海外営業って楽しい!13. ノープランで商談に行ってはいけません!
まず、しっかり肝に命じてください。
営業として海外出張に行くからには相応の結果を出さなければいけません。
ノープランで商談に行くなど、言語道断です!
海外営業ですので、お客さんと商談するためには海外に出張することになります。仕事ですので当然ですし、回数を重ねると感覚が麻痺してしまいますが、よく考えてください。
一回の海外出張でどれだけの経費がかかりますか?
その経費を取り返すために、売上はいくら必要ですか?
利益率10%としても、出張経費が50万円かかったら500万円の売上が必要です。つまり、あなたは会社の売上500万円を使って出張に行くわけです。
別の言い方をすれば、生産現場の人達はあなたの50万円の出張経費のために500万円分タダ働きすることになります。
私は最初の頃、仕事のやり方に慣れていなくて、海外出張に行っても注文が取れずに帰ってきたことがありました。その時、社長からこう言われました。
「会社の金で海外旅行してきて、注文書もなく報告書だけ出してくるなんて、お前は新聞記者か!」
全くその通りです。何も反論出来ません。
当然、周りの目も冷ややかになりますので、非常に気まずい思いをしました。
以前も書きましたが、私の出張スタイルは各客先に1~2泊して、一回の出張で大体10社前後訪問するというものでした。
上記の反省を踏まえ、私が商談に向けての準備していたことをリストアップします。
皆さんの会社はまた違った出張スタイルかもしれませんので、その場合は参考情報として読んで頂ければと思います。
1. 最低2~3社、事前に注文を決めておく
前述の通り、出張に行くからには成果を出さなければなりません。
ですが、現地へ行ってそこからスタートでは遅すぎます。
出張前の段階で、ほぼ確定までお客さんと話を進めておいて、現地では注文書にサインしてもらうだけ、と言うところまで進めておきます。
最後にもう一声値引きしろ、と言われる場合も多いですが、それも想定して、その場で注文書を作り直してプリントアウトしてもらい、サインしてもらうようにしておきました。
これは最優先で取り組んでいました。
2. オーダープランをもらう
季節性のある商品の場合、時期を外すとたとえ訪問しても注文にはなりません。春によく売れる商品を買ってくれるお客さんの所へ夏に訪問しても、注文など出ません。
かと言って、注文が出る時だけ訪問するわけにも行きませんので、そのような場合は今年の売れ行きから想定した来シーズンのオーダープランをもらうようにしていました。
もちろん、これも事前にお客さんと調整済で、出張前には既にわかっているのですが、出張の結果として報告書に書くためです。
3. 最低一カ国は新規の訪問先を予定に入れる
後ほど書きますが、新規開拓は非常に重要です。
今後のためにも、各出張中に最低一カ国は新規の訪問先をスケジュールしていました。
先ほど書いた1.で、ある程度の実績が出せる事は確実なので、今回の出張でお金にならない国を一カ国訪問したところで、文句を言われる筋合いはありませんし、将来のためには必要な事です。
4. 日本と連絡の取れる時間帯を作る
現地で自分の決裁権を超えた要求をされた場合、どうしても上司に確認を取らないといけません。もちろん事前に上司とは擦り合わせをしてから出張に行くのですが、全てが予定通り進むわけがありません。
後日改めて回答します、などとやっていると、永遠に注文は決まりませんし、こいつには決裁権がないから話してもムダだと思われかねません。
私が欧米担当時に気を付けていたのは、最低でも一客先で2日は時間を取り、初日で決まらなかったら夜のうちに日本と相談して、翌日に決める、と言うことでした。
見落としがちですが、現地から日本へ連絡出来る時間を作ると言うことは非常に大事です。
最初は社長に怒られるのが嫌だったので、何とかしようと思って上記の1~4を考え付いて実践していたのですが、改めて見返してみると、当然のことですね。
やっぱり、痛い目に遭って、何とかしようと言う気持ちにならないと良いアイデアは出て来ません。
その意味では、最初に社長に叱られた事はその後の海外出張の在り方を見直す良い機会となりました。
私の場合は大体2ヶ月ごとに海外出張していたと書きましたが、日本にいる間は次の出張に向けてひたすら1~3の準備をしていました。
海外出張は気軽に行くものではありませんのでそれなりの準備が必要です。
経費の話を書きましたので、参考までに実際どのくらいの経費がかかっていたのか、実例を挙げます。
唯一残っていた旅費精算書があるのですが、ある年にドイツ→カナダ→アメリカ(展示会)と約3週間出張した時の経費が下の表です。
お金が絡む生々しい話なので、ここからは有料にします。
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