シンプルフォームに入社してからの3年間の振り返り④(社会人3年目 〜キャリアロードマップの完成〜)
はじめに
前回の「シンプルフォームに入社してからの3年間の振り返り③(社会人2年目 〜学びが加速する〜)」では、社会人2年目に入り、インプットが業務に結びついてくる過程や、自分の社内での立ち位置がよりクリアになってくる過程について、ご紹介しました。
今回は、自身にとって、入社以来一番成長を感じることができた、社会人3年目が始まってから現在までのことについて書きます。
年表
登場人物
今回のnoteについても、出てくる人物については、当社の採用情報の「メンバー」ページにてメンバー紹介が公開されていますので、そちらをご参照ください。
① PdMへの挑戦
2023年12月、はじめて自分から誘って深江さんとサシで飲みに行きました。
その時の自分は引き続き、深堀調査を中心にデータ領域で業務を進めていたのですが、なかなかうまくいかない部分があったため、深江さんに相談したいと思い、飲みに誘いました。
深江さんへの相談の中で、その時の悩みは自身の中で咀嚼する事ができたのですが、逆に深江さんから自分にとってびっくりな提案がありました。
「PdM(プロダクトマネージャー)をやらないか」というものでした。
その時深江さんはデザイナー兼PdMとして、2つの開発チーム(AチームとBチーム)を見ていたのですが、Aチームの開発が年明けからとても大変になるため、BチームにおけるPdMを自分にやって欲しい、ということのようです。
それまで、Bチーム(メンバー:駒井さん、杉さん、山岸さん)においては、クローラの精度の改善PJを一緒にやったり、新しい機能の提案やFBを行ったりしていたことから、プロダクトへの思い入れがある自分にやって欲しい、とのことです。
PdMとはなんなのか全くわかりませんでしたが、深江さんの業務を巻き取りたいと思い、PdMをやってみることにしました。
PdMをやることを承諾すると、深江さんは『UXリサーチの道具箱 イノベーションのための質的調査・分析』という本を推薦してくれました。
この本を参考にユーザーインタビューなどを実施し、その時新しく開発していたプロダクトの一機能をPMF(プロダクトマーケットフィット/商品やサービスが市場に適切に受け入れてられている状態)にもっていくことを自分に託してくれました。
PdMが何なのか全くわからなかったので、とりあえず関連書籍を読むことから始めました。
『UXリサーチの道具箱 イノベーションのための質的調査・分析』『プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで』『バリュー・プロポジション・デザイン: 顧客が欲しがる製品やサービスを創る』『プロダクトマネージャーのしごと 第2版―1日目から使える実践ガイド』など、プロダクトマネジメントにおける定番本と呼ばれているものを年末から年始にかけて一気に読みました。
年明け、新機能に関わる各メンバーとコミュニケーションを取ることを始めました。
まずは、機能開発にあたって、エンジニアメンバーとの共通言語を獲得することが必要だと考えたので、杉さん(エンジニア)への開発仕様についてのヒアリングを実施しました。
「ETL」や「Glue」など、エンジニアメンバー同士での会話では聞いたことがあるが、意味を理解していなかった言葉について聞いてみたり、現状自分が把握している機能の仕様の認識が合っているか確認したりしました。
※ ETL:「Extract (抽出)、Transform(変換・加工)、Load(格納)」の頭文字をとった言葉で、企業内に散在するデータを統合的に管理するための仕組みで、データの取得、取得したデータの変換や加工、変換・加工されたデータの格納といった一連の流れのこと。
※ Glue:Amazon Web Services の一部として Amazon が提供する、イベント駆動型のサーバーレス コンピューティング プラットフォーム。イベントに応答してコードを実行し、そのコードが必要とするコンピューティング リソースを自動的に管理するコンピューティング サービスのこと。
次に、開発している機能を提供することを想定していたお客様のRM(リレーションマネージャー/クライアントとの関係をマネジメントする担当者)である白石さん(BizDev)とMTGをセットしました。
白石さんとのMTGでは、現在のお客様との商談状況や、開発中の機能がお客様にどのような観点で評価いただけそうかヒアリングしました。
また、今後機能を他のお客様にも展開していくことを想定して、Bizサイドとのコミュニケーションの取り方などについてもMTG内で決めました。
MTGを通して、機能をお客様に評価いただけるレベルまで持っていくために、どの優先度で開発を進めていけばよいのか、少し解像度が上がりました。
② お客様のところへ
2024年02月、構想から約2年、開発着手から約半年、自分がPdMとして関わり始めてから1ヶ月経ち、ついに機能をリリースすることができました。
