく。頭を下げる、あくびをする、くしゃみをする、咳をする、腹圧をかける、そのどれもが耳の内圧調整に関係する。内耳が微妙な圧の調整をしてくれている。
今は自分の行動で耳の内圧が上がらないように注意して過ごしている。
本を読んでいたり、ルービックキューブを回していたり、ふと考え込んだりしていると、無意識にあくびがでそうになることがしばしばある。眠い時や疲れた時に出るあくびとは少し種類が違うのかもしれない。例えるなら、脳が耳の閉塞感を感知して体が勝手にあくびをしようとする感じかもしれない。この「無意識あくびモード」にスイッチが入らないよう気をつけて過ごす。
あくびが出るほど没頭しすぎないように。
深く考え込まないように。
投薬内容(ステロイド点滴4日目)
点滴: 水溶性プレドニン50mg+ソリタT1(200ml)
内服薬:カルナクリン錠、メチコバール、ムコスタ、キプレス、ネキシウムカプセル、アデホスコーワ、マグミット、アレロック(どれか間違っているかも)