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巨人の肩の一部になる(論文が初めて引用された件)

先日、人生で初めて自分の論文が第三者に引用されるという出来事がありました。研究者というのは論文が引用されることに喜びを見出す生物らしく、当然めちゃくちゃ喜んでいます。

というのもここ1年は研究活動に力を入れている関係上、Researchmapでの業績管理をかなり細かくしているのですが、更新作業中に自身の論文が第三者に引用されていることに気が付きました。

引用されている論文はMDPI-Multimodal Technologies and Interactionという学術誌の「Exploring the Potential of Immersive Virtual Reality in Italian Schools: A Practical Workshop with High School Teachers(意訳:イタリアの学校における没入型バーチャルリアリティの可能性探求: 高校教師との実践ワークショップ)」というものです。

引用部分を見てみると、introduction部分の「そもそもVRを使う意味とは?」という現状説明部分に使われているようです。[30]が私の論文ですが、[30]の研究によると、VRはSDGsの教育に関する目標の実現に寄与することが示されている~という形で使われています。その後の具体例も私の論文でまとめていた部分なので、おそらく参考にしてもらえたのではないかなと思っています。

In [30], the authors show that virtual reality can appropriately support different SDGs, particularly Goal 4. It can ensure inclusive and equitable quality education and promote lifelong learning opportunities for all by offering educational programs. For instance, VR can simulate real-life scenarios and provide hands-on training for students in fields such as medicine, engineering, and architecture. Additionally, VR can grant access to educational resources and experiences not readily available in traditional classrooms, such as virtual field trips to historical sites or museums. By providing inclusive and equitable access to quality education, VR can contribute to promoting lifelong learning opportunities for all.

Romano, M.; Frolli, A.; Aloisio, A.; Russello, C.; Rega, A.; Cerciello, F.; Bisogni, F. Exploring the Potential of Immersive Virtual Reality in Italian Schools: A Practical Workshop with High School Teachers. Multimodal Technol. Interact. 2023, 7, 111. https://doi.org/10.3390/mti7120111

そもそも、私が国連STIフォーラム(国際会議)に論文を投稿したのは、研究にもSDGsなどの社会貢献性が求められつつある中で、「VRが持つSDGs実現の可能性」を研究論文という形で分かりやすく世に発信したかったというのがあります。

結果として早くも外国の有名ジャーナル論文に引用されたので、大成功というか、やっぱり論文書いてよかったな~と思います。分野にもよりますが査読は3か月程度かかるのが一般的なので、もしかしたら来年からぽつぽつと引用してくれた論文が刊行されるかもしれません。

慶應義塾大学創設者の福澤先生は門下生に「慶應義塾は単に一所の学塾として自から甘んずるを得ず。其目的は我日本国中に於ける気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し、之を実際にしては居家、処世、立国の本旨を明にして、之を口に言ふのみにあらず、躬行実践、以て全社会の先導者たらんことを欲するものなり」と説かれました。

口だけでなく実際に論文を書き、NPO代表として行政機関と調査活動を行うなど、今年はかなり大きな成果をあげれたと考えています。また、予稿審査を通過している論文が1本控えているので、そちらも来年には刊行できると思います。(プラス、共著を2本執筆中…)

それではよいお年を!


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