見出し画像

漫文駅伝『三浦マイルドの田舎暮らし』 第14回 三浦マイルド

第14回「マイルド軍団」

どうも、三浦マイルドです。

先月末、東京に行き、1ヶ月ぶりに苦肉祭に出演した次の日、マイルド軍団ライブを、千川びーちぶで開催しました。

この、マイルド軍団ライブは、私が東京に拠点を移した頃から始めまして、ここから、すゑひろがりず、ななまがり、ミキ、霜降り明星、金属バットが賞レースを経て世間に認知され、人気ライブとなりました。

近年は「金属バットの人気にあやかったライブ」とか、「金属バットが抜けたら終わる軍団」との声もありますが、面白いライブをお届けしてきたという自負はあります。
(恐ろしいのは、こういう声が軍団内部から聞こえてくる事です…)

これまでは、ルミネtheよしもとや、無限大ホールなどの、吉本の劇場でやっていたのですが、現在、私が会社と上手く連携が取れていないのと、都心部や関西の劇場を、やんわり出禁になっている感じがするので、ソニー・ミュージック・アーティスツ(SMA)の持ち劇場で開催する運びとなりました。

台風の影響で交通機関が止まり、にぼしいわしが出演出来なくなったり、予約キャンセルも15名ほど出たりもしましたが、ライブは最高に盛り上がりました。

賞レースを意識したネタをする者もいれば、そんなネタ、今後どこで披露するつもりやねん!とツッコミたくなる様なネタをする者もいて、多様性に満ちていたと思います。

打ち上げも楽しかったです。
芸人と酒を飲みながら、お笑いの話をする。
約半年前まで当たり前にある日常だったのですが、今の自分には特別な時間でした。

普段は、島のお坊さんと江田島市の教育環境について話をしたり、仏教の話を聞いたりしていますから。

それはそれで、とても有意義な時間なのですが、
芸人同士で、アホで救いようのない話をするのが、たまらない位、恋しく思う時があります。

本当に楽しい一日だったのですが、一つだけ許せない事がありました。

東京遠征において、重要なのが宿の確保です。

最近、インバウンド需要でホテル代が高騰し、東京のカプセルホテルですら6000円近くします。

福岡だと、カプセルが10000円からだと聞きます。

私も旅費を抑えたいので、泊めてくれる芸人仲間の厚意に最大限に甘えるよう心がけています。

このライブの終演後、ズンズンポイポイのTHE小野に「今日、泊めてもらって良いかな?」
と聞くと「僕、打ち上げ、参加しないんで、、」
と、やんわり断ってきました。

「じゃあ、打ち上げ終わって、向かっていい?」と食い下がると
「いやあ、明日の朝、家でyoutubeの生配信するんで」と、こちらの神経を逆撫でする事をぬかすのです。

「生配信するんで出てもらえないですか?」とか
「僕、近所の公園に行って生配信するんで、マイルドさんは家で寝ててください」とか
「明日は生配信しません!」とか、選択肢は沢山あったと思います。

一番最悪な選択を彼はしてしまいました。

それを見ていた風穴あけるズのコブラが
「兄さん、うちに来てください」と言ってくれました。

しかもコブラは私を布団で寝かせてくれて、彼は床で横になりました。

真の忠誠心を見た気がします。

次の人事で、コブラは本部長に抜擢し、小野は平の若衆に降格させます。

そもそも、小野の外道は以前から、そういうふしがありました。

2021年の女性芸人日本一を決める大会、THE Wで、マイルド軍団婦人部の婦人部長、オダウエダが優勝し、その祝勝会を沼袋にある焼肉屋で執り行う事にしました。

参加者は、私、オダウエダ、ズンズンポイポイという、細やかな宴でした。

何度か訪れた事のあるお店で、店主が芸人を贔屓してくれる方で、珍しい肉の部位を出してくれたり、メニューにないジビエを出してくれたりするので、この店で間違いないと思い、予約しました。

会の始まる2時間前に、ウエダから
「これから雑誌の取材なんですが、衣装の着替えや、化粧で時間がかかって、1時間遅れそうです。すみません」と連絡がきました。

「ズンポイと先に始めとくから、気にせんで良いよ。ゆっくり来てな」と返信しました。


会は20時半スタートの予定です。
そろそろ、家を出る準備をしようと思った矢先、
ズンポイたろうから、以下のLINEが入りました。
(原文ママ)


お疲れ様です‼

すみません‼
大変申し訳ありません‼‼
遅れまして、21時に沼袋つきます‼‼なので僕らは直接店にいきます‼

本当に申し訳ありません!

この日、ズンポイは仕事があるという事は聞いておりました。それ終わりに向かうと。

しかし、これが送られてきたのが19時56分、会が始まる約30分前です。
非常識極まりない、社会人として零点の行いです。

「僕らは直接店にいきます!!」とありますが、駅集合とかではなく、前日に「お店に集合ね」と送っております。

「こちらも最大限に急いでるんです!」
というアピールのつもりなのでしょうか?

「まあ、仕事なんだから、仕方ない」
そう自分をなだめていると、小野からもLINEが入りました。
(以下原文ママ)

お疲れ様です!!
マルイドさんすみません!!YouTubeの撮影が長引いてしまい遅れてしまいます!!
21時にお店に向かわせていただきます!!
申し訳ございません💦

仕事てyoutubeの撮影なん?
それって調整出来るんじゃないの?

私の心はズンズンポイポイに対する不信感でいっぱいになりました。

そして私は、会の始まりが遅れる事を直接詫びた方が良いと思い、20時半に、お店に行きました。

お店に到着すると、予約テーブルの上に七輪が置いてあり、もうお肉が焼ける様にセッティングされていました。

事情を店主に話し、火がついた七輪を一旦下げてもらいました。

それから、約30分間、予約した6名用テーブルで、1人ポツンとズンポイの到着を待ちました。

21時を回った頃、追い討ちをかける様に、小野から信じられないLINEが送られてきました。
(以下原文ママ)

マイルドさんすみません!!
忘れ物しました!!
しかも電車も乗り間違えました!!💦

こいつらは、「すいません」を、
唱えれば全てを許してもらえる、魔法の言葉だと思ってるのでしょうか?

時間は21時半になり、オダウエダの方が先に到着しました。

謝ってくる二人に
「いいよ、いいよ、忙しそうで何より。優勝して良かったなあ」と、心からお祝いの言葉を伝えました。

その約10分後にズンズンポイポイの2人は到着しました。

「遅れてすみましぇん!」

謝ってくる2人を見ると、顔が真っ赤で、若干、呂律が回ってないのです。

「え?お前ら酒飲んでたんか?」とズンポイたろうに聞くと

「そうなんですよ!横浜のセンベロの店で動画撮ってたんでしゅけど、新立さん(構成作家)が、俺らを帰してくれなくてえ、遅れたの、じぇんぶ、あの人のせいっしゅわぁ!」

顔面を七輪で焼いてやろうかと思いました。

祝いの席なので、ここでキレたらオダウエダに悪いので、ぐっとこらえました。

このエピソードを、マルコポロリ!のスタッフに話をしたら「マイルドさんらしい話ですね」と、手を叩いて笑っていましたが、私はこれを笑いとして昇華する気は一切ありません。

一生かけて償わせたいと思っています。

なので、小野が私を泊めるのを拒否するなど、言語道断なのです。

マイルド軍団というのはこういう、いびつな絆で繋がれているのです。


〈続く〉

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?