レビュー「wowaka/ローリンガール」本能に響く音楽
(※このレビューはあくまでも個人の感想(および妄想含む)です。)
前回記事でざっくりとした印象のレビューを書いたが、その後繰り返し聴いていて気づいたことや改めて素敵だと思ったポイントなどを書きたい。
ローリンガール
この「ローリンガール」、嵐のような激しさがあるのに、美しいんだなー。
なんでだろう。
命をたぎらせて奏でている、そういう印象をうけるからなのかもしれない。
救急車のサイレン!?
前奏のところで感じたのは「救急車のサイレンに聞こえる箇所がある」ということ。
Niisan【ピアノ楽譜 アレンジ】さんのチャンネル「ローリンガール/ wowaka 【ピアノ楽譜 上級】」の動画だと、0:05あたりのところ。
調べたところ、高音の「シ」と「ソ」の組み合わせは救急車のサイレンと同じ音だった。※あらためて確認したところ、原曲は「シ」と「ファ#」でした。
Niisan【ピアノ楽譜 アレンジ】さんのチャンネル
下り坂
音だけ聞いていた時は気付かなかったが、譜面を見て気づいた。
Niisan【ピアノ楽譜 アレンジ】さんのチャンネル動画でいうと0:09あたりの直線の斜め線がある。
高い音から低い音にかけて滑らかに一気に弾くところだ。
グリッサンドという名称の弾き方らしい。
歌詞の内容に合わせるかのような下り坂だ。
転石苔むさず
歌を聞いていて、この諺が浮かんだ。
2つの異なる意味がある。
【1】転々と職業や住居を変える人は、成功できない
【2】絶えず活動している人は、常に清新でいられる
聴く人によって全く異なる解釈が生まれるのは、このような理由もあるのだと思う。
「もう失敗」
不謹慎かもしれないが、「もう失敗」が「もう◯にたい」に聞こえるときがあった。
本来、「もう失敗」という言葉はあまり使用されない気がするので違和感がある。
あえてこの言葉を使用する場面を考えると、
成功するのが難しいことをやっていて「あー、(初めてからすぐのタイミングで)もう失敗しちゃった」
という場面かなあと思う。
勝手な想像だが、「もう◯にたい」が先に言葉としてあって、それをカモフラージュする意味であえて別の言葉に変えているのかなと思った。
特にメロディのここが好き!!
短い音が2個続くところ
・1小節目のはじまり2音(タッター)
・最後の小節の2音(タタン)
歌詞では「今」に当たるところ。
存在感の在る音符
ここが芸の細かさ、繊細さ、不思議な魅力と光を感じるところ。
(複数あるが、1小節目でいうと、最後の3つ(4つ!?)のつながった音符)
無くても十分素敵だが、これがあることで100%が150%になるくらい、ここがあるか無いかで全く曲の印象が変わる気がする。
3分10秒
MVで最後の「今」の歌い終わりは3:10。
米津さんの誕生日(3月10日)と同じだ。(偶然だろうか!?)
ゆゆうたさんの演奏が良い!
力強さと勢い、憂い、ひたむきさ、情熱を感じる奏法がこの曲には最も合っていると思った。
素人の私が言うのは失礼を承知の上で、「上手く弾こう」と小さくまとまるよりも気持ちで弾いている感じがして気持ちがいい。
私もピアノが弾けたらなあ。。。
wowakaさんは戦っていたのかもしれない
完全に私の憶測なのだけれど、この曲を聞いて胸が締め付けられる思いがするのは、彼が戦っていたからかもしれない。
例えば、うつ病。
本人の意思ではどうすることもできない。
創作の力に変えて、必死に抗っていたのかもしれない。
仮にそうだったとして、そういう曲だったとして、それは同じような悩みを抱える人の希望になることもあると思う。
「自分だけじゃないんだ」という。
仮にテーマが重いものだったとしても、悲しい曲ではなく、救いの曲として私は聴きたいと思った。
救急車は救急に救命するための車だ。
不吉なものではない、ピンチに陥っている人を救うためのものだから。
他のレビューはこちら。
https://note.com/kuno_q/n/n3ff47b9fee59
参考サイト
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