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生成AIを使って楽して上級ビジネス英語を【元外交官のグローバルキャリア】

英語の長い論文を読むのに苦労している人はこんなところにもいた。まさかの野口悠紀雄名誉教授だ。

野口先生ご本人が本当のところ苦労してくるかは分からないが「日本人にとっては」と括っている。 

同名誉教授は、日本人の英語力「世界92位」凋落は国際競争力低下と“連動”、弱点克服ツールはChatGPT!? | 一筆とっている。私はダイヤモンド・オンラインに無料会員登録すらしていないので記事の全貌は掴めていない。

国際語学教育機関・EFエデュケーション・ファースト(本部・スイス)の2024年調査が24年11月13日に発表された。それによると、英語を母国語としない116カ国・地域のうち、日本人の英語力は92位だった。アジア23カ国・地域では16位だ。

https://diamond.jp/articles/-/355561

生成AIのおかげで、令和の今は上級ビジネス英語話者が英語力を容易に補完できる時代になった。

昭和時代の商社マンのMBA

1980年代に父が勤める商社の出張者の方とジャカルタの我が家で食卓を囲んだ。MITのスローンスクールでMBAを取ったという方で父の先輩だったと思う。MBA時代の話になって、こう言われた。
「MBAではすごい量の読書の課題が出されるんですよ。そんなの自分の英語を読む速度じゃ読みきれない。そこで、各章の最初と最後を読めば良いことに気がついた。そこに大事なことが書いてあるから、そこをとりあえず読む。そうすればなんとか授業にもついていけるんですよ。」

この言葉を脳裏に収めて、その約20年後に私はワシントンの大学院に行った。

高校時代に不慣れな英語で国際バカロレアは取ったものの、コツコツと勉強することなく、要領で乗り切ってきた。MBA取得商社マンの教えを曲がって捉えて、課題図書は読みきれないもの、と割り切って国際公共政策の修士に挑んだ。

平成時代に覚えた勉強の仕方

「課題なんて読みきれないよね」と飲み会に行きすがらアメリカ人の悪友に持ちかけた。

ネイサンは大学時代は弱小校とはいえアメフトの選手で、卒業後はゴールドマンサックス、ヘッジファンドに勤めた当時のアメリカの王道。彼は大学院生活を、厳しい社会人生活の合間に遊ぶ期間だと捉えていた。平日でもパーティーを見つけてきては私を含めた仲間を連れ回していた。金曜日の晩に「家で課題に取り組む」と誘いを断ると非難轟々だった。

ネイサンは「俺は課題は全部読んでるよ」と答えた。デュアル修士プログラムの一員で、修士と同時にMBAも取る彼は、必須単位教科の他に、単位にならない聴講クラスも取っている。

「まさか聴講クラスの課題は読んでないよね?」と聞くと、「I do all my readings. 読まなきゃ授業を取る意味がないじゃん」と返された。

唖然とした私は、心を入れ替えた。私に足りないのは英語力ではなくて集中力だった。

大学院に入学してすぐは、会社に行かずに読書していれば良いなんて!とホクホクとアパートでソファに寝そべって課題を読んでいた。気がつけば、読書が昼寝時間に代わっている事が多かった。斜めにつらつら読んでいる内容は頭にほとんど入っていない。

そこで、自宅から出て勉強する事にした。

コーヒーショップで勉強しているジョナサンに混ぜてもらうことにした。周りに影響されて1、2時間はじっくりと課題を読むようになった。

「読みながら重要なところにアンダーラインして、マージンに自分にメモするんだよ。Otherwise, you forget. 」後に米外交官になったジョナサンが諭した。 そういうものか、と思ってもアンダーラインするところが目に飛び込まないのだ。単純にそれまでの学術本の読書量が不足していた。

和訳本で乗り切った昭和時代の国際バカロレア

高校時代に国際バカロレアのA言語世界文学クラスを取っていた時の読書量も半端ではなかった。手に入るジョン・スタインベックなどの課題図書は日本語の文庫本を入手して、漢字を拾って速読に努めた。日本語でも英語でもよく理解できないアンナ・カレーニナはソ連文化センターでロシア語の映画を観てもまだ分からなかった。卒業課題には川端康成を選んだ。

振り返れば随分とハンディがある中での奮闘だった。ドイツで小学校に入学し、日本で数年間公立校に通い、インターナショナルスクールで高校を卒業した私は、成績は悪くて仕方ない、くらいに思っていた。 
日本の大学時代を含めてどこでも、それまで使っていなかった言語でのサバイバルだった。外務省に入省した頃でさえ、6年ぶりの久しぶりの日本語、しかも法令用語を駆使しての勤務だった。「まるで電報みたいな冷たいメール文章だった。」と最近になって、飲み会の席で明かした県職員の人もいた。

アメリカの大学院に入った時は、直前まで業務で使っていた言語と合致した。それまでの4年半は東京のアメリカ大使館で英語で文章を作成していた。

令和時代、こんなプロンプトを使えば

今であればきっと膨大な読書量に途方に暮れることはない。生成AIが手伝ってくれる。

長文の論文を読み解くには、こんなふうにプロンプトを出せば良いのじゃないか。

You are an expert and a college professor in this field. /You are the author of this piece.
Please summarize the main arguments of this paper in a few bullet points.
Please give me an abstract of this paper.
Can you explain the content to an educated layperson?
I am not a native English speaker but I understand the issues well.
Can you rephrase the main points to an educated audience whose native tongue is Japanese?

せっかくなので、翻訳機能に頼らないでまずは英語でまとめてもらう事をお勧めする。そうやって数をこなしていく内に、英文での高度な学術論文でさえもするする頭に入ってくる様になるだろう。



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