DVを受けるのは「被害者にも悪いところがあるから」なのか?
DVを受けるのは被害者にも悪いところがあるから?
これはよく言われることです。被害者自身も、「自分が悪いから殴られても仕方がない」と言う人がいます。
どんな人も完璧ではありません。長所も短所もあっての人間なのだから、人間関係で、一方が100%正しく一方が100%悪い人間関係なんてありえません。それを、「相手が悪い」と決めつけることができる力関係が成立してしまうのがDVです。
仮に、一方がひどいことを言ったり傷つけるようなことをしたとしても、暴力でその相手を黙らせようとするのは間違った「解決」の仕方です。家族であっても恋人であっても、相手に暴力をふるったら犯罪です。DVの定義は、〈親密な間柄で繰り返される暴力〉です。暴力を用いて相手を支配したりコントロールすることは許されないということです。
この世に「殴られても仕方がない」人などいない
女性たちの多くは、幼い頃から、「女らしく」「可愛く」「おとなしく」ふるまい生きるのが愛される条件であると、家庭や社会から「あるべき姿」を刷り込まれ、そのようにできない女性は「ダメな女、劣った女」とレッテルを貼られてきています。とくに、妻や母になるとそのレッテル貼りはより強化されます。家事や育児が苦手だったりすると、「女として自分はダメだから、殴られても仕方ない」と思ってしまうのです。
女性が当たり前に「自分らしく」いられ、自分の生き方を自分で選べる社会にならない限り、社会的立場が弱い、性別役割が押し付けられている女性のDV被害はなくなりません。女性のDV被害をなくすには、被害を受けた女性が自分自身の尊厳を取り戻し、社会にその被害の理不尽さを告発していくことが必要です。 逃げて隠れるだけでなく、被害女性が堂々と生きていける価値観と現実のしくみが求められています。 繰り返します。この世に「殴られても仕方がない」人などいません。どんな理由もDVが許される理由にはならないのです。自尊心を失わないで下さい。
(Jikka責任者・遠藤良子)
※トップ画像は利用者さんが制作しました。
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