そして、ファーストカスタマーとなるお客様へのユーザー説明会が実施されました。
ユーザー説明会へは、RMの白石さんだけでなく、エンジニアの駒井さんと杉さんも一緒に行きました。
説明会前日に、駒井さんが「杉さんも一緒に行きましょう」と言い、急遽決まったものでした。この新機能への駒井さんと杉さんの熱量がとても高いことを改めて感じた瞬間であり、駒井さんがこのように言ってくれて、自分としてもとても嬉しかったです。
ですが、その日は人生の中で五本の指の中に入る緊張を感じた日でした。
最初から最後までではないにしろ、開発が大詰めの段階では、ファーストカスタマーを想定して、機能開発の優先度を自分で決めて、開発の取捨選択を行なっていたので、一定の自信はありつつも、もしこれでお客様に全く評価されなかったらどうしようという思いがありました。
ユーザー説明会は白石さんがファシリテーションをやってくださり、適宜自分や駒井さん杉さんが質問に対して回答する、という形で進みました。
正直緊張でほぼ覚えていないのですが、一定お客様からのご指摘がありつつも、象徴的事例をお見せした時に良い反応をいただくことができてとても嬉しかったです。
ユーザー説明会の帰り道、駒井さんと杉さんを誘って、オフィスビルの地下にあるラーメン屋さんにお昼を食べに行きました。
ラーメンを食べながら、ユーザー説明会の感触やリリース後のさらなる開発に関して話をしました。
一緒にお客様を目の前にしたことで、僕らチームが想定するべきユーザの解像度が上がり、チームでの議論の手触り感も格段に上がったと思いました。
また、その時の喜びをチームで一緒に感じることができたような気がして、とても嬉しかったです。
その日は、人生で五本の指の中に入る緊張を感じた日であるとともに、人生で二番目に嬉しかった日になりました。
※ 一番は、SimpleCheckをリリースして、当時のメンバー8人全員で打ち上げに行った日です。
③ 調査チーム再編成
2024年01月、PdMと並行して調査チームの再編成に着手しました。
上記の新機能をリリースしたことで、調査チームにおいてそれまで行なっていた特定の法人の深堀調査業務をオペレーション化することが可能になり、インターンを中心としたメンバーに、より企画寄りの業務を任せることができるようになったためです。
まず、調査チームでの業務の進め方に、PdMとしての経験を活かして、アジャイル開発(システムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法の1つで、大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていく手法)の要素を取り入れました。
1週間を1スプリントとして、
① 企画会議:前週の振り返り、今週取り組むUS(ユーザーストーリー/開発チームメンバーが日常的な作業を行う理由とその背景を記述したもの)の決定
② 全体定例:重要事項について全体へ共有、各メンバーが対応するUSの棚卸し
③ タスク積み:US達成のために必要なタスクの作成
④ デイリー:日次での進捗の確認、業務遂行における障害の除去
のサイクルで業務を週次で進めていきます。
需要があれば、他の機会に詳細については書こうと思いますが、ざっくりまとめると、スプリントの導入によって、
① 10人という大所帯での各メンバーの動きの可視化
② 1週間単位でのスピード感をもった調査業務の遂行
③ 各業務の優先度やゴールの明確化
が可能になりました。
運用を始めてから3ヶ月程度ですが、現状うまくワークしているように思います。このサイクルで業務を進めていくためには、各メンバーの主体性が前提になってくるのですが、中心となるメンバーは優秀なインターン生たちなので、それぞれが頭をフル回転させて、ゴールを達成するためにどうすれば良いか必死に考え、業務にあたってくれています。
この取り組みを通して、自分の力だけは遂行できない、チームとしてでなければ遂行できない、大きな仕事を前に進められている感覚を得ることができました。
④ キャリアロードマップ完成
2024年02月06日、新卒で入社した/する予定のメンバー全7名が、中野さんと東さんによって、会議室に招集されました。
若手メンバー7名が小さな会議室に一堂に会した光景は壮観でした。
それと同時に、創業4年目で、40人の社員メンバーのうち7人が新卒/第二新卒メンバーであることに改めて驚きも感じました。
いきなり1週間前に招集されたので、何かやらかしたかなと一瞬焦りましたが、内容は新卒メンバーのキャリアについての話でした。
最初、宮本くんと自分だけだった新卒メンバーもだんだんと増えてきて、これから新卒採用も拡大していくにあたって、新卒メンバーの育成についても力を入れていく、ということのようです。
そして、一通りの説明が終わったあと、1年後・5年後・10年後のキャリアロードマップを書くことが宿題になりました。
