5枚の写真で語るフジカラーC200
不定期に投稿している「5枚の写真で語る」シリーズ、今回はフジカラーC200、富士フィルムが海外のみで販売しているISO200の普及版カラーネガフィルムである。
まず1枚めを見ながら特徴を述べてみたい。撮影機材はオリンパスのOM-1 × Zuiko 50mm f1.8、現像はカメラのキタムラにお願いした。OpticFilm 8200i + SilverFast 8のポジモードでスキャンしたあと、Affinity Photoで反転+自動レベル補正のみ行ったものである。
富士フィルムの普及帯カラーネガにありがちなマゼンタかぶりがほとんど見られず、きわめて自然でバランスの良い、落ち着いた発色である。
次に示すのは、この写真のネガ画像(オレンジベースの残った状態)のヒストグラムである。R, G, B各色の分布がかなり似た形をしている。このことは、ハイライトとシャドウを調整していくと、R, G, B各色の分布がほとんど重なる(すなわち特定の色に色被りしていない)可能性が高いことを表していると考えられる。
海外では同様の評価をしているサイトもある(例えばCarlos Garcia氏のレビュー)。一方日本では「青や緑が強い」という評価をしているサイトが多いように思われる。想像だが、他の富士フィルムのカラーネガの設定でこのフィルムをデータ化すると、マゼンタかぶりの補正が過度に行われ、マゼンタの反対色の緑、もしくは赤の反対色のシアンが強い色調になるのではないだろうか。
以下の写真でも分かるように、決して落ち着いた発色ばかりではなく、場面によっては鮮やかな発色も出る。しかし、極端な感じではなく、調和が取れている。36枚撮りで400〜500円前後で買える場合もあるので、それでこの発色なら、十分お買い得と思うが、いかがだろうか。
それにつけても、富士フィルムは、こんないいフィルムをなぜ日本で販売しないのだろうか。
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