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再び訪れた飛騨国分寺

母の大病が分かり抗がん剤を初める前に姉と3人で訪れた飛騨国分寺にお礼参りと称して行く事にした。
飛騨国分寺は奈良時代に建立され本堂は国の指定重要文化財とされているそうです。
国分寺の堺内には大イチョウの木や三重塔などもあり歴史的な趣きを感じる。そして門前には飛騨高山の代表する民芸品であるさるぼぼが吊り下げられているそうです。さるぼぼの由来は猿の赤ちゃんとして縁起の良いものとされて親しまれいるそんな所で海外からの観光客が多かったように感じた。

母を連れて初めて訪れたのは今年の3月で抗がん剤治療を始める一週間前だった。母は藁をもすがる思いで訪れたその時の様子を書いてみた

本堂の中 踏み入れた足元から
暖かい光に包まれた
母さんのお腹の中にいるような
穏やかで 静寂

母の必死な祈り
震える身体をそっと抱き重ね
祈る
願う
拝む

ただ分からない
言葉が消える
浮かんでは消え
浮かんでは消える

こうして皆
また子宮の中へと
帰ってく
繰り返し
繰り返し
そっと愛おしく
お釈迦様に諭される

母はその後、抗がん剤の治療を受け続けている。
お陰様で副作用も酷いものでも無いらしく腫瘍も少し小さくなった。だからと言ってガンが消える訳でも無いし、病院へ行く事を拒否したりと心との調和もまた難しい。母にしか分からない葛藤がそこにある。でも、またこうやって飛騨国分寺へ来る事が出来た事に感謝した。
母のありがとうが尚、嬉しい。

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