#30 アンビバレント~2018年 暴走の秋 vol.3
「アンビバレント~2018年暴走の秋 VOL1 VOL2」の続きです。
と言うか、ここからが本題となるのだが。。。
尚、この記事もクニラの妄想全開で書くのでご了承下さい。
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センター交代論を黙らす程の完成度を見せた7枚目シングル「アンビバレント」
その曲を引っ提げて、いよいよ欅坂46の全国ツアーが始まった。
クニラが参戦したのは2018年9月5日。
全国ツアーの千秋楽である。
それまで福岡、新潟、横浜、神戸、そして幕張。
5会場10公演を終え、最後の1公演を残すのみとなった。
2018年欅共和国ライブも含めて、この全国ツアーの他会場でのライブの評判は、概ね好評であったのだが、その評判の良し悪しは、全てセンターの平手へ向けられたものである。
昨年末からのすったもんだが、何もなかったかのように、ファンやマスコミは、何も変わらなかった欅坂46の姿を当然のように受け止めていた。
しかし、クニラの妄想劇の中では、平手は既に変わってしまっている。
メンバーとの絆が切れてしまった平手にとって、このツアーは、改めて絆を結び直すか、そのまま解れたままになるのか。
それを試すか試さないかは平手次第なのだが、このツアーの後の「アンビバレント」における、TV等のプロモーション活動を見ていると、メンバーに見切りをつけたかの様に、明らかに無気力な活動となっている事は確かだった。
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さて、2018年9月5日のライブである。
会場は幕張メッセ3ホールぶち抜きで、メインステージ真ん中から花道が延び、ホール中央辺りに円形のセンターステージが設置されていた。
クニラの席は、その円形センターステージのど真ん中5列目ぐらい。
メンバーがセンターステージに来れば、肉眼で表情が見られる席だった。
このライブを振り返ってみても、書きたい事は1点しかないので、まずはセトリを先に書く。
【セトリ】※カッコ内はセンター
1.Student Dance(平手)
~ダンストラック
2.AM1:27(平手、小林、鈴本)
~ダンストラック
3.エキセントリック(平手)
~ダンストラック
4.ガラスを割れ!(平手)
MC
5.音楽室に片思い(長濱、小池、尾関)
6.制服と太陽(不在)
7.302号室(小林、土生)
8.二人セゾン(不在)
9.キミガイナイ(不在)
10.避雷針(不在)
11.もう森へ帰ろうか?(不在)
MC
12.I'm out(不在)
13.語るなら未来を...
14.サイレントマジョリティ(不在)
15.世界には愛しかない(不在)
16.風に吹かれても(不在)
17.アンビバレント(不在)
~アンコール~
18.手を繋いで帰ろうか(不在)
MC
19.危なっかしい計画(不在)
~Wアンコール~
MC(平手復帰)
20.W-KEYAKIZAKAの詩
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セトリは調べたが、感想は当時の感情そのままに、記憶のみで書く。
まず、overtureをやらなかった。
これは、後にも先にも、このツアー1回だけの演出だ。
しかも、「Student Dance」の演出で、サイリウムの点灯も禁止だった。
3曲目のエキセントリックまで禁止だった気がする。
しかも、点灯OKのサインが出ないので、恐る恐る点灯する感じで、会場が微妙な空気になったのを覚えている。
事件はその後である。
エキセントリックからは通常のライブに戻り、曲の序盤ではノリが戻らず、会場全体がソワソワしていたが、曲の終盤ではいつものノリも戻り、ようやく会場も温まってきた。
そして、満を持しての4曲目「ガラスを割れ!」
会場のボルテージが一気に上がる。
会場内が瞬時に赤一色。
そして、メインステージにて曲を披露するメンバー。
その瞬間は今でも覚えている。
曲の終盤で、花道を踊りながらセンターステージまで疾走して来る平手。
その姿に、これと言った違和感はない。
そう言う演出だろうと思って観ていた。
ただ、円形のメインステージに来てからは、少し違和感を感じた。
何故なら、平手のヘッドセットが外れているのが分かったからでもあるが、それ以上に彼女の目が完全にイっていたからだ。
少し平手の様子が変だなと思ったが、素晴らしいパフォーマンスであった事は確かだった。
それこそセンターステージ周辺の客は平手のパフォーマンスに狂喜乱舞していたし、クニラもスワションしたのを覚えている。
そして、曲が終わり、センターステージが暗転する。
ビジョンや遠くの席からは、会場が暗転して平手の姿は見えなくなったであろうが、クニラの席からは平手の挙動が肉眼で見えている。
フラフラしながら、センターステージの下手側に吸い寄せられていく平手。
ステージの端で止まるかと思いきや、そのまま、センターステージから落下して行った。
まるでスローモーションのように。
クニラは正直これも演出なのか?と思ったが、スタッフの慌てぶりで、事故だと分かる。
メインステージではMCが始まっていたが、その周辺の客は、それどころではなくザワザワとしている。
クニラもMCなどまったく耳に入らなかった。
これは演出なのか?事故なのか?
とにかく平手がステージから転落してスタッフに運ばれた事だけが事実だった。
その後、菅井のMCで平手が病院に運ばれた事を知るのだが、ライブは平手抜きで続いていく。
先に書いたセトリでは、センターを不在と書いているが、正直、誰かが代わりにセンターを務めていたかも知れない。
ただ、クニラは覚えていない。
せっかく平手のセンターでライブが観れると思っていた矢先の平手リタイアに、正直、憤慨していた。
平手の歌パートだけ抜けていたのは良く覚えている。
特に「サイレントマジョリティ」は違和感以外のなにものでもなかった。
「二人セゾン」での小池のソロダンスがアドリブだったとかも、後から知って、やはりこれは故意ではなく事故だったと分かった次第だ。
最後のWアンコールに間に合った平手だったが、クニラとしては特に感動もなかった。
なんなら号泣してるメンバーに対してもシラけ気味で観ていた。
唯一、隣の席に居た、クニラと同様に独りで来ていたサラリーマン男が、ナイスファイト(良い応援)だった事の方が印象深いライブとなってしまった。
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この「平手転落事件」は後に映画でも流させたし、円盤にも収録されている。
確かに、この転落は事故だったのだろう。
だた、それが事実だったとしても、果たして真実はどうだったのだろうか。
演出では「ガラスを割れ!」でセンターステージに行く予定はなかったらしい。
要するに平手のアドリブだ。
もし、あのまま、ステージから落ちなかった場合、平手はどうやって次のセトリに移るつもりでいたのだろうか。
花道を歩いて引き返すのだろうか。
それともセンターステージから普通に降りて、裏導線でメインステージに戻るのか。
そう考えると、平手の花道疾走は衝動だったのだろう。
それは何に対しての衝動だったのだろうか?
「ガラスを割れ!」と言う楽曲に対する衝動か?
それとも、諸々に対しての、やり場のない怒りに対しての衝動か?
クニラはこう考える。
それはメンバーに対するものだったのではないかと。
それはメンバーに対しての怒りなのか、励ましなのか、甘えなのか、信頼なのか、妥協なのか、切れた絆に対してなのか。。。
そんな感情が一気に溢れだしての衝動。
メインステージにメンバーを置き去りにして、自分だけセンターステージに疾走する構図は、それを表しているのではないか。
そもそも、フォーメーションを崩して、その場から離れる事など、アイドルグループにおいては、タブー中のタブーであり、他のメンバーからすれば迷惑以外のなにものでもない。
それを承知で走り出したのだから、メンバーに対してのメッセージ以外、考えられないではないか。
そして、センターステージで踊り終えた平手。
その様は、ステージから落ちてしまう程、錯乱状態ではなかった。
それなのに、まるで吸い込まれる様にステージから落ちていったのは、おそらく自殺に近い感情だったのではないか。
メインステージにメンバーを置き去りにして、独り花道を疾走した平手。
辿り着いた先で何が見えたのだろうか。
孤独か?絶望か?
なんであれ、2018年9月5日の平手は、見えない何かと戦っていた事は確かだった。
おわり。