#42 キュン~2019年 誕生の春 vol.2
前回の続きです。
「キュン~2019年 誕生の春 vol.1」
果たして「ひらがなけやき」とは何だったのか。
言える事は奇跡のアイドルグループであると言う事である。
大人の思惑だけで結成されただけの、アンダーにすら成れなかったアイドルグループ。
そんなグループが、遂に東京ドーム公演まで辿り着いた。
これはアイドル史に残る偉業であり、奇跡ではないだろうか。
いや、奇跡と言う一言で表すのは彼女達に失礼だろう。
彼女等が現状に腐らずに、周囲への感謝を忘れず、一つ一つ、与えられた仕事を全力で頑張り続けた努力の賜物であり、この結果は偶然ではなく必然なのだ。
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2019年2月11日。建国記念日。
この日に「ひらがなけやき」のSHOWROOM生配信を行う事が告知されていた。
クニラもリアタイで観ているのだが、ファンは当然、シングルデビューの発表であろう事は予想していた。
ただクニラは改名も予感していた。
何故なら「ひらがな」でデビューさせるとは、到底思えなかったから。
まぁ、今だから後だしになってしまうが、言うなれば、これはクニラの願望に近い。
配信メンバーは久美、美玲、柿崎、齊藤、加藤、小坂の5名。
キャプテンと歴代のセンター経験者と言う布陣に、ただならぬ決意を感じる。
進行はキャプテンの久美。
記者を会場に入れての公開配信であった。
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そして生配信は始まる。
発表は最初5つ。
メンバーが交代で発表していく。
①3.27デビューシングル発売。
②デビューシングルタイアップ(メチャカリ)決定。
③デビューカウントダウンライブ決定。
④オフィシャル単独ファンサイトオープン。
⑤デビューカウントダウンライブ先行受付。
シングルデビュー以外はそこまでのサプライズではない。
このまま、終わるのか?
そう思った時に、進行の久美に手カンペが渡される。
そして、お馴染みの重大発表VTR。
「けやき坂46」改名。
新グループ名は「日向坂46」
配信している6名のリアクションも様々だった。
齊藤京子は喜びを表したのに対して、柿崎は呆けたような表情だったのが忘れられない。
メンバー内でも改名積極派と改名消極派がおり、齊藤は積極派の最先方であり、柿崎は消極派であったと言われている。
そのスタンスがリアクションの差となったのだろう。
美玲の「3年は長かった」発言は、胸に詰まるものがある。
この年齢の3年間、しかも女子なら、最も輝けるかもしれない大事な時期を、大人に飼い殺された思いは悔しさでしかないだろう。
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メンバー内の改名に対する思いは様々だが、世間では圧倒的に改名賛成派が占めていたと思う。
クニラも当然賛成派だったのだが、改名に対する寂しさと、今後どうなるのかの不安が入り交じり、いってもたっても居られない気持ちになったのを記憶している。
(次の日、仕事を休んだ(笑))
クニラが不安になった理由は2つある。
1つは、今後「ひらがなけやき」の曲は封印されてしまうのかと言う事。
もう1つは、グッズ等を買い直さなければならないのかと言う金銭的な不安である(笑)
余談だが、「ひらがなけやき」の推しメンタオルのメンバー名表記は「ひらがな」である。
日向坂になって、1番新鮮で嬉しかったのは、メンバー名表記が「漢字」になった事であるが、実は日向坂名義でメンバー名表記が「ひらがな」の推しメンタオルが存在している。
けやき坂46最後の楽曲「君に話しておきたいこと」の推しメンタオルは、メンバー名表記が「ひらがな」でタオルの端には「HINATAZAKA」と書いてある。
クニラは丹生と美穂の2本持っているが、何となくレアだし、愛着もあるので、未だにライブに持っていく時がある。
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本題に戻すと、クニラの不安において、グッズに関しては冗談としても、「ひらがなけやき」楽曲を封印されてしまうのは御勘弁であった。
特に「誰跳べ」や「ノーオー」等のキラーチューンである。
日向坂からのファンは「ソンナコトナイヨ~」と思うかもしれないが、グループ名を変えると言う事はそう言う事であり、現に櫻坂は欅坂の楽曲は披露していない(青メリを除く)
まぁ、なんであれ、デビューカウントダウンライブに行けば方向性が分かる事なのだが。
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改名発表の際にチームカラーとロゴも発表された。
チームカラーは「水色」
ではなく「空色」と強調された。
そしてロゴマーク。
坂道でお馴染みの三角形が重なったロゴだが、欅坂のロゴの1番下の三角形が紫なのは乃木坂のチームカラーであり、リスペクトやチャレンジの意味が込められているからなのだが、それは日向坂も同じであった。
