A-Yoga Movement Coachで伝えていること、伝えていきたいこと
2004年から細々とA-Yoga Mind and Body Movement Therapyのインストラクター養成を開催しています。1回の開催が最大10名としているので、ほんとうに細々と、、、。
2022年6月4日(土)、5日(日)初回は2日連続で、仙台でのA-Yoga Movement Coach養成がスタートします(リンクページの真ん中あたりのムーブメントコーチの内容です)。
養成ってなにやるのか?そもそもA-Yogaが意味不明なので、これまでもほぼ口コミ、誰かの紹介、、、でこの養成が進んできていて、それは何よりもありがたいことで。
現在、ヨガジェネさんで「ヨガ動作学」を開催させていただいていて、その講座では、A-Yogaの養成で伝えている概念の一部で、現場にすぐに還元できそうなものを共有させてもらっています。
あと数名養成の受講枠があるみたいなので、興味のある方は下の内容を読み進めていただければと思います。
このA-Yoga Movement Coach養成は受講資格が以下のように設定されているのですが、
「A-Yoga Movement Coach 養成受講資格
アスレティックトレーナー、パーソナルトレーナーなど現在すでに動作指導をしている方
医療資格保持者(鍼灸、柔道整復師、理学療法士など)
JATI、NSCA、NATA、JSPOなどの指導者関連資格を修了している方
他のヨガインストラクター養成講座を修了されている方で、パーソナルレッスン指導の経験がある方
それ以外の方は、一度ご相談ください。」
その理由は、基礎解剖や身体生理学や運動力学の基礎的なところはあまりカバーしないので(必要なところはもちろんふりかえりはしますが)、基本学んできているというのを前提で、感覚受容の話や動作、コーチング・問いの立て方について進めていくので、全体の学びの場の形成を考えたうえで、受講資格を設定しております。
調べると日本でのRYT200のスタートが、2006年が最初だったようなので、その2年前からヨガをベースとしたインストラクター養成講習をしていたのだなぁ、、、と。
私のベースがアメリカのアスレティックトレーナーであり、予防を軸とした運動活用、そして動きを通した人間形成のお手伝いという理念のもと、動作教育というキーワードを大事にここまで積み上げてきました。
誰もがヨガのポーズ(Asana)ができることがヨガの目的ではないことは感じているけれども、どうしてもヨガのポーズを取ることが目標・目的になってしまう。フィットネスの運動でも、腹筋ができることが目的ではないことはわかっているけど、気が付けば腹筋ができることが目的や目標になってしまったりする。
その要因の一つとして、
「なぜ人は動くのか?」
「人にとって動きとは何なのか?」
という部分への問いかけがすくないままで、動きの形を学ぶからではないか、、、と漠然と感じながら、運動指導の世界で作り出したい世界につなげる養成とはどういうものなのか、、、をずっとずっと考え、養成の内容や、認定者の継続講習での方向性に修正をかけてきました。
人間にとって動きとは、心であり、心とは動きである。
心は動きから作られる・生まれる
こんな言葉が、過去の研究者そして今でもいろいろな分野から聞こえてきます。
ヨガで言う真我(アートマン)とは一体何の先に存在するのか。
無意識と意識の世界
そして意識の世界を拡充するためには、無意識の世界とどう向き合うのか。
そしてその無意識とは本当に無意識なのだろうか?
