海外営業って楽しい! 3. やっぱり売るのはモノです
営業の世界では良く「モノを売るより自分を売れ」と言われます。
これはある意味正しいです。
敢えて「ある意味」としたのは、自分を売るのはモノを売るための手段であって、これが逆転してはいけません。
簡単な話です。モノを売らないとお金はもらえません。
最終的にはモノを売らないと自分を売っても意味がありません。
ここで質問です。
あなたが何か購入したいと思い、調べたところA社とB社の製品があることがわかりました。どちらも性能・値段ともに同等レベルです。
A社の営業マンをaさんとします。B社の営業マンをbさんとします。
その1
aさんはあなたのところに頻繁に顔を出し時々一緒に食事したりする仲です
bさんは今回の件で初めて会いました
あなたならaさんとbさん、どちらから買いますか?
ほぼ間違いなくaさんでしょう。
その2
aさんはあなたの質問に答えられずその都度会社に電話して聞いていました
bさんはあなたの質問について、全てその場で明確に回答しました
あなたならaさんとbさん、どちらから買いますか?
ほぼ間違いなくbさんでしょう。
その3
aさんはあなたのところに頻繁に顔を出し時々一緒に食事したりする仲です
aさんはあなたの質問に答えられずその都度会社に電話して聞いていました
bさんは今回の件で初めて会いました
bさんはあなたの質問について、全てその場で明確に回答しました
あなたならaさんとbさん、どちらから買いますか?
これは意見が分かれる気がしますが、私だったらbさんを第一候補に考えます。
何かを購入する時、購入する側は不安なのです。
本当にこれはいい商品なのか、買って後悔しないか。
ましてや仕事です。自分だけでなく他の従業員や家族の生活もかかっています。間違った判断をするわけにはいきません。
不安なお客さんを相手に、不安を安心に変えることが出来れば、お客さんから見ればあなたは素晴らしい営業マンに見えます。
そのためには、bさんのような深い商品知識が不可欠なのです。
「No.2 海外営業って何する仕事?」でも書きましたが、自分が扱う商品について、これくらいは頭に入れておいた方がいいと思う情報を箇条書きにします。
・自分が扱う商品の市場動向などの情報や競合他社の情報
・商品の性能、出来れば他社製品との比較情報
・標準価格
・生産コスト (ただし、絶対にお客さんの前で言ってはいけません!)
・生産工程
・主要部品の仕入れ先
・現時点での工場や仕入先の状況を考慮した生産リードタイム
・過去に起きたトラブルとその解決方法
・お客さんが興味を持ってもらえそうな小ネタをいくつか
これだけのことをスラスラ説明出来たらもう本当に一人前です。
ですが、そんな簡単には出来ません。
普段から社内や仕入先と色んな話をして、一つずつ身に付けていくしかありません。
社内と言っても、製造現場や購買、品質管理、設計、開発など様々な部署がありますが、気になったり興味があることは遠慮せずどんどん聞いて回りましょう。
昼休みや休憩時間の雑談でも構いません。
こうした細かいことを積み重ねた結果、ようやく「自分」で「モノ」を売れるようになるのです。
商品知識は営業の最大・最強の武器です!
誰にも負けない武器を作り上げましょう!