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満身創痍のTrip 35、でもまだ撮れる

サブのフィルムカメラとして使っていたOlympus Trip 35、最近になってえらく不調になってしまった。まず、露出アンダーを示すサインであるいわゆる「赤ベロ」が出ない。さらに、どうやら絞りが絞り込まれた状態(多分f16かf22)のまま動いていない。

というわけで、どういうことになるかというと、オートで撮るとほとんど極端な露出アンダーになる。例えばこんな感じ。

このカメラ、シャッター速度は250分の1か30分の1のみ、マニュアル撮影のときは30分の1固定になってしまう。なので基本はオート撮影であり、今のようにオート撮影が不調だと途端に使いにくくなってしまう。おまけに絞りが不調ではかなり辛い。なのだけど、某業者に修理の見積もり依頼をしてみたところ、中古でこれが何台か買えるくらいの額が出てきて、修理はとりあえずペンディング。気に入っているカメラだけど、中古でこれをもう一台買う気にはなれず。なんだけど、とある事情で、まだこのカメラで写真を撮っていきたい。

どうしようか、と考えていたとき、「旅するカメラ」という本で読んだ「感度分の16」という考え方を思い出した。これ、マニュアルで絞りやシャッター速度を決定するときの基本的な方針で、晴天のときはf16でシャッター速度をISO感度分の1にする、というもの。これを基準にして、曇天や日陰なら2段階上げる(絞りを開けたりシャッター速度を遅くする)、などと調整していく。これを今のTrip 35に当てはめると、仮にf16の状態で止まってしまっているなら、マニュアルモードならシャッター速度は30分の1だから、ISO100のフィルムなら1.5段階くらい露出オーバーの状態、ということになる。これくらいなら、現代のフィルムならなんとかカバーしてくれる範囲だろう。曇天や日陰ならちょうどいいくらいかもしれない。試して見る価値はある、と思い、手持ちのフジカラー業務用フィルム100で試してみた。

結果はほぼ予想通り。試したのがだいたい晴天の日だったので、だいたい適正に撮れている。このノートに載せたのはその写真の一部。スキャンデータの色調補正をがんばったこともあって、すごく鮮やかな写真が出てきた。余談だけど、フジの普及価格帯のカラーネガはスキャンしたままだとマゼンタがやたら強くなる傾向があって、この辺を補正するのに手間がかかる。

まあともあれ、この満身創痍のTrip 35でも、晴天や曇天くらいならなんとかまともな写真が撮れるような気がしてきた。機械式シャッターだから、まあ当分はこのまま撮れるだろう。

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