Jikka の食の支援・フードパントリー
フードパントリーって何?
食の支援ですぐ思い浮かぶのは「子ども食堂」ですね。 Jikka でも、給食のない学校の長期休み期間に「子ども朝ごはん」を何年も開催してきました。残念ながらコロナ禍の中、人が集まって食事する行為が感染を広げてしまうおそれから中止となってしまいました。
一緒に食べるのではなく、食品を集めて配る活動が、フードバンク/フードパントリー/フードドライブなどです。
「フードバンク」とは、企業などから食品を集めて保管し、直接配付するパントリー団体等に渡す活動であり、「フードパントリー」は、フードバンク等から得た食品を、生活困窮者等に無償で配付する活動です。「フードドライブ」は、家庭などで使い切れずに余った賞味期限前の食品を持ち寄り欲しい人に持ち帰ってもらう、捨てるのはもったいないというフードロスをなくす活動です。渡す相手は困窮者に限りません。
Jikka が現在行なっている食の支援は、フードパントリー、オープンスペースの利用者への昼食提供(離れた席で黙食)、多子家庭等への料理のデリバリー等々。そのなかで、今回はパントリーのお話です。
Jikka のフードパントリーは2018年から月2回のペースで開催しています。Jikka の相談支援を受けている利用者さんたちだけでなく、国立市福祉総合相談ふくふく担当、福祉サービス事業所などの支援団体の相談員等からの「食の支援の必要な方です」という紹介状があれば、お渡しする予約制です。毎回平均25世帯40名ほどに提供しています。
毎回、缶詰・レトルト食品・お菓子・ドリンク類などがスーパーのカゴいっぱいに届きます。食べ盛りの子がたくさんいるお宅はお米、グラノーラなど「いくらあっても足りないくらい。助かります!」と喜んでいます。高級なお菓子が入っていた時は皆の歓声があがったり、災害用のアルファ米などは、おいしく食べるための工夫を教えあったりして、パントリーは食べ物を通じての交流の場にもなっています。
Jikkaフードパントリー そもそもの始まり
2018年当時、日本初の老舗フードバンク、セカンドハーベスト・ジャパン(2HJ)で働いていた私の友人から、Jikka のオープンスペースでパントリーを始めないかと声を掛けられたのがそもそもの始まりです。その頃はまだ2HJが「パントリーってご存じですか? 一緒にやってみたい団体さんはいませんか?」と一生懸命啓発・開拓をしていた時期でした。そして、国立までは2HJで配送の手配が可能であるということでスタートしました。その後、ご自分の配送ルートに Jikka を入れてくださったドライバーさんに引き継がれ、それから5年間、Jikka を頼って何も持たず着の身着のままで逃げてきた女性たちや、生活困窮者の食生活を連綿と支えてくれました。
ところが…存続の危機!
Jikka はそのドライバーさんの献身的協力で5年間食品を運び続けていただいていましたが、どうしてもご事情で中止せざるを得なくなったとの連絡を突然、受けました。あわてて2HJに、国立まで食品を運んでいただけるという前提条件で始めたことなので他の配送の手配をしてもらえないかと交渉しましたが、2HJもスタートした頃と比べ、世の中の格差がますます拡大し食の支援への需要も急上昇、そこにさらにコロナ禍が後押しして、今では東京・埼玉・神奈川で200か所以上のパントリーに食品を供給するという大所帯となっており、到底手が回らないとの返事。現在、どのパントリー拠点も2HJの倉庫まで自前で食品を取りに行くことになっているのです。
さあ、どうしよう!? 中止の連絡を受けたのが7月で、8月いっぱいまでとのお話でした。
拾う神あり?!
そこに転がり込んできたのが、全国社会福祉協議会の、コロナ禍の影響等により困窮する世帯等への食生活緊急支援の助成金、上限30万円の情報。とりあえず、ドライバーを担ってくれる人を探す間のつなぎに、主に食品の購入代金にあてようと申請することにしました。必要書類を整え、申請理由にこちらの事情をそのまま書いた申請書を提出、この9月になって助成決定通知が来ました!
食品の購入はこれからですが、いつもと違い食品を選んで購入できるのだから、ちょっと嬉しいスイーツとか果物を加えようか等と考え中です。
そうこうするうちに、運転を担うことを考えてもよいという方が現れました。国立市の主催で市内の食の支援をしている団体等の交流のための集まりで出会った、配送などの経験豊富な方です。
そしてまた、2HJからも、当初からのパントリー協力者であり、配送を担ってもらうことの謝礼の気持ちとしての協力金も払って来た Jikka の事情を汲んで、なんとか年度末までの配送について確保しましょうとの連絡が来たのです。首の皮がつながり、年度末までの間、対応を考える時間ができました。
そもそも国立から2HJの倉庫のある浅草橋までの距離を往復し食品を取りに行くこと自体、環境に良いことではありません。地域の力で食の支援体制を生み出すことができれば、より強い地域コミュニティを生み出すこととなるでしょう。そういうことを考える時間としたいと思います。
Jikka の支援はいつも波乱万丈、綱渡りの日々なのですが、食の支援でも今回は同様の、待ったなしのあたふたを経験しました。
とはいえ、どこからか助けがやって来たりして、なんとかかんとか、現場はまわっております。食の支援について、地域のみなさまのアイデア、ご協力を大々募集いたします!
また、食の支援を続けるには、資金ももちろん必要です。みなさまからのご寄付のご支援もお願い申し上げます。(Jikka フードパントリー担当 石原みき子)
※ご寄付はこちらからお願いいたします。