早速その夜、自分のキャリアロードマップの作成に取りかかりました。
依然、将来やりたいことは不明確な状態でしたが、これまでやってきたことをベースにすれば、1年後・5年後・10年後はこうなっているだろうな、ということは想像することができる状態にはなっていました。
本当に将来調査・プロダクトの領域でその状態になっているのか確証は持てませんが、「キャリアビジョン」と「仕事で大切にしていきたい価値観」という項目については、自分の中で揺るがないものであるという確証がありました。
「キャリアビジョン」という項目については、「自分の人生の集大成と言える何かを成して、その過程を作品にすること」と書きました。
入社する時に田代さんと約束した、シンプルフォームが上場するまでの話を映画にする、というのもその一つですが、何かさらに大きな作品を生涯をかけて作りたいです。
また、最近ではフェスを開催したいなと朧げながら思っています。映画やサウナ、音楽、クラフトビールなど自分が好きなものを全部詰め込んだフェスを、色々な人たちを巻き込んで開催して、多くの人が楽しんでくれたら、おそらく「生きてて良かった」と心から思える気がしています。
また、「仕事で大切にしていきたい価値観」という項目については、
① 自分のチームで働いているメンバーが、会社として、そして、社会意義的にも重要な仕事をしている実感を持って働いていること
② 仕事とは1人では達成不可能なことを他の人と一緒に実行することで達成するものであるということ
と書きました。
これはおそらくシンプルフォームでの経験があったからこそ、大切にしたいと思ったことです。
これまで大抵のことは自分の力だけでなんとかなった人生だったので(そう思っているだけで実際にはそうでなかったかもしれません)、こういった発想は持っていなかったのですが、これまで全4回で書いてきた通り、シンプルフォームが成そうとしていることは当然一人の力だけでは達成することはできません。
特に、前述のPdMとしての経験は自分にその意識を与える大きなきっかけになりました。自分が持ち合わせていないスキルや経験を持っている、エンジニアの駒井さんと杉さん、BizDevの白石さんと協力することで、新しい価値をユーザに提供する機能をリリースし、お客様に届けることができました。
本当に1年後・5年後・10年後に、自分がキャリアロードマップの通りになっているかは分かりません。もしかしたら、全く違う領域でやっているかもしれません。
ですが、「キャリアビジョン」と「仕事で大切にしていきたい価値観」がブレない限り、全く違う結果になったとしても、おそらく後悔することはないように思います。
おわりに
ここまで24,000字超の長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。最後に、本noteの冒頭で、振り返りの目的としてあげた、「これまでに出会った信頼関係を築くことができた方々への感謝」「これからより深く関わっていきたい人々に向けての自己紹介」「これから新しく出会う方々とのきっかけづくり」のため、それぞれメッセージを書かせてください。
シンプルフォームのメンバーへ
ここまで書いてきた通り、名前を出していないメンバー含めて、日々大変お世話になっております。本当にありがとうございます。
このnoteでは、自分の人生の中でのシンプルフォームが持つ意味合い/ストーリーを書いてきましたが、おそらくシンプルフォームのメンバー全員にそれぞれのストーリーがあると思います。
みなさんのストーリーを、これからお酒を飲みながらでも聞かせていただけると大変嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
旧友の方々へ
今回は社会人になってからの出来事を中心に書きましたが、今の自分を形作っているのは、これまで出会ったきた方々全員です。
それぞれ親交の深さは違うと思いますが、これまで出会ってきた人と、将来何か一緒に仕事できたら良いなと思っています。
自分から誘うこともあるかもしれませんが、ぜひ飲みとかテニスとかサウナとか映画とか誘っていただけると嬉しいです。
これから新しく出会う方々へ
ここまで知らない人間の長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
冒頭でも書きましたが、このnoteを通して、「齋藤国興ってこういう人だよ」「シンプルフォームってこういう会社だよ」ということが伝わったら嬉しいです。みなさまがこれからどのようなキャリアを歩むにせよ、何か一つでも伝わるものがあったら嬉しいです。
もしこのnoteを通して弊社に興味持っていただけた方がいらっしゃいましたら、弊社HPの問い合わせフォームや自分のFacebookへご連絡ください。お待ちしております。
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