実はその解が動きの中に隠れていると感じてここまで来た。
アスレティックトレーナーとして、人の生き死に含めて向き合ってきた中で、自分がなによりもラッキーだったと思うことが一つある。
それは、超人的な動きをするアスリートたちをみさせていただけたことと、難病や障害、慢性的な疾患を持ちながら生活をしている人たちをみさせていただけたこと。
人間の動きの可能性のスペクトラムでいえば、両極にいるその人たちの両方を見えきたからこそ、「すべての人にはその人に必要なすべてのものが備わっている。」と心から言い切れるし、「なぜ人は自分自身を見失うのか」も、なんとなく見えてきている。
動きと言う世界を通して、どんな発見と気づきと転換の場を創造できるか。それを大事に養成を組み立てている。
養成コースにおいて、大事なのはそこが安全な場であり、みんなにとって学びの場であること。
それはいずれお客様を見る時に、自分がその環境を作る立場になるうえで、どうすればみんなにとって最適な学びの場になるのかをインストラクター自身も学んでいくことが必要になる。
相手の視点
自分の視点
両者を見る視点
社会の視点
過去
現在
未来
自分を受容し、相手も受容する
そんなことを様々な対話を通してやっていく。
「なんのために自分は働いているのか(自分はレッスンをしているのか)。」そこをきちんと掘り下げないまま指導法だけ教わっても必ず壁にぶち当たる(と、私は思っている)。
もちろん体という構造、心という存在を相手にするお仕事なので、基礎的な知識は絶対的に必要になる。8回の講習(+事前学習動画)ですべてを学ぶことは難しいけれども、土台となる考え方や視点はできる限り共有を心がけている。
体であれば、骨の形状、関節の法則、深部感覚の役割と考え方、動作学の基本的な考え方である、知覚行為循環、動的平衡、適応という考え。
ベルンシュタインの考え方、BPS、感覚と私たち、感覚を言語化する意味。
個人的には、言語で表現できない世界は存在すると思っている。
ただ人と何かを共有するうえで、その人の中にあるものを共にみるうえでは、言語というもの(Verbal とNon-verbalの両方)がキーとなる。
Dr. Damasioが言っている、
「感覚器官で受容したもの(Sensing)が、脳の各領野で知覚され(Perception)、その知覚されたものから我々の情動(Feeling)が湧き出てきて、結果それが心(Mind)となる、、、」と。
「Mind・心」を理解したい、自分の情動をどうにかしたいと思っている人はたくさんいる。でも同じところをぐるぐる回るには理由がある。出てきたものにアプローチをしたところで、出力に変わりはない。
大事なのは、どんな感覚入力がその出力(情動・心)を生み出したのか、マクロの世界で自分・相手を見てみること。
そしてそこには必ずその人の地図が存在する。
パターン化されたものが、地図として残り、その地図がその人が持つイメージを表現する。
あなたが持つあなたの体のイメージは?
あなたが持つあなたの動きのイメージは?
その問いかけをどのようにするのか、そのキーを知ることで相手は一気に動き出す。
体は不思議。
ちょっとした入力の変化が体を大きく変える。
誰かに触ってもらって、その触り方一つで、立ち上がったときに身長が伸びた感じがしたり、視野が広がったり、呼吸が深くなったり。
何を起こしたいのかを考えれば、何をすればいいのかの発想も生まれる。
私の役割は、相手の気が付いていない・無意識になっているところに少し問いかけ、今までの入力と、新しい入力にどのような違いがあるのか、新しいパターン、新しい地図のイメージを一緒に作ること。
上の写真も、「脊柱の伸展を引き出している」と多くの人が思うかもしれない。私にとっては、脊柱が伸展しているのはあくまでも結果でしかない。
骨盤が地面に固定面として存在し
脊柱から頭部までのセントレーションを探し
肩甲帯が肋椎関節の上方(後方)回旋につながる位置に、私の足の角度(私のポジションのスタートはほぼ正座状態から、脊柱と肩甲帯のセントレーションとのバランスを取りながらお尻を上げている)深部感覚の入力を変えながら進めている。
その時の声掛けは、視覚的だったり聴覚的だったり。
相手の反応を見ながら変えていくことで、結果脊柱の伸展が無理なくできるようになっている。
大事なのはそこで本人が何を感じ、何を受け取ったのか、、、ということ。
できることが目的ではない。
普段はパーソナルでのセッションが多いですが、週に2本のグループレッスン(8名)、そして様々なカンファレンスやセミナーシリーズでさせていただく大人数でのレッスンからも多くのことを学ぶ。
私の誘導の言葉に対して一人一人の反応は少しずつ変わる。
なぜならそれがその人が持っているイメージの創出であるから。
そのすべてが良い反応で、そのすべてがその人の反応。
でも、侵害を起こすような要素を減らすためには、どうすればいいのかを知ることも大事。
8回の養成を通して、本当に概念の基本のところに触れて、それを実践に落としていく。決して時間としては十分ではないかもしれないけど、8回という養成(約6か月)でそれぞれが大きな変化をする様子は数多く見てきた。
学びは継続的である、という思いもあり、認定者の皆さんには2年に1度の単位(CEU/Continuing Educational Unit・継続教育単位)を取っていただき認定の更新をしてきています。
ここ2年はハイブリッドでやってきましたが、今年は、京都のお寺でみんなで集まって開催できそうです。
2022年6月スタートの仙台でのA-Yoga Movement Coach養成講習に興味を持った方は、ぜひこちらをご覧ください(受講料は分割払いも可能です)。
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