日向坂の場合、実は、紫(乃木坂)の三角形の上に、もう1つ緑(欅坂)の三角形が配置されるのかと思っていたが、それがなくて少し驚いた。
と、同時に、欅坂から完全に独立したのだと、嬉しさ7割、寂しさ3割ぐらいの感情になったのを覚えている。
因みに、この会見の際に、吉本坂も坂道グループの1つと数えられていたのは黒歴史だろう(笑)
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さて、デビューシングルである。
デビューシングル「キュン」の発売日は2019年3月27日ではあるが、その前(3月1日)に、メンバー勢揃いで(ひよたん以外)のSHOWROOM配信でタイトル発表とワンコーラスが解禁された。
そこで初めて日向坂のファンの総称が「おひさま」と命名される。
そしてデビューカウントダウンライブに向けて「キュン」のコールをメンバーが考案して、そのお手本が披露された。
若者には良いが、年配者に「キュンキュンキュン」とコールさせるのはキツイだろと、ファン界隈ではザワついていたが、クニラも年配者組だが、そんなもん関係ないと、カウントダウンライブに向けて、懸命にコールを覚えたものだ(笑)
そもそも、年齢を気にするんだったらライブなんかに行きませんよ。
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クニラが最初に「キュン」を聴いたのは、この配信だと思う(その前にCMが流れていたかも)
最初に聴いた時の感想は、まず、前提として、全て最初にジョイフルラブとの対比があった。
デビューシングルが「ジョイフルラブ」とは思っていなかったが、当然、デビューシングルは「ジョイフルラブ」を基準として比較してしまう。
それを前提とした上で、まず、「キュン」と言うタイトルが、いかにもバズ狙いな感じがして、正直、嫌であった。
秋元康のこう言うところが嫌いなのだが、後々、プロはやっぱり凄いなぁと考えを改めさせられた。
曲調も、まさかのマイナーであり、どの坂道グループにもない曲調は、これも正直、違和感を感じた。
これも後々には改めさせられ、今では日向坂のデビューシングルが「キュン」で正解だったと思っている。
それが、日向坂テイストとなるのだから。
どの曲もそうだが、最初に違和感を感じさせるぐらいでないと、世間には届かないと言う事であり、即ち「風を吹かす」とは、そう言う事でもあるのだ。
デビューとは、ファンではなく世間を相手にする事なのだから。
まぁ、ぶっちゃけて言えば、あの当時、楽曲解禁から5月頃まで、どこに行っても「キュン」しか流がれてなくて(日向坂のイベントだけじゃなく街でも)あれだけ刷り込まれたら嫌でも好きになるわ(笑)
あの当時の頃を思い出す時、脳裏に必ず「キュン」が流れてくる。
逆もまた然別。
「キュン」を聴けば、あの頃を思い出す。
流行歌とはそうでなければならない。
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そして「キュン」のフォーメーションが「ひらがな推し」で発表される。
発表と言っても劇的なものではなく、テロップベースだったが。
5-6-9のフォーメーション。
このフォーメーションだが、民主党が政権を取った時の最初の内閣を思い出した。
その時の総力戦であり、オールスターでもある。
民主党政権を例えにすると失敗したみたいだが、これは褒め言葉である(笑)
センター小坂は予想どおり。
上手側から加藤、柿崎、下手側は齊藤、美玲。
全員センター経験者と言う布陣。
2列目の裏センターは置かずに、3列目に唯一の3期生上村を裏センターで配置。
所謂、上村に多い「ラスボス配置」だ。
この時代の日向坂のベストフォーメーションである。
勝負を賭けているのがビンビンに伝わってくる。
また、自他共に認める最強シンメの加藤、齊藤だが、「ひらがな」時代では上手側に齊藤、下手側に加藤が基本的シンメであったのが、このキュンからは逆になっている。
それは未だに続いている(シングルでシンメになった場合)
これは「ひらがな」から「日向坂」への区別を表していると思っている。
但し、日向坂でも1期生楽曲だけは、加藤が下手側で齊藤が上手側になるのがエモい。
運営と1期生は「ひらがな」への思いが強いのだろう。
こう言う運営の心憎い演出に、いつも愛を感じている。
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そして、3月5日。
遂にMVが配信された。
そう、フルバージョンが解禁されたのは、このデビューカウントダウンライブ初日当日なのだ。
クニラもライブ会場の横浜アリーナに向かう途中でMVを観たものだ。
もしかしたら、この時代の日向坂が1番熱く、勢いがあった気がする。
まぁ、何であれ、日向坂46デビューカウントダウンライブ、横浜アリーナ2DAYSである。
それは日向坂のデビューライブでもあり「ひらがなけやき」のラストライブでもあった。
